テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス達はそれを受けるが………。
王都セレンシーアイン 西区 闘技場 夕方
「奥義………。」
「奥義と言ったら………、
カオスはユーラスの使っていた技以外にあるのか?」
「………無い。」
「今までどうやって技を習得していたんだ?」
「う~ん………。
戦闘中に思い付きでやってみた技をそのまま使っていたり俺以外のバルツィエ達と戦っているときに相手が使っている技をそのまま使っていたりとかかな………。
後は奥義書とか読んだり。」
「よくそんなぶっつけ本番………にもならないような感覚で技を使えるな………。」
「だって人の動きを真似するのがしっくりくるんだからいいだろ?」
「それでいいんだ。」
「………いいのか?」
「他人の動きを見て学べること。
それすなわち基礎的な筋力が十分に達していると言うことだ。
基本ができているのなら次は技を学んで取り込んでいく。
それも自己流のでな。」
「自己流ですか?」
「どんな術技も“開祖”と言う発現者がいるがその技を完全な形にできるのはその開祖だけだ。
人は皆筋力も魔力もバラバラ。
完全に開祖と同じになることはない。
なら開祖に習って技をある程度の技術まで持っていけたら後は自分なりの形を作るのだ。
一見同じに見える技も威力、初速から終わりまでの時間は人様々だ。
例え同じ人物が同じ技を使用していてもいきなり試した技や数百に重ねた技、更には数万にまで重ねていけば完全に別の次元の技となる。
奥義とはその段階のどこかで派生してくるだろう。」
「俺が魔神剣を使い続けていけば勝手に奥義が組上がっていくんですか?」
「そう。
ソナタ等も経験がある筈だ。
剣を持ち始めた時と今とで己を比べてみればまるで他人のような成長を感じたことが。」
「まぁ………、
昔よりかは確実に強くなってるとは思いますけど………。」
「過去の自分に負けていては話にならん。
俺は常に“昨日の自分より強く”だ。」
「精進する心得は見事だ。
だが強くあろうとするのなら単純な力の強さではなく“洗練さ”を一番に考えろ。
洗練された技なら武身技、闘気術、魔技を使用してもマナの消費は格段に減らせる。
その減らしたマナで別の技を組むんだ。
それが我が教える連携だ。」
「マナを減らすかぁ………。
魔神剣ならもう何度も使ってるからマナを使わずに出せるけど他の技と一緒に出すとなるとそっちの技の方にマナが持っていかれそうだなぁ………。」
「俺は強くなろうとして技を一つ一つ体得はしていったがあまり数の練習はしてなかったな………。」
「今回の我の修練はあまり時間をかけてはいられん。
ソナタ等の依頼にはいつマテオ進軍が結構されるかが定かではないからな。
ソナタ等は技の完成度を高めるのと同時にお互いに模擬刀を打ち合い連携に至るコツを掴むのだ。
勿論打たれる方は相手の剣を防ぎ反撃を試みよ。
掴むべきは奥義と連携だ。」
「「「分かりました。」」」
「………ではソナタ等には何をしてもらうかだが………。」
「私達は何すればいいの?」
「カオス達のように武器は持ち合わせてはいませんけど………。」
「ソナタ等は………接近戦は出来るのか?」
「接近戦?
力にはちょっと自信あるけど?」
「私もそれなりには………。」
「そうか………。
では我にそれを見せてみよ。」
「……分かりました。
『我らに力の加護を………シャープネス。』」パァァ…
「………」
「ミシガンにも、
『力の加護を我らに…シャープネス。』」パァァ…
「有り難うアローネさん!」
「これなら私達でもカオス達以上に力が「『力の加護を我らに…シャープネス。』」!?」「!?」
「さぁ…、
かかってこい。」
「オサムロウさんもシャープネスをお使いに…?」
「ちょっと!?
ズルいんじゃないの!?」
「この程度の術を相手に使われてズルいとは………。
実戦で相手が同じ手を使ってこないとは限らないのだぞ?」
「それはそうだけど………。」
「これでは条件は同じ………。
私達ではこれで手詰まりとなりますね………。」
「接近戦が腕力だけでは到底“できる”とは言えんな。
ソナタ等はもう少し工夫を凝らしてみる必要がある。」
「工夫………?」
「先程はカオス、ウインドラ、タレスに先に指導をしたが何故ソナタ等とは別にしたのだと思う?」
「そんなの………!
…………何で?」
「男性と女性だから………ですか?
男性と女性では動作に差があるから………?」
「性別ではない。
ソナタ等を後に回したのはソナタ等二人が一目で前衛ではなく後衛だと判断できるからだ。」
「前衛と後衛………?」
「カオスは剣、ウインドラは槍、タレスは鎖鎌、
これだけで前衛と分かるがソナタ等には前衛らしい武器が無い。
あの三人と共にいて武器を持ってないとすれば二人は後方支援と分かるだろう。」
「…そうですね。」
「敵が戦闘を開始したら先ず誰が狙われるのかは分かるな?」
「私達でしょうね………。」
「でも前衛後衛って分かれるならそれが普通なんじゃないの?」
「それが分かるのなら先程ソナタ等は我の一手で終わっていたことも分かるな?」
「「………」」
「戦闘では前衛がなるべくソナタ等を守りはするがそれに甘えていてはいかん。
ソナタ等も接近戦に持ち込まれたとき自衛ができなくてはな。」
「私は一応これでも魔技くらいなら使えますが………。」
「私だって………。」
「詠唱無しの魔技は正直大した威力にはならん。
かといってソナタ等にいきなり前衛用の武器を使えるようになれと言うのも無茶な話だ。」
「では私達はどうすれば………?」
「接近されないようにするしかないんじゃないの?」
「それも大事だが前衛が三人いる以上後衛も必須。
しかし敵が接近してきた………。
………そこで………、
ソナタ等は敵を詠唱込みの魔術で撃退するのだ。」
「………?
接近されている状態では詠唱している暇が無いのでは………?」
「接近されてるってことはそれだけ相手も足が早い敵なんでしょ?
魔術は攻撃力抜群だけど詠唱してる最中に攻撃されちゃわないかなぁ………。」
「案ずるな。
ソナタ等はカオス達のような技術を底上げするのではない。
このレンズのスキルを使いこなしてもらうだけだ。」
「!
そのレンズは………!?」
「あっ!
レンズ!
私もつけてるよ!」
「ミシガンもレンズを装備していらっしゃるのですか?」
「当然でしょ?
…っていっても村の騎士団の人から借りたエルブンシンボルなんだけどね。」
「騎士団から………借りた………?」
「………内緒で借りてきたやつなんだけど……。」
「ミシガン………。」
「だって!
マジックアイテムも持ってないやつを旅には連れていけないってレイディーが言うから!」
「それで盗みを………(汗)」
「もう借りてきちゃったものは仕方ないじゃない!
中身は“ストレングス”とかいうあんまり大した機能じゃないみたいだし。」
「効果がない………?
………言われてみれば私達はレンズのスキルは習得できるようですが元々のエルブンシンボルの身体能力向上の恩恵だけは非装備時と変わらないですよね………。」
「常時潜在能力が最高ってことなんじゃないのかな?」
「………そうなのかもしれませんね………。
殺生石の力が………私達の能力を…………。」
「………レンズの説明に移りたいのだが……。」