テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
一行の中でもダレイオスの戦力に期待していたウインドラはファルバンから聞かされた話を聞いてマテオでのゲダイアンの情報との食い違いを訴える。
どうやらマテオではゲダイアン消失の一端はダレイオスにいるとされる大魔導士軍団なる組織が原因だったと言うが………。
スラートの地中都市シャイド オサムロウ邸 部屋
「「「大魔導士軍団………?」」」
「そいつらはある事件が切っ掛けでダレイオスに存在しているとされてマテオとヴェノムに対抗するためにダレイオスが選りすぐりの魔術士を集めて組織された秘密結社のような集まり………と言うように当時はレサリナスでは噂されていたらしいぞ。」
「ある事件………?」
「何が起こってそのような噂が飛び交っていたのですか?」
「………先程の族長達の話で出てきたゲダイアンと言う大都市のことがあってだ。」
「ゲダイアン?
それってバルツィエが大火力魔術とかで攻撃して無くなった都市なんだろ?」
「何故それでそのような組織の噂が………?
バルツィエがその都市で何か発見でもしたのですか?」
「違うんだ。
バルツィエは実際にはそのゲダイアンが無くなった時攻撃などしていない。」
「え?
けどさっきスラートの族長とオサムロウって人がバルツィエが大火力魔術とかで攻撃してきたって………。」
「その情報が間違っているんだ。
バルツィエはそんな魔術など持っていない。
レサリナスでバルツィエの研究所に潜入した俺だから分かる。
バルツィエは新兵器の開発などはしていたがあくまでもそれはバルツィエに持たせて戦力のアップに繋がる白兵戦の類いのものだけだ。
そんな大規模破壊兵器のようなものを作って万が一俺達のような内部の敵に渡ってバルツィエが窮地に立たされるような物は開発などは一切禁じている。」
「?
ではダレイオスのゲダイアンは一体何故無くなってしまったのでしょうか………?」
「そこが俺にも分からないんだ。
ゲダイアン………と言う名前の都市だったと言うのは初めて聞いたがあそこの都市が大爆発を起こして無くなったことはレサリナスの報道の記録には残っていた。」
「さっき族長達との話で記録には残ってないって言ってなかった?」
「俺が記録に残ってないと言ったのはバルツィエの出撃についてだ。
バルツィエは数年前に開戦の糸口の為に無断でタレス君の村を襲った件ですら騎士団の記録として残していた。
ダレイオスが弱りきっていることを評議会に報告して戦争の賛同を得やすくするためにな。
………なの二十年前のダレイオス西側の大都市消失の件だけは何の記録も残されていない。
あの当時はダレイオスで何かが起こってダレイオスの約三分の一の地が焼け野原となったと言うことだけ報道で伝えられた。
この件でマテオではダレイオス側に“大魔導士軍団”という連中がいてそいつらが魔術実験のために新術の開発でダレイオスの大都市消滅という事件が起こったと街中が噂していたそうだ。
だからマテオではダレイオス側の実験の失敗で西側が消滅したのだと思われていた。」
「それでか………。」
「でも何で族長達はバルツィエが大火力魔術とかで攻撃してきたと思ったのかな?
その話が本当ならバルツィエはダレイオスに行ってないんでしょ?」
「この百年でダレイオスの敵と言ったらヴェノムかマテオのバルツィエぐらいしかいなかったからだろう。
ヴェノムはそんな爆発を起こすような生物ではないがバルツィエならそのぐらいの破壊もやってのけるだろう………と。
しかし実際にはバルツィエは無関係の筈だ。
奴等がそんな無差別級の破壊兵器など開発する訳がない。
奴等はある一定レベルの武具が流通することにすら制限をかけるからな。
この話を纏めるとダレイオス西側の件についてはダレイオス側はバルツィエの攻撃だと思い込んでいてマテオではダレイオスの自爆だと言う話になっている………。
俺達はダレイオス軍に大魔導士軍団なる者達がいてそいつらにバルツィエと戦ってもらい代わりに俺達がダレイオスでヴェノムの相手をする交渉をする話になっていた。
大魔導士軍団の確認だけはレサリナスでの騎士団での都合上無理だったが何とかダレイオスまで辿り着ければマテオで大魔導士軍団と噂されるような部隊でもいるのかと思ってたのだが………。」
「そんな人達はいなさそうだったな………。
なんせお互いがお互いそのゲダイアン消滅の事件を相手側の攻撃だって言ってるんだから。」
「では………?
大魔導士軍団なる方々は一体どこの所属の組織で何故ゲダイアン周辺を爆撃したのでしょう………?」
「ダレイオスは九ある部族がマテオと戦うために統一したと言っていた。
そしてその統一された国での権力を持ったのスラートだ。
となるとそれを面白く思わなかった他の部族が考えられるな。
この間の夜のタレス君の話を思い返してみれば可能性があるのは生き残っている他の七つの部族達の中のどれか………。」
「ブロウン、アインワルド、ブルカーン、ミーア、アイネフーレ、クリティア、カルトのどれかか………。」
「そのどこかの部族がゲダイアンを襲撃………。」
「でもそのゲダイアンってところも全部族がいたんでしょ?
もし爆撃したって言うなら同じ部族の仲間もいたんじゃない?
仲間がその街にいたなら攻撃なんてできないでしょ普通………。」
「………もう一度話を聞いてみる必要があるな。
爆撃された当時のことを覚えてるかは分からないがその爆撃の日だけどこかの部族がゲダイアン周辺から離れていたかもしれん。
もし爆撃の日にゲダイアンから離脱していた部族がいたのなら………、
その部族が大魔導士軍団の可能性がある。
オサムロウ殿が帰ってき次第また話を聞くとしよう………。」
「それ反対ッ!!」
「………ミシガン………。」
「ねぇ?
どうしてそんなこと聞く必要があるの?
その大魔導士軍団とか言う人達って本当にいるのかどうかも分からないんでしょ?
族長さん達の話じゃあバルツィエの人達がやったって言ってるんだしそれにもう族長さん達もダレイオスの他の部族の人達も争いたく無いって言ってるじゃない?
だったらもうウインドラがするべきことは何も無いんじゃないの?
ならもう私達とミストに帰ることだけに集中しようよ?
ね?」
「…俺は皆の仇を討たねばならない。
ミストに帰ると言うのなら絶対にバルツィエとの戦いは避けては通れないんだ。」
「何でよ!?
ただこのまま東に向かって突き進んでどうにかして海を渡るだけじゃない!!
バルツィエがいるのなんて逆方向でしょ!?
何でバルツィエが出てくるの!?
それに戦いたくない人達に戦いを強いるのなんてそんなの無茶苦茶じゃない!?
それなのにどうしてまだ戦わせようとするの!!
ウインドラちょっとダレイオスの人達のことを道具みたいに見てるところあるんじゃないの!!?」
「もうこれしか方法が無いんだ!!
バルツィエを討つには!!
今この国で!!
この大魔導士軍団に賭けるしか!!
これに賭けないと世界は………!
バルツィエによる独裁政治の歴史が開かれてしまう………。
そうなってしまえばミストを含めた全世界が奴等の思い通りの世界だ………。
あんな苛烈な集団が支配する世界などは地獄と何ら変わらない………。
まだヴェノムに世界が飲み込まれてしまった方がいくらかマシだろう………。」