テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
だがオサムロウがダレイオス再建を現実のものにするための協力は力あるものにしか任せられないと試合を持ち掛けられ………。
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 カオスサイド
「…!?」バッ!ジャキンッ!!
「………」ピタッ………
「………?」
「………」
「……剣を抜かないんですか?」
「………」
「………………もう始まってるんですよね?」
「……試合は始まってるぞ。
かかってきたまえ。
先手は譲ってやろう。」
「…なら遠慮なく………、
魔神剣ッ!!!」ズザザッ!!
「……フンッ!」ザザッ!スパンッ!!チャキィィンッ!!
「魔神剣を斬った………!?」
「これくらいは当然できる。」
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 アローネサイド
「あの人………、
大丈夫なんですかね………?
カオスさん相手に一対一での決闘なんて…。」
「レサリナスからのカオスは万全な体調で臨めばバルツィエにすら負けることはありません。
問題なのは………。」
「あのオサムロウ殿がどれ程の力を持っているかか………。
こんな試合を申し込んでくるぐらいだから余程腕に自信があるのだろうが………。」
「…オサムロウさんが持ってる剣ってなんか普通の剣と形が違わない?
細いし少し曲がってるし………、
それに………、
何で今剣を抜いたのにまた鞘に戻したの?」
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 カオスサイド
「………終わり………ですか?」
「終わりな訳がないだろう。
勝負はこれからだ。」
「じゃあ………何で剣を鞘に………?」
「この武器は“カタナ”と呼ばれる武器でな。
ソナタが使っている剣とは異なる。
これでも構えの型になるんだ。
勝負がついたからカタナをしまったのではない。」
「剣を仕舞うのが臨戦態勢ってことですか………。
………不思議な剣の型があるんですね。」
「この構えと対峙するのは初めてのようだな。
ではこの試合でこのカタナの切れ味を味わってみるといい。
我の剣術は………、
バルツィエのそれにも劣らぬぞ!」
「………バルツィエの現場を剣術と同じくらい強いのか………。
なんだかオサムロウさん凄い強そうですしここは………、
全力で倒しに行きます!!」シュンッ!!
シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ……!!
「!!
飛葉翻歩か!!
バルツィエの基本歩行術で撹乱作戦………!!
なるほど!
確かにそれができるのならバルツィエの名は本物で他のバルツィエを倒したというのも合点がいく!!
相手にとって不足なし!!」
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 アローネサイド
「出たァッ!!
カオスの速攻!!
これなら完全にカオスの勝ちだね!!」
「カオスの奴、
前よりも素早くなってるんじゃないか?
あれなら普段からあの速度に馴れていなければ対応しきれまい。」
「オサムロウさんも強そうではありましたがカオスさんの動きを見切るのは至難の技です。
この試合貰いましたね。」
「………果たしてそうなのでしょうか………。」
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 カオスサイド
「………」
「どうですか!?
これなら俺達がヴェノムの主退治に出ても問題ありませんよね!?」シュンッ!シュンッ!シュンッ!
「………」
「………?
(………何をしているんだ?
ずっと剣と鞘を握りしめたまま微動だにしない………。
俺の動きを読もうとしてる………ようには見えないな。
俺が近付いた時に反撃するような体勢はとっているけど剣を鞘に納めたままじゃ振り遅れるんじゃないか?
………この人は何を狙っているんだ………?)」
「………」
ギュゥゥゥ………。
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 アローネサイド
「………?
カオスさんが………攻めませんね………?」
「あぁ~!!
もう!!
カオスは何をやってるの!!?」
「カオスもあんな剣の構えは見たことがないので様子を伺っているのでしょう。
………それにしてもオサムロウさんは何をしているのかが気になります。
カオスに背後をとられても後ろを振り返ろうともせずに………。」
「あの構えからして横薙ぎの一閃が来ることは分かっている。
…だがオサムロウ殿が放つ異様な空気を察知して迂闊に飛び込めんのだろう。
彼は………一体どんな技を仕掛けてくるのか………。」
「始まっておったか。」
「!
スラートの族長!?」
「ファルバンでよい。
話はオサムロウから窺っておる。
ソナタ等にヴェノムの主退治の依頼を持ち掛けたのであろう?
………仕様もない奴だな。
素直にバルツィエと戦ってみたいと言えばよかろうに………。
あの性分には困ったものだ。」
「…最初からカオスと戦うのが目的だったのですか?」
「どうしてそんなことを………?」
「奴は昔から大の決闘好きでな。
強き者がおれば決闘を申し込むのが趣味なのだ。」
「趣味………(汗)。」
「戦況は………膠着しておるのか………。
オサムロウは………、
生き生きしておるなアイツめ………。」
「生き生き………?」
「久々の好敵手が現れて喜んでおるのだろう。
スラートにはもうアイツと手合わせができるような戦士はいなくなってしまったのでな………。
あのカオスという青年………。
オサムロウの相手としては申し分ないなかなかの手練れだな。
バルツィエは伊達ではないという訳か。
……だがスピードだけが武器だというのならこの試合、
オサムロウに勝つには厳しいであろうな。」
「カオスさんがオサムロウさんに負けると言うんですか!?」
「言っておくがカオスはバルツィエの中でも別格だ。
先日マテオのレサリナスでは他のバルツィエを同時に三人の相手をして勝ちを収めた強者だ。
暫定的ではあるが言わばカオスは、
単騎同士の戦いではマテオ最強のの剣士だ。」
「………………………………それはそれは、
なんとも喜ばしいこと限りないな………。
今のこの試合はオサムロウの単なる遊びで行われておった試合の筈であったのに………。
ふむ………。
………いやはやこの試合の内容は実に興味深きこととなるだろう。」
「「「………?」」」
「何が興味深きこととなるのですか?
このカオスとオサムロウさんとの試合で………?」
「フッフッフ………、
マテオ最強の剣士か………。
この試合の結果に年甲斐もなく胸が踊るようなときめきを感じざるをえんよ。
オサムロウはただのテストだと言っておったのに………。
まぁ………、
実に燦爛たるカードが出揃ったものだ。
このような試合が余の生涯で見られる機会が訪れるとはな。
フッフッフッフッフッフッ…………!」
「………どうしたのこの人………。」
「この二人の試合に何かがあるのか………?」
「カオスがマテオ最強の剣士………。
そして対戦相手のオサムロウさんは………………、
………!
それはまさか…!?」
「オサムロウはな。
この都市では最も強き戦士だった………。
ダレイオスがまだ国として成り立っていた頃のな。
そしてこの闘技場が運営されていた時期、
あやつは無敗の剣闘士でもあった………。
闘技大会が開催される都度優勝を納め続けた歴戦の覇者だった。
………分かったかな?
オサムロウは………、
ダレイオス最強の戦士だ。
この試合は謀らずして東のマテオ最強と西のダレイオス最強との“世界一決定戦”が繰り広げられているということだ。」