テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 王都セレンシーアインを探索中ギガントモンスターブルータルに遭遇してしまったカオス等一行。

 雷撃を受けパワーアップしたウインドラだったがブルータルが突然体が溶け始めヴェノム化してしまい………。


カオスと対話する存在

王都セレンシーアイン 中央広場 夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………昼間のブルータルから街を警戒してはいたけどもうモンスターが街に入ってくる気配は無いな………。」

 

「あの一匹だけが今日の収穫ということか………。」

 

「ダレイオスの東側の人達があのブルータルを恐れて避難したのは分かりましたけどそこからどこへ向かったのかは分かりませんでしたね………。」

 

「あれは普通の人が相手するには無理だろうね……… 。

 私もあのブルータルが突進してきた時に足がすくんで動けなかったもん………。

 おまけにあのブルータルはヴェノム持ちでしょ?

 どうすればいいのよ………。」

 

「………?」キョロキョロ…

 

「アローネ何探してるの?」

 

「昼間の猫があれからどこにも見当たらなくて………。

 全区を回って探してはいるのですが………。」

 

「あぁ………、

 いたね猫………。」

 

 

 

「猫か………。

 猫の話をしている時にブルータルが咆哮をあげて話が途切れたのだったな………。」

 

「私達猫ちゃんの何の話してたっけ?」

 

「あの猫が人の多いところで飼われているという話までしましたよ。」

 

「飼われている?

 飼われていたじゃなくて?」

 

「えぇ、

 あの猫は私の推測では現在も誰かがお世話していると思います。

 あの猫の人に対する馴れようは野良猫と比較してみても分かります。

 あれは野良猫の雰囲気ではありませんでした。」

 

「近くに飼い主がいるってこと?」

 

「私の推測ではそれで間違いないかと………。」

 

「アローネ=リムの推測通りだとするならばまだ俺達が捜索していない場所がありそうだな………。

 明日は郊外の方も視点に入れて捜索してみるか?」

 

「そうだね。

 猫が見つかったら着いていってみるのもいいし直接俺達で探すのもありだね。

 明日は猫もしくは人のいる場所を捜索することにしよっか。」

 

「明日は猫ちゃん探しだね!

 頑張るか!」

 

「猫が目的になってません?」

 

「細かいところはどうでもいいでしょ!

 まだ昼間十分撫でられてなかったんだから!

 

 

 

 じゃあ今日も明日早く起きるために早めに寝よっか!」

 

「そうしよっか…。

 幸いにも寝る場所は選びたい放題だしね。」

 

「夜だからと言ってモンスターやヴェノムの警戒は怠るわけにはいかん。

 全員で近くにいた方が何かあったときに動きやすいからなるべく部屋は近くを選ぶか。」

 

「………廃墟とは言え誰かの家を拝借するというのも抵抗がありますね………。

 まだ近くにいるのかと思いますと………。」

 

「寝具とかは無かったけどソファーとかそういうのはあったからそれで何とか寝れる空間を作ろうか。」

 

「それでどこにしますか?

 ボクはどこででも寝られますよ?」

 

「どうせなら一番豪勢そうな中央の建物で寝ようよ!

 見晴らしが………、

 そんなに変わらないけど気分は良くなると思うし!」

 

「そうだな。

 ミシガンがそれでいいなら………。」

 

「よ~し!

 決まりだね!

 じゃあ早く行こうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都セレンシーアイン 中央建築物 夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………俺はここでいいかな………。」

 

「ここですか………?

 でもここは………。」

 

「カオスどうして屋上なの?」

 

「ここの方が………なんか落ち着くんだ………。」

 

「今日は特に雨が降ったりとかはしてないがこんなところで夜をこさなくてもいいんじゃないか?

 せっかく屋内があるというのに………。」

 

「なんか今日はここで過ごしてみたい気分なんだよ。

 この街は………建物とかは違うけど………、

 

 

 

 旧ミストに戻ってきたみたいで………、

 ………この景色を見ながら眠りたいんだ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「………」」」」

 

 

 

「………だから今日はここで眠ることにするよ………。」

 

 

 

「…そこまで言うのなら無理に引き止めはせんが………。」

 

「寒くなってきたら直ぐに屋内に戻って来てくださいね?」

 

「外で眠ることに馴れてるとはいえ風邪には気を付けてください。

 睡眠だけが体力の回復を促しはしませんから。」

 

「もう………、

 またカオスは一人になろうとして………。

 どこかにまた行っちゃわないでよ?」

 

 

 

「それはないから安心して。

 それじゃあもう暗いし皆も早めに屋内に戻った方がいいよ。」

 

 

 

「………では。」

 

「お休みなさいカオス。」「お休みなさいカオスさん。」「お休み~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり一人でいる方が気が楽だな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の方が………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番安らぐ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(………一人は寂しくて嫌だったのに………、

 今は逆に一人になりたいなんて………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我が儘な悩みだよな………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何故お主は一人になる………?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『一人になることがお主の望みだったのかのぅ………?

 お主らの時間で言うと十五年の月日共にいるワシから見てもお主の行動は不可解なことばかりじゃのぅ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………誰だ?

 どこから声が………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『見回しても無駄じゃ。

 お主の視線の先にワシを捉えることはできぬ。

 ワシは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お主の中から語りかけておるのじゃからのぅ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は…………!?

 殺生石………!?

 

 

 

 いや………夢の声の………!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………それと一々口で会話せずとも良い。

 ワシの言葉はお主にしか届いておらぬし回りに誰もおらぬとはいえ今のお主は一人で虚空と会話をしておるように回りには映る………。

 心に言葉を思い浮かべればワシに伝わるからそれで話をせんか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………分かった………、

それで話ができるのなら………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『理解が早いのぅ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に伝わってるのか………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『伝わっておるから安心せい。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………そうかよ………。

 

 

 

………それで何で急に話しかけてきたんだ?

 

 

 

今まで俺に話しかけてくることなんて無かっただろ?

 

 

 

………夢の声のアンタはてっきりただの俺が作り出した心の中だけの妄想だと思ってたんだけどな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『嘘をつかずともよい。

 お主の心と会話をするということはすなわちお主はワシには嘘をつけんということじゃ………。

 お主もお主の連れもそれは分かっておる筈じゃ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………アンタには隠し事もできないのか………。

 

 

 

ますますアンタが嫌いになるよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『嫌われたものじゃのぅ………。

 ワシの力を利用してその命を拾ったと言うのに………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンタの力を利用……か………。

 

 

 

俺にはそんなつもりはないんだが………。

 

 

 

俺にはアンタの力をコントロールなんてできないんだぞ?

 

 

 

アンタの力が自然に流れ出てくるだけだ………。

 

 

 

おかげで俺は子供の頃はアンタが力を吸いとり続けられて悲惨な毎日だったし、アンタが目覚めてからもそれは変わらなかったよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この時代の風景を拝見すればお主はワシの力でもうちっとよい暮らしができたと思うがのぅ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンタの力を使ってか?

 

 

 

それで手にした暮らしはアンタありきの暮らしだろ?

 

 

 

アンタの力が無ければ俺は何もできない落ちこぼれとしか回りは見ないじゃないか………。

 

 

 

俺は………、

 

 

 

自分の力で何もかもやってみたいんだ………。

 

 

 

自分の力だけで“零”から何もかもを………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お主が息巻いたところで何ができると言うんじゃ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何がって………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お主の中にワシが入らなかったとしてお主は十年前のヴェノムを祓うことができたのか………?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワシがいなかったらお主らの村はとうの昔に滅んでおったじゃろう………。

 ワシに憎しみをぶつけるのは筋違いじゃ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煩い!!

 

 

 

お前が俺の中に入らずに今もあのミストで村を守り続けていれば村は壊滅寸前までいかなかっただろ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワシがその要望を叶える義理がどこにある?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワシは静かにマナを蓄えておったところにお主らが勝手にやって来てワシに村を守らせておっただけのことじゃ。

 ワシにはエルフが作った村を守る義理はない………。

 ワシがお主に力を与えようが与えまいが関係なくお主らはワシを利用しておった………。

 お主のジジィは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そういった生まれ育ちで定められた役割を押し付けられることを何より嫌っておったんじゃなかったかのぅ?

 それをワシには押し付けるのか?

 時代が移り変わっても人という生き物は変わらず傲慢なものじゃ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………で?

 

 

 

結局何の話がしたくてアンタは話しかけてきたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お主はワシを追い出したいようじゃしの………。

 それに応えてやろうと思っただけじゃ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……!

 

 

 

出ていってくれるのか………!?

 

 

 

俺の中から………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………そこまで嬉しそうにされると出ていきたくなくなるのぅ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………試練を出す。

 それをこなせばワシはお主の中から出ていこう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試練………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この前のユーラスとか言う小僧にお主が試練をこなさずにワシの力を使うことを不公平だと言われてのぅ………。

 それも一理あると思い今更じゃがお主に試練を言い渡すことにした。

 本来であるならワシの力を行使するなら試練を乗り越えなければならんでの。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな後付けに何で俺が付き合わなければならないんだ?

 

 

 

試練とかってのもどうせヴェノムをデリス=カーラーンから浄化してくれとかそんなんだろ。

 

 

 

今それは無理って話になってんだけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お主が諦めるのは仕方ないがそれではワシも手をうたざるを得なくなるんじゃ………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?

 

 

 

何のことだよ手をうたざるって………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お主らの時間で言うと半年じゃ。

 半年時間をやろう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年………?

 

 

 

半年時間をもらってどうするんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『半年以内にこの星屑からヴェノムを浄化する目処が立てばワシはお主の中から去ろう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………半年でどうやってそんなもんが立つんだよ………。

 

 

 

もし半年で目処が立たなかったらお前はずっと俺の中に居座るつもりか………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もし半年時間をやってヴェノムを浄化できんとワシが判断を下せば………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワシはやはりこの星屑を無に帰す………。

 この前は時間については何も言ってなかったからのぅ。

 じゃから半年でこの世界からヴェノムをどうにかせい。』

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