テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
通常の攻撃だけでは討ち取れそうに無かった一行だったがブルータルから雷撃を受けたウインドラが………。
王都セレンシーアイン 南区
「ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」
「もう!
なんなのォッ!?
さっきまで普通だったじゃない!!」
「俺達がダメージを与えすぎたせいでゾンビだったのが形体を維持できなくなったようだな!」
「しかし一体何時からヴェノムに感染を……!?」
「これだけ大きな奴ならどこでヴェノムに感染しても不思議じゃないよ!
こいつが来てからまだそんなに時間は経ってないけどもうこの辺もヴェノムでいっぱいなんじゃないかな…!?」
「ならこのジァイアントヴェノムを倒して周囲の警戒にあたろう!!
とにかく!!
全員でこいつの討伐にかかるぞ!!」
「ジュゥゥ……………………。」ジュッ………
「………倒したか………。」
「ヴェノムになっちゃったら途端に弱くなったね………。」
「一息つく暇もありませんよ!
先ずは街の外の警戒に向かいませんと!」
「そうだね!
他にヴェノムに感染したモンスターが来てないか見に行かないと!」
「では始めにそれぞれが探索した地域の確認に行きましょう!
ボクは東区に戻ります!」
「じゃあ俺は西区に!!」ダッ!
「私も北区に向かいます!」タッ!
「ミシガン!
俺とお前はこの南区を警戒しよう!
この南区からこいつが入ってきたのならここにヴェノムが集中しているかもしれない!
二人で警戒にあたるぞ!」
「分かった!」
王都セレンシーアイン ???
「ニャア………?」
「………………、
………あの人達………何してるの……?」
王都セレンシーアイン 中央区
「………皆、
ヴェノムは見つかった………?」
「………北区には異常はありませんでした……。
モンスターも特には………。」
「東区もモンスターもヴェノムの侵入もありませんでした………。」
「皆のところもか………。
西区もそうだったよ……。」
「俺とミシガンでこの辺りを捜索してみたがあのブルータル一匹しか見当たらなかった………。
あいつだけがどこかでヴェノムに感染してきてここまで一匹でさ迷いこんで来たようだな………。」
「ウインドラ、
ブルータル………、
猪系のモンスターって大抵は群れで活動するよね?
なのにこいつだけがここにやって来るのって変じゃない?」
「群れで行動する種なら他の仲間も引き連れて来そうなものですけど………。」
「俺の打ち上げたライトニングはかなり広範囲からでも見えただろう。
それなのにいくら視野が広いからと言ってこいつだけが反応してここに来るのは確かにおかしな話だ。
こいつが感染していると言うことは少なくとも他のこいつの仲間も感染している筈………。
知能がないヴェノムが人を警戒してボスのこいつだけ単独で街に入ってくるということはあり得ない………。」
「体が大きいからこのブルータルだけが群れを置いて一匹で走ってきたんじゃないの?」
「それにしてはこいつが街に侵入してきてから俺達との戦闘の時間と警戒にあたった時間を含めてももう群れの仲間がとっくに着いていていいだろう。
………恐らくこの感染個体は………、
感染してからかなり長くこのゾンビ形体を維持していたようだな………。」
「ゾンビからスライム状にならなかったってこと………?」
「そうとしか考えられん。
他の手下共は感染してから数時間でスライム状になり他の生物を捕食できずに飢餓した。
こいつだけがスライム形体を維持して飢餓から免れたのだろう………。」
「通常の個体でも一日以内にはスライム形体に変化しますよね………?
そんな話は聞いたことが………。」
「………ある!
あるよ!
その話………!?」
「レサリナスから脱出した夜にレイディーさんが話していたヴェノムの実験体の中に確かそんな個体が稀に発見されていたそうですね。」
「あの時の話では………レイディーはその個体のことを………………“アスラの失敗作”とか仰っていましたね………。」
「ってことはこのブルータルがその“アスラ”とか言うやつなの!?
どうしてそんなのがこんな街中に!?」
「聞いていた特徴としてはヴェノムに感染してから自我は失われてはいるがその後もその状態を維持し続けられる個体だったらしいな。
………つまりこいつは他の仲間がヴェノム化して消えていく中で一匹だけゾンビ形体であり続けその後もこのダレイオスを徘徊していたのだろう………。
………………こんな巨大で屈強なギガントモンスターがヴェノムウイルスを振り撒き続ければその周辺住民はその地を離れるしかないな………。」
「道中誰にも会わなかったのはこいつがいたからなんだな………。
こいつがヴェノムをばら蒔いて回ってたからダレイオスの人達は街を捨てなきゃいけなかった………。」
「稼働し続ける限りヴェノムの災厄が無限に降りかかる………。
早めに対処できればそれも防ぎようがあったのでしょうけど………。」
「ダレイオスの皆はマテオと違い未だ原始的な方法でしかヴェノムには対処できません。
……ギガントモンスターというだけでも脅威なのにそれがヴェノムウイルスを持ったアスラで落とし穴を掘るにしてもこの巨大を上手く落とせる穴など直ぐには用意できないでしょう………。
それにこいつは雷撃という遠距離攻撃もできますから無策で近付くのはとても危険です………。」
「ダレイオスの人達はこいつに手も足も出せなかったんだろうね………。」
「………でも私達が倒しちゃったんだしもうこれでこのアスラってのにダレイオスの人達が脅かされることもないよね?」
「この一体だけ………でしたらそうでしょうけど………。」
「この個体の他にもいたらまだダレイオスも安全とは言えませんね………。
………普通のヴェノムですら危ないですし………。」
「まだこんなのが他にいるって言うの!?」
「まだそうと決まった訳じゃないよ。
こんな珍しいのだってそう何匹もいないと思うよ?
マテオでだってこんなアスラなんて……………………………!」
「いたの!?
こんな大きなアスラってのが…!?」
「う~ん?
どうかなぁ………?
あれは………どうだったんだろう………?」
「カオスが思い出してるのはあのダイナソーのことですよね?」
「そう。
あれって俺達と戦ってる間にスライム状にはなったけど俺達が倒さなかったらどうなってたんだろう………?」
「それは………あのまま放置する訳にもいきませんでしたが………このブルータルのようになっていたかは………。」
「分からないよね………。
もしかしてマテオって探せばこんなのが他にもいたのかなぁ………?」
「レイディーさんも珍しい例と言っていたのでギガントモンスターだからと言ってアスラなのかは判断つきませんよ。
ジャイアントヴェノムを見かけたという報告記事の多さからしてギガントモンスターも時間が経てばヴェノムに変化する個体もいるようですから………。」
「ジャイアントヴェノムって何もギガントモンスターだけがそうなるんじゃないんじゃない?
沢山他のモンスターを食べたヴェノムが肥大化してジャイアンヴェノム級に大きくなったってのもレイディーが言ってたよ?」
「ただのジャイアンヴェノムだったなら死滅するまで待てばいい………。
だが今回のような“アスラ”と呼ばれる個体が他にもダレイオスのあちこちにいてヴェノムウイルスを振り撒いているのだとしたら避難したダレイオスの人々はどこへ避難したのだろうな………。」