テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオスは一人になりたく外で風に当たっていたら殺生石の人格が話しかけてきて………。
王都セレンシーアイン 中央建築物 夜
「………何だったのでしょうか………?」
「む?
どうしたアローネ=リム。
何かあったのか?」
「ウインドラさん………。
ウインドラさんこそどうなさったのですか?
今日はもう早くにご就寝なさるのではなかったのですか?」
「その予定だったのだがな………。
昼間のブルータルとの戦闘で俺の力が以前と比べどの程度まで強くなったかを調べるために外へ出ていた。」
「あの戦闘でですか?
私はウインドラさんのことをよく存じ上げていないのですがウインドラさんは元からあのような腕力をお持ちでしたのですか?」
「腕力には自信はあったがあのブルータルを持ち上げられる程の力は無かった………。
あのブルータルを持ち上げられたのは戦闘中に受けた奴の雷撃を受け止めた影響のようだ。」
「雷撃で?」
「あの雷撃が無ければブルータルの突進に力負けし俺とミシガンは二人揃って奴の餌食になっていただろうな。
だがそうならなかったのは俺が奴の雷撃を吸収したからだ。」
「ウインドラさんはあの雷撃を防いだのではなく吸収なさっていたのですか?」
「そうだ。
俺が雷撃に触れた瞬間に電流が俺の体を駆け巡ったがそれによる激痛は無かった。
それどころか電流が走ってからはブルータルを受け止めた際の衝撃による痛みが引いていくのを感じた。
俺は電気を受ければ基礎能力の向上と共に回復もできるようだ。」
「と言うことは私達も………。」
「俺がそうならお前達も同じだろうな。」
「私は風、タレスは地、ミシガンは水………、
そしてレイデイーは氷属性の攻撃を受ければ強くなる………。」
「試してみてからの判断の方がいいがそれで大方間違いないだろう。」
「相反する属性の攻撃を受ければ致命傷………、
同属性からの攻撃は強化になる………。
これは………今までの戦闘とは違った工夫が必要ですね。」
「状況に応じて前線に出るものを変える。
…俺やカオスは前衛でもいいがタレス君やミシガン、アローネ=リムは前衛向きではないだろう?
属性攻撃を使わない敵にはなるべく俺が前に出よう。」
「侮らないで下さい。
私も前衛ならできます。」
「そうなのか?
………一見そうは見えないが………?」
「………なら試してみますか?
貴方と私、
どちらの方が腕力が強いのか………?」
「女性を相手に腕力勝負と言うのは………、
遠慮したいところなのだが………。」
「貴方から言い出したことですよ。
さぁ、
いざ………。」スッ…
「(押し相撲か………。)
そこまで言うのなら………。」スゥ…。
ピタッ………
「………」
「………くぅ………!」グググ…
「(………言うほどの力の強さは感じないが………?)
どうだ?
これで分かっただろう。
俺はまだ全然本気は出してないのだが………?」
「………まだです!
まだ私も本気は…!!」グググッ
「止せ。
これ以上は怪我をさせてしまう。
「シャープネス!!」!?」グワンッ!
ドゴォォォォンッ!!!
「………」パラパラ…
「………」
「………」
「………どっ、どうですか!?
これで私も前衛でも何の問題も無いと証明されたでしょう!!?」
「………思いっきり反則じゃないか………。」
「反則だろうと私の勝ちは勝ちです!
私はこの魔術でカオスにすら勝ったことがありますよ!
そうと分かったのなら私を前線から除け者にするようなことは「何故そう前に出たがる?」…?」
「何故そうお前は強くあろうとするんだ?」
「何故ってそれは………。」
「お前の話ではかつてのお前は戦闘とは無縁の温室育ちだと聞くが………。
何故お前はそんなに戦いたがるんだ?」
「………私は家が無くなったとはいえアインスの………、
ウルゴスの懐刀と呼ばれた“クラウディア”の娘です。
いずれは私が軍を率いてダンダルクと戦うことになって「それか?」………まだ私が喋っているのですが………。」
「そのクラウディアとか言うかつては存在した家の貴族の令嬢だからか?
………今はデリス=カーラーンの時代だ。
お前が意気込んで戦う理由などアインスの時代と共に終わっている筈だ。
それなのに何故お前は自らを戦いの中へと置こうとするんだ?」
「………例え私の生きてきた時代が過ぎ去ろうとも私にはあの………、
アインスから受け継いだ“誇り”があります。
私が生きている限り誇りも生き続けます。
誇りが生きているのなら私は戦い続けるだけです。」
「誇りか………。
要するにお前はアインスという時代に囚われているのだな………。」
「私がアインスに囚われている………?」
「お前はレサリナスに来てカタスティア教皇に再開するまでは自分の存在があやふやで落ち着かないことがあったんだろう?」
「そうですけど………それが何か………?」
「そして教皇によって自分の足場を見たお前は今度はアインスの貴族だった時の過去に縛り付けられている。
………過去の栄光にすがり付いているんだ。」
「!?
そんなことはありません!!
私はただ私の最善を尽くしたいだけで………!」
「戦闘の知識はあるようだが無理して気負うこともないんじゃないか?
この時代はお前の育ってきた時代じゃない。
これまではカオスと共に戦ってきたのだろうが今は俺がいる。
ミシガンには昼間あぁは言いはしたがなるべく女性子供を戦闘に参加させるのは騎士としては由々しき事だ。
例え俺達が普通とは違うのだとしてもそれほ変わらない。」
「…貴方こそ過去に囚われているのではないのですか………?
貴方はもうマテオの騎士ではないただの反逆者です。
カオスのように貴方達に利用されてそうなったのではなく貴方達は自ら進んで国に剣を向けた立派な反逆者………。
そんな貴方に騎士道精神を語られても私は受け入れられません。
第一貴方達のせいで私やカオスは追われる身となったのですよ?
そんな貴方から指図など「だからこそだ。」」
「だからこそ俺はお前達に無用な争いはさせたくない………。
お前やカオスを余計な道に進めたのは俺達の責任だ。
お前達は本来武器を持ってモンスターや誰かと争い会うことなど不要だったんだ。
それでお前達が危険な目に会うようであれば武器をとって戦うのは俺の仕事だ。
お前達はそれぞれ目的があって旅をしている。
ならそれを補助するのはダリントン隊で唯一生き残った俺の役目だ。
これは俺の過去や今は関係ない当たり前のことなんだ。
お前達には安心して旅をしてもらいたい………。」
「………!」
「お前は………カーラーン教会を探してカタスティア教皇に会いに行くのだったな。
この街にはいないようだが教皇が見つかるまでは俺がお前達を守る。
カオスも。
お前達を危険なことに巻き込んだ責任は最後まで俺がきっちりととる。
………だからお前達は無理して戦闘を行うことなんてないんだ。
貴族だとか民間だとかの話ではなくな……… 。」
「………遠回しに言い過ぎて否定されているのかと思いましたが貴方は私のことを気遣ってそう仰っていらしたのですね………。」
「?
始めからそう言ってたつもりだが………。」
「あのような話し方では伝えたいことも伝わりませんよ。
貴方は少し口調が堅すぎるのです。
成り行きとはいえこうして旅を共にしているのですからそのように固くならずともよいですよ?
貴方が私達のことを考えてそう提案なさったのは伝わりましたから。」
「そうか………?
………それでお前達は今後無理に戦闘に参加しなくとも「参加はしますよ?」………。」
「私は別に戦闘が好きなのではありません………。
ですが戦わなければならない時には戦う覚悟はあります。
アインスの時代が終わってしまったのだとしても私は戦い続けなければならない使命があります。
アインスで次に目覚めた時より良い世界を夢見て今もどこかの地で眠りにつく同胞達を迎えるため私は誰かに甘えてなんていられません。
戦闘はその初歩です。」
「………戦いの道へは俺達が引きずり込まずとも選んでいたと言うことか………。
………分かった。
そこまで言うのなら俺も不躾な提案は取り下げよう。
これこそ余計なことだったようだな………。」
「いえ、
おかげで貴方のことを掴めたような気がします。
貴方が私のことを気にかけてくれていたことも………。」
「カオスは利用したがお前はのことに関しては完全に巻き込まれた被害者だからな。
どう償いをすればいいのかずっと考えていたところだった………。」
「償いなどもういいのですよ。
貴方達のおかげで私はカタスとも再開できましたしカオスとも旅ができました………。」