テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 カオス等一行はスラートの族長ファルバンからかつてダレイオスに存在した都市ゲダイアンがバルツィエによって一瞬にして滅ぼされたことを聞く。

 ゲダイアン消滅の際に使用された魔術を恐れてダレイオスは戦意を喪失しているようだが………。


ダレイオスとの共闘に至る理由

スラートの地中都市シャイド オサムロウ邸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソナタ等は今日はこの我の住まいで休むといい。

 地上の家々よりは少し小汚ないがヴェノムの主の出現によってヴェノムが繁殖しているかもしれぬからな。

 地上よりは安全の筈だ。」

 

 

 

「有り難うございます………。」

 

「「………」」

 

「………」

 

 

 

「あぁ、

 それでは我は他の仲間達が今地上の街の周辺を調べておるのでそれの助太刀に「待ってくれ。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一つだけ話を聞きたい………。」

 

 

 

「………何だ?

 話してみよ。

 降伏の件ならもう決定事項故我でもうどうにもできんぞ。」

 

 

 

「…ダレイオスはマテオの大火力魔術とやらを恐れて降伏をしようとしているんだろう?

 俺は騎士団に所属していたから分かるんだがバルツィエはそんな魔術を開発したと言うのは聞いたことがないぞ?

 そんな魔術をバルツィエはダレイオスへと放ったりなどはしていない筈だ。

 そういう記録すら残っていない。

 実際にはダレイオスの西側のことについてはだな、マテオでは「それでもだ。」…!」

 

 

 

「…例えバルツィエが大火力魔術を持っていようが持っていなかろうがダレイオスが敗北を認めることに変更はない。

 以上だ。」

 

 

 

「何故だ!?

 何故そうすんなりと受け入れられる!?

 このダレイオスの国全体がバルツィエの支配下に置かれるのだぞ!?

 そうなったら見せしめに殺される者や生きていても死んだ方がマシなようなことをされる!

 前回バルツィエに敗れた小国の連中がどうなったか知ってるか!?

 そいつ等は大した資源も持っていなかったから男は全員危険なモンスターやヴェノムが多く生息している鉱山奴隷で死に、女はバルツィエ傘下の者等に慰み者として扱われ誰の子なのかも分からぬまま孕まされたりして醜くなったら殺され今じゃそんな国の奴等がいたこと事態が記録にすら残されないそんな扱いを受けていた!

 マテオが大きくなるに連れてバルツィエは捕虜に対する扱いに歯止めが効かなくなっている!!

 今現在世界の半分を掌握しきったバルツィエがダレイオスそのものを飲み込めば遂に奴等には誰もが逆らうことすらできない強大な存在へとのしあがる!!

 そんなことを許していいのかダレイオスはッ!?

 次に狙われているのはこの国なんだぞ!?

 今度は捕虜に対してどんな扱いをするか………。

 ヴェノムを恐れて降伏したと言うのであればヴェノムと戦わされたりワクチン開発のために人体実験なども行使するかもな!

 それでも貴様らはマテオへと降伏をしようと言うのか!?」

 

「ウインドラ!

 ちょっと落ち着いて!!」

 

「民を思っての決断なのですよ?

 それこそ想定しての決断なのでしょう………。」

 

「そうだよ!

 この人にどう訴えても部族全体のことを言われたら私達にはどうすることもできないよ!?」

 

「…!!

 だがそれでは俺の仲間達が何のために死んでいったのかが……!!」

 

 

 

「仲間達が死んだ………とは?

 先程の話ではソナタ等の仲間達とははぐれたと申してなかったか?」

 

 

 

「!

 ………レサリナスで逃げる際に犠牲になった仲間達のことだ………。

 あいつ等が犠牲になって俺達の部隊がダレイオスへと渡れたんだ。

 その仲間達ももうじきここへやって来るだろう。

 俺の部隊は強いぞ。

 平隊員の俺でさえバルツィエの一人を討ち取れるほどの部隊だ。

 俺達の部隊がこの街の戦士達に加わればバルツィエにだって勝つ………。」

 

 

 

「バルツィエの一人を討ち取っただと?

 ソナタがか………?」

 

 

 

「あぁ………。

 つい最近な………。」

 

 

 

「………その言に嘘は無さそうだな。

 ………だがそれだけが全てでは無いのだろう?」

 

 

 

「俺の今言った内容が全てだ!

 他に何を疑うんだ!?

 俺達の力をお前達と合わせればきっとバルツィエだけでも「もうよい、休め。」なっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「言葉で事実をまくしたてれば我等の気が変わると思っておるのだろうがソナタ等にはまだ我等には話していない別の事実もあるのだろう…。

 そのことについては深く追求はせん………。

 ソナタがバルツィエを討ち倒せるほどの技力を持っておるのはヴェノムの主を倒したことでよく分かっておる。

 

 しかしな、

 我等はもうこの百年でヴェノムとの戦いを嫌と言うほど経験してきた………。

 

 戦いは………、

 もう疲れたのだ………。

 我等の仲間達は戦えば戦うほど数を失っていきヴェノムは逆に増えていく………。

 この国は百年前にヴェノムが現れてからずっと戦いと逃避の時を積み重ねてきた。

 日常のすぐ隣に現れるヴェノムと時折攻撃してくるバルツィエの板挟み………。

 この地獄は一体何時まで続くのか………。

 何時になったらこの地獄は終わってくれるのか………。

 それを考えたときに皆が気付いたのだ………。

 

 

 

 いっそ支配されてしまえばこの地獄から解放されるのではないかと………。

 いつしか皆はそう考えるようになっていった………。

 疲弊した精神によって正常な決断だったとは言えないがこんな我等にまだ戦いを強いるのは冷酷に過ぎないか………?

 我等とて人だ。

 他の種族からはバルツィエのような争いを好む傾向があるように思われておったが我等も争いを回避できるなら回避したいのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スラートの地中都市シャイド オサムロウ邸 部屋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あそこまで言われてしまっては何も言えなくなるが………。」

 

「昔から聞いてたダレイオスの話となんか違うね…。

 私達の村ではダレイオスってもっと戦争がしたい国だって聞いてたのに…。」

 

「戦時中と言うのなら自国の教育では国民を国の不摂生から目をそらさせる為に敵国のことを多少着色して悪く言うものです。

 そうすれば自国の民は戦争に賛同しやすくなり軍の指揮も高まる………。」

 

「けどダレイオスはもう戦うことはしたくないみたいだね………。

 軍隊もあったようなこと言ってたけどそれもないみたいだし………。」

 

「軍が無くなったと言うのは流石に想定外だ………。

 俺達はダレイオスの強力な力と俺達の部隊とでマテオに対抗しようと思っていたんだ。

 …その両方が存在しないだと………。

 これではバルツィエに制圧されるのを待つだけではないか………。」

 

 

 

「………そもそもどうしてダレイオスをそんなに宛にしてたんだ?」

 

「どうして………?」

 

「だってマテオにいた時はダレイオスの情報なんてウインドラ達には入ってこなかったんだろ?

 バルツィエが独占してたとかでさ。

 バルツィエは戦争が始まったら反抗的な部隊を最前線に立たせて戦わせて共倒れを狙っていたって聞いたけどこんな状態のダレイオスと戦わされるんなら別にウインドラ達の部隊は犠牲になんてならなかったんじゃないか?」

 

「!

 そうですよね…、

 ウインドラさんだけでもバルツィエ並みの実力をお持ちのようですし正面きって戦えばやはりマテオ側に軍配が上がると思うのですが………。」

 

 

 

「俺達が何故ダレイオスに対して過大なイメージを持っていたかか………。

 それはダレイオスにいると予見されていたとある“都市伝説の集団”からだな。

 バルツィエも奴等の存在を肯定はしなかったがその話題が出てから戦争に急ぐようになった………。

 そしてその戦争で俺達をそいつらに宛がおうとしていたんだ。」

 

 

 

「とある都市伝説の集団………?」

 

 

 

「あぁ………、

 ダレイオスがマテオに対抗するために作り出された超大規模魔術士組織………、

 レサリナスではそいつらのことをこう呼んでいた………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “大魔導士軍団”………とな。」

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