テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
そこには用心深いスラート族の長ファルバンがカオス等を向かえるがカオスがバルツィエと名乗った瞬間オサムロウから剣を突き付けられる………。
スラートの地中都市シャイド 族長邸
「………すまなかったなソナタ等………。
余がいらんことを口走ったようだ………。」
「いえ………、
俺達は別に何とも………。」
「ファルバン………、
我の名でそのギャグは止めろとあれほど注意しただろう………。
我の名はそんな面白味のないギャグに使われるためにあの方から授けられたのではないのだぞ。」
「別に良いではないか!
そのおかげで先程までの一触即発な緊張を瞬時に断ち切ることができたのだから!
ソナタの名は戦闘を回避するのに使われるために授けられたのだ!
正当な利用方法だ!
余は何も間違ってなどおらぬ!!」
「………我が名を愚弄すると言うことはあの方を愚弄するも同義………。
ファルバン………、
貴様はあの世で後悔するのだな………。」スチャァ……
「だから“刀”を納む「覚悟!!」ロウゥゥゥゥ!!!??」ブンッ!!パシィッ!!
「………何だこの空気………?」アブナイデハナイカ!?オサムロウ!!
「戦闘になるのは回避できたようですけど………。」エエィ!!コシャクナ!!カタナカラテヲハナセファルバン!!
「一瞬何か強烈な氷の魔術が放たれたのかと錯覚してしまった………。
族長殿はとてつもない魔力の持ち主のようだな………。」ハナシタラソナタハヨヲタタッキルダロウ!?
「魔力とかそういう話?」キサマガヨケイナダジャレナドクチニスルカラダ!!
「話の途中だぞ!!?
………先程は余の家臣が無礼な真似をした。
赦してほしい。
この通りだ。」ペコッ
「………気にはしてないんで………。」チラッ
「我も早まったことをしでかしたな。
すまない。」ペコッ
「驚きはしたが………、
バルツィエと名を出しただけで剣を抜かれるとは………。
先程地上ではこちらをマテオの使者と勘違いして降伏を申し出てきたというのに何故今剣を突き付けてきたのだ?」
「…それは「このシャイドと余を守るためだ。」……!」
「オサムロウはソナラ等の中にバルツィエがいないものと思ってここへと招いたのであろう?
マテオに降伏すると言うのは真だがそれは我等一族の安全を確保するためのもの。
しかしここへ来てバルツィエがソナラ等の中に紛れていた。
降伏への調印も済ませておらぬのにバルツィエにこの地下都市の存在を知られてしまってはこの都市ごと我等一族がバルツィエに埋葬されてしまうやもしれぬ。
何せ我等は既に地の底へとおるのだからな。
ここでバルツィエの大火力魔術が放たれれば一貫の終わりだ。」
「…族長の言通りだ。
地上ではマテオの先兵ではなく亡命者だと聞いたのでな。
亡命者であるのならバルツィエではないのだと先入観でとってしまい先に何者であるのかを聞き損じた。
我の失態だな。
………あのブルータルヴェノムを倒す技量があるなら只者ではないだろうにまさかバルツィエの者が亡命してくるとは………。
…真にバルツィエの亡命者なのか?
地上に見えぬ我等のことを探し出すためにここまで連れてこさせたと言うのではないのだな?」
「さっきからそう言ってるじゃない!?
何度言ったら信じるの!?」
「ソナラ等には気を悪くさせて申し訳ないがこれも我が部族の安全を確立するためなのだ。
疑り深くなってしまい重ねて詫びよう。
…名も知れたことだしな。
そこの少年は奥で休ませることにしようか。」
「………はい………。」
「………」
「………して全員がこのシャイドに仇なす者等ではないと分かったところで………ソナタ等はどのようにしてここまで辿り着き地上にてヴェノムの主を討伐したのだ?」
「大体の検討はつくが大方マテオで早期に開発されたと聞く“ワクチン”とやらが関係しているとは思う。
…だがギガントモンスターを倒すのには例えエルブンシンボルや質の良い武具を拵えてもそう簡単なことではない。
たった五人でアレを討ったと言うのは俄には信じられん。
マテオでは………、
何かまた特殊な武器でも開発されたのか?」
「…俺達の事情………、
話してもいいのかな?」
「信用を得るためには事実をありのままに話すべきだとは思いますよ。」
「けど私達の話信じてもらえるかなぁ………?」
「また剣を向けられてはかなわん。
謀るような真似をしたら今度こそ首を跳ねられそうだしな。」
「………では話します。
俺達がどうやってあのブルータルを倒したのか………。」
「………なるほど、
ソナタ等はそのマテオの最果ての地にある殺生石とやらの力を旅の経緯で授かったのだな?」
「はい。
偶然ではあったんですが………。」
「それで亡命してきたのはマテオの………、
バルツィエの提示する政策に異常性を感じ一部の騎士を引き連れてこの地まで亡命した………と。」
「その亡命してきたのは五人だけなのか?
他に仲間はおらぬのか?」
「他の仲間は「仲間とは追っ手を巻く際にはぐれたんだ。」………ウインドラ。」
「…仲間達は恐らくダレイオスの何処かへと辿り着いているだろう。
その内あいつ等とも運が良ければ合流することになっている。」
「「「………」」」
「そうか………。
それならば良いが………。」
「………?」
「…今度は此方から話を聞いてもいいか族長殿?」
「うむ。
何だ?」
「この国ダレイオスは………、
何時からこうなっているんだ?」
「………こうなっているとは具体的にどのことを指して聞いておるのだ?」
「この穴蔵から始まってこの惨状全てのことについてだ。
マテオではダレイオス全体がこのような状況に陥っていることなど耳に入ることすらなかった。
バルツィエが躍起になって戦争を仕掛けよう仕掛けようとはしていたから俺達はダレイオスへと亡命しバルツィエからくすねたワクチンをダレイオスで解析してもらいダレイオスの武力向上を狙ってこの地までやって来たんだ。
………それだと言うのにこの光景を目にしたらそれも………。」
「………」
「ワクチンは………まだ残ってはおりますがここで解析など可能なのでしょうか………?」
「その前にダレイオスがマテオに敗けを認めるってのもどうなってるの?」
「ワクチンか………。
それを解析できるとしたらクリティア族なのだが彼等はとうにここにはいない。
彼等や他の部族達も前のマテオからやってきたバルツィエの襲撃を機に出現したヴェノムの主に故郷の地の同胞達を案じて帰郷していった。
そのワクチンを渡されても余の同胞に解析できる者などおらんよ………。
マテオに降伏する件についてだが………。」
「「「「………」」」」
「………もうずっと昔から降伏する予定だったのだ………。
二十年前この大陸の西側にあった大都市“ゲダイアン”をマテオのバルツィエに攻め滅ぼされた時から………。」