テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
それからアローネに過去にあった出来事を聞く。
捨てられた村ミスト
ミシガンに騎士団の到着の知らせをお願いしてから数日が立った。
アローネと一緒に生活してていろんな場面で助けられてる。
一人だったときには考えなかった食事の献立や民家の家財の整理整頓。
一人でいたときには得られなかった世界が広がっていく。
このままアローネにはずっとここで…
なんて思い始めてしまったくらいだ。
そんなあるとき
「森に行きたい?」
「はい。いつもカオスが森に行くときは私は留守を任されていたので今日は一緒に。」
どうしたんだ。
森に行ったところで普通のモンスターかヴェノムくらいしかいないんだが。
「僕のことを案じているなら心配要りませんよ?」
「それもありますけど今回はそうじゃないんです。」
「何か別に目的があってのことと言うことですか?」
「はい、お願いできませんか?」
「う~ん。」
ここ数日ずっと村の中にいたからなぁ。
もしかしたらストレスでも溜まってるのかもしれない。
家事の能力は高いけど元々はお嬢様だからそろそろ限界なのかな。
「分かりました。僕と一緒ならいいですよ?」
「ありがとうございます。」
嬉しそうなアローネ。
付いてくるのを許可しただけでここまで喜ぶとは
刺激がなくてここの生活に飽きちゃったとか…。
ミストの森
「それにしても何故急に?」
「ずっと確かめたいことがあったのですけど遠回しにしているうちに時間が経ってしまって…。」
「確かめたいこと?」
森に何かあったかな?
そんなことを考えているうちに
ガササッ
「「!!」」
「シュウゥゥゥゥ。」
「ヴェノム!アローネ下がって「ここは私に任せてください!」」
「私がヴェノムの相手をします。」
そういってアローネが前に出る。
前に戦ってるところを見たから大丈夫だとは思うけど。
「ウインドカッター!」
アローネの風の魔術がヴェノムを切り裂く。
ヴェノムは切り裂かれて再生…
しなかった。
ジュゥゥゥ!!
切り裂かれたヴェノムが溶けていく。
「お疲れさまですアローネ。」
「……」
「アローネ?」
アローネが前に見たときと同じ反応をする。
どうしたのか?
「この森の…」
「はい?」
「この森のヴェノムはこんな風に魔術一つでやられてしまうのですか?」
「いえそんなことはないですよ?僕は殺生石の力で倒してますけど村の人達はいくら攻撃しても再生するんで手を焼いています。」
「……」
「どうかなさったんですか?」
「私も……私もそうでした。」
「アローネも?どういうことです?」
「前に王都にヴェノムが現れた時があってその時私もヴェノムに攻撃したんです。けどヴェノムには利かなくて逃げるしか出来なくて…。」
「アローネのその力は最初からあった訳ではないんですか?」
「誘拐される前は私も普通の人より少し魔力が高いくらいでヴェノムに対抗なんてとても…。」
「誘拐されてここに来てからその力が備わったと言うことですか…」
とするとアローネを誘拐していたあの人達が怪しいんだがもう………
いや待て。
「アローネ、僕がアローネを助けた場所まで行ってみませんか?何か分かるかもしれませんよ?」
「助けた場所?」
「もう少し先にいった場所に亀車が放置してあるんでそこに行きましょう!」
「……はい。」
僕とアローネはアローネを最初に見付けた場所へと歩きそうだす。
「これに………私が?」
亀車はそのまま残っていた。
あの日から雨が降ったりしたからところどころ汚れてきているが内装は無事だった。
「はい、この中の棺で眠っていました。」
「ここに……」
「何か思い出せそうですか?」
「いえ……」
「そうですか…」
「ですがこの棺には高度な術式が組み込まれています。」
「術式?」
「はい、魔術には簡単に言いますと六属性の攻撃魔術と支援、回復魔術があるのをご存知ですか?」
「ファイヤーボールとかの他にあるファーストエイドとかですよね?」
「そうです、基本的にはその範囲なんですが魔術には呪術と呼ばれるものがあります。」
「呪術ですか?怖そうな話ですね。」
「大丈夫ですよ。呪術というのは人に掛けたりしたら厄介ですがこういった棺とかのの施錠に用いられたりしてることの方が多いんです。」
「物に呪いを掛けられるんですか?」
「魔術や呪術は発動するにはマナを消費しますよね?自然エネルギーを使用して発動する攻撃魔術は発動してから飛ばすまでにマナを使いきりますが物体に魔術を掛ける場合はその物体が破壊でもされない限り残り続けます。」
「それは流動する自然エネルギーを維持するのはマナを逐一補充しないといけないけどそれとは関係ない普通の物質には微量のマナで事足りると言うことですね?」
「その認識で間違いありません。施錠系の呪術は魔術を使えば簡単に開けられますから大したものではないんですけど。」
「ではこの棺もそうだと?」
「いえ、この棺には更に上の呪術が組み込まれています。」
「更に上の呪術?」
「棺には特定の条件を満たさない限り棺を解除出来ないようになっていて、支援魔法も一通掛かっていますね。他にも魔術を寄せ付けない………」
「寄せ付けない?」
「これは………」
「アローネ?」
「……この棺は一種のシェルター化しています。」
「シェルターってあの災害の時とかに隠れる建物ですよね?」
「そう、都市を破壊しかねない程の災害を予見して回避するために作られるもの。棺にはその際に組み込まれる術式と他にも生命維持装置といったものがあります。」
「生命維持装置!?こんな棺に!?」
「原理は中の生命体を眠らせて外部から生きるのに必要なマナやエネルギーを取り込むのでしょう。これを使えば数百年先まで安全に生きられますよ。」
「安全にって…この中で過ごさなきゃいけないんですよね。流石にそれは……。」
「この術式は治療方法の見付からない病気を治すために時間を越えて発展した未来で治療するという延命が目的のものです。完全なタイムカプセルとでも言いましょうか…。」
「タイムカプセル………そんなものにアローネは。」
「私自身はこれといった重い病気に掛かったことはありませんが何故これに私が入れられていたかも分かりません。」
「最後の記憶とかは……」
「最後……?」
「誘拐される前の記憶ですよ。」
「………思い出せません。」
「その辺りから記憶がないんですね?」
「王都があんなことになってからは………とても。」
「王都で何かあったんですか?」
「………王都は
ヴェノムに襲撃され王都の半分がなくなりました。」
「王都が半壊した……のですか?」
「私の記憶ではそうでした。王城から近い屋敷だったので王都を見渡せるほどの景色から見たので間違いありません。」
「では………今度来るミストの騎士団は…。」
「それも分からないのです。王都がほぼ壊滅状態にあったのにこんな短期間で立て直して遠方に使節を送るなど…。」
「………」
「私にとってはついこの間の出来事………に思えるのですがもしかしたらこの棺で私はとても永い間眠っていたのかもしれません。
今だって思い返してみれば大切な思い出以外のことがもやが掛かったように思い出せないのです。
何故私がこの棺に入っていたのか。何故私にはヴェノムを倒す力があるのか。
私は一体何をされたのか。」
「……」
「考えれば考えるほど私は今の私が分からない。
この体の中にあるものはもしやとんでもない「アローネ。」」
「落ち着いてアローネ。」
「カオス…。」
「アローネはアローネだよ。ここ数日間ずっと見てきた僕が保証する。
僕もこの力に目覚めたときは怖かったけど長く付き合ってみるとこの力は使い方によって人のためにもなるし自分のためにもなる。
アローネが自分を見失わなければ何も怖いことなんてないんだよ。」
「自分を見失わない……」
「今回はアローネのルーツが見付かっただけでも前進したんだ。」
「そうなのでしょうか?」
「そうなんだよ。だからこれからは一悩まないで「オーイ!!」」
「カオスゥゥゥ!!アローネさぁん!!」
「ミシガン!」
「お姉さん。」
「探したよ?こんなとこで二人でなにやってたの?」
「アローネと少しね…。」
「少し…何?言ってよ?」
「えぇと…ちょっと難しい話なんだけど…」
「難しい話?」
「そのことはいいじゃないか。ミシガンはどうしてここへ?」
「あぁそうだった!例の知らせを持ってきたんだよ!
騎士団がミストに来たんだよ!」