テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
魔法生物に変化したことに伴い一行等はそれぞれの得意系統の属性しか魔術を使用できずスライムに苦戦するがウインドラの機転でスライムを倒す。
今後このようなことが起こった時カオスは自分が魔術を使うしか無いと危惧するが………。
ダレイオス どこかの廃墟
「肉の日持ちを考えて早めに出発した方がいいよね?」
「そうですね。
幸い今の気候は少し寒いですしすぐに肉が痛むということは無さそうですが………。」
「氷の魔術を使えない今食料が底を尽きてしまわぬうちに急いで王都へと向かってしまおう。
この廃墟を探索中に地図を見つけた。
ここから南西に真っ直ぐ向かえば王都まで行き着く筈だ。」
「南西………。
レイディーも王都に行ったのかな?」
「レイディーさん?」
「私達がこうして火と氷が使えなくなって困ってるってことは多分レイディーも氷以外が使えなくなってるでしょ?
私達と違ってモンスターの肉を冷やして持ち運びできそうだけど………。」
「レイディーは旅馴れていますからこのような状態でもお一人で解決しているでしょう。
あの人は何でもお一人でこなせる方ですから。」
「逃亡のプロを自称している人だったからな。
ミシガンもレイディー殿と一時旅を共にしてそこは分かってるだろう?」
「そうだけど………、
心配は心配じゃない………。」
「レイディーさんなら心配しなくても大丈夫だよ。
俺達に会う前からずっと一人で旅をしていたって言ってたし火を起こして肉を焼いたりするのだって魔術を使わなくてもどうにかしてるよ。」
「………そうだよね。
レイディーなら心配要らないよね?」
「レイディー殿はともかく今は俺達のことだけを考えよう。
この辺りもいつヴェノムに汚染されてしまうか分からないしな。
進路も決まったことだし王都へと足を進めよう。」
「………分かった。」
ダレイオス どこかの道
ザッザッザッ………。
「………ダレイオスってさ。」
「?」
「マテオと違って道が舗装とかされてないんだね。
歩いてて本当に目的地の方向に向かってるのか分からなくなってくるよ。」
「…言われてみればそうですね………。
街はありましたけどそこから道らしい道がありませんね………。」
「ダレイオスは大陸全土でダレイオスの名前で統合はされましたが未だ九の民族がそれぞれの元々の領地を国として考えて治めている国家です。
マテオは全土がレサリナスの一政府に統治されていますがダレイオスは連合国。
九の小さな国々がマテオのレサリナス政府に対抗するために険悪な民族同士の国を急ごしらえで一つに纏めて作った国ですから境界とかも曖昧で道なんか作っても他の部族に領権侵犯と訴えられて破壊されたりしますから中央の王都以外の場所には道と言う道はありません。
その他の道が作られない理由に九の民族自体が自分達の土地から出ていったりしないことがあります。」
「………それってさ。
もし俺達がこのアイネフーレの領地から一歩でも他の民族の土地へ侵入したらどうなるの?
この辺りのアイネフーレ族はいないみたいだから難なくダレイオスに渡れたけど部族間で仲が悪いんなら俺達アイネフーレ族と思われて何かされたりするんじゃない?」
「昔そういう例があってその時は侵入した人をその場で焼き殺したようです。
形式上同国国民ですがマテオが絡まなければ敵国の敵が侵入してきてる訳ですから殺された人は運があるかったとしか………。」
「治安悪!?
焼き殺された部族の人達はその人が殺されて何も抗議とかしなかったの!?」
「そういうのは無かったと思いますよ?
全部族が同じことをしてるのでそれに一々文句を言ってたら紛争事に発展してそこからマテオに攻め入られる可能性がありましたから。」
「………ダレイオスって想像以上に野蛮なところなのかな………。」
「ボク達の国はこれが普通なんです。
ボクも生まれたときからこういう常識を教えられてきましたし迂闊に他の部族の領地まで足を運ばなければいいだけだったので何も不便に思ったりしませんでした。」
「何も考えずに歩いてきたけど下手に部族の境界に足を踏み入れてたら大変なことになってたかもしれないんだね………。」
「地図を見つけてきてよかったね………。
中央に向かえば向かうほどその部族と部族の境界が狭まってくるから知らないうちに境界を越えてたりなんかしたらと思うとゾッとするな………。」
「?
それなら心配するほどでも無いんじゃないですか?」
「何で?」
「ボク達は仮にもあのバルツィエから逃れてダレイオスに渡ってきたんですよ?
そんなボク達が今更そこらの部族に負けたりなんかしませんよ。
人数は五人しかいないとはいえボク達にはバルツィエの一人を倒したウインドラさんがついてますし何よりバルツィエを同時に四人相手したカオスさんだっているんですから。」
「カオスがいるのは戦力的にはかなりのものだと思う………。
だがなタレス君、
俺達がいるからと言って絶対に安全だとは言い切れないぞ?」
「そうだよ。
危なくなったら俺も戦うけどだからって戦いたい訳じゃないからなるべく戦わないようにすることが最善だよ。」
「今の私達の旅の目的はカオスの力をどうにかすることです。
無用な争いは少なくするに限りますよ。」
「そうそう、
私だって早く皆でミストに帰りたいからまた変な揉め事になったりしないようにしないとね。」
「………そうですね。
久々にダレイオスに戻って何だか好戦的になってました。
昔だったら戦おうとすることなんて考えたりしなかったんですけどバルツィエのいない地に帰ってきて気が大きくなってたんだと思います………。」
「タレスにとっては苦い日々だったと思うけどそれによって身に付いた強さがあるもんね。」
「私も怖いモンスターとかに遭遇しちゃった後にそれから解放されると途端に自分が凄く思えてきちゃってタレス君みたいになるときがあるよ。」
「今の俺達には弱点がある。
強くもなってはいるだろうが作戦はきっちり立てよう。
ごり押しで罷り通れるところは通ってそうでない時があるのなら焦らず冷静に、だ。」
「………それで行きましょう。」
「あっ!」
「どうしましたか?」
「ダレイオスについて沢山の部族があることを聞いて疑問に思ったんだけどダレイオスにも王都があるんなら、
ダレイオスの王様ってどの部族の人なの?」
「………」
「仮で作った国にしても王様はどこかの部族の人がやってるんでしょ?
一昨日の話聞いてたら気になってたけど聞くの忘れてたよ。」
「俺もそれは気になる。
マテオにいた時はダレイオスの情報は戦地に赴くバルツィエが掌握していたから騎士団にいながら俺も知らないんだ。」
「私も知りたいです。
九ある部族からどの部族の長が王となったのですか?」
「………分かりません。」
「分からない?」
「ダレイオスの王が誰なのかボクにも分からないんです。
末端の村にはそういう情報が流れてこなくて………。
王都は各部族から一部の人だけが移り住んで政府の体形をとっていてその人達からたまにですけど情報は流れてきます。
大抵の話は大人達だけで対応していたので子供のボクにまでは重要なこととかは………。
ただアイネフーレ族の人が王になっていたとしたらアイネフーレに有利な政策を進めると思うのでその政策の話が無いってことはアイネフーレ族の誰かが王ではないと思います。」
「そういう話になるなら王は自分の部族に有利な政策をとっている部族ということになるのか………。」
「ではまだ私達ではどこの部族が王になっているのか判断できかねますね。
他の部族と交流する機会があればそれも分かりそうなものですけど………。」
「無理に知ろうとする必要はない。
この国の者達が俺達をどう捉えるかすら分からぬ状況で敵になる疑いがある部族のことを詮索しても俺達がかえって妙な疑いを持たれるだけだ。
俺達はマテオから来たことを隠さなければならないからな。」
「…そうだね。
余計なことに首を突っ込んで痛い目見るのはもう嫌だしここは王都についてから王都の人に聞いてみてもいいんじゃないかな…?」
「そうしよっか。
そのうち知るタイミングとかあるでしょ。
その時が来るまで今は王都に安全なルートで進むことだけにしようよ。」
「そうだね。
これどねダレイオスも広いなら王都に行くまでにどこかしらの部族の人達とも出会ったりするだろうし上手く戦闘を避けてダレイオスの現状を聞いたりすればいいもんね。」
「大陸の外側のアイネフーレはヴェノムによって滅ぼされていましたが内陸部の方々がどこへ向かったのか早めに知っておきたいですね。
………本当に王都にその方々が向かっていれば善いのですが………。」