テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
マテオのように整備されていないダレイオスの道々を見てタレスがかつてはうさにんと呼ばれる商人達が行き来するような国だったと思い出すが………。
フロウス道 夜
ガササッ!
「敵か!?」
「俺が行くよ!」シュンッ!
「カオス!
待ってください!
一人で先行しては…!」
「ジュゥゥゥゥゥゥッ!!」
「ヴェノムか!
魔神剣ッ!!」ザザザッ!
「ジュゥ………!」ザスッ……
「………終わったか。」ガサッ
「!
まだです!
ウインドラさん!」
「分かっている!
瞬人槍ッ!」シュッ!
「ジュ………」ザシュッ…
「今度こそ………」ガサッ
「まだ終わってないよ!
アクアエッジ!」バシャァ!
「ジ………」ザバァッ…
「………今ので」ガサッ
「まだ出てきますね。
裂空斬ッ!!」シュンシュンシュンッ!!
「ジスッ………」ザシュッ………
「これで打ち止めのようですね。」
「南に移動したら急にヴェノムが多く遭遇するようになったな。」
「それだけまだヴェノムが多く蔓延しているのでしょう。
ブルータルヴェノム一体倒しただけではまだ油断はできませんよ。」
「それにしてもタレス気合い入ってるなぁ。
今の技って…。」
「バルツィエの技ですよ。
“裂空斬”という技です。」
「裂空斬………?」
「レサリナスでユーラスの後にカオスが打ち負かしたダイン=セゼア・バルツィエの得意技だな。」
「ダインって………?」
「カオスがユーラスを叩きのめした後に二人カオスに斬りかかってきた女の人の方でしょ?」
「そうその女だ。」
「あぁ…あの………。
…よくタレスそんな人の技が使えるようになったね。
バルツィエ流剣術って普通の人には使えないって聞いてたのに。」
「別に万人が使えないという訳ではないさ。
数百人………数千人に一人はバルツィエ流剣術の技を体得するものが現れる。
俺やダリントン隊長、ブラム隊長もその一人だ。」
「バルツィエだけが使える剣術ではないのですね?」
「一定の才能と長い鍛練を積めばバルツィエ流剣術の基本的な技なら習得可能だ。
………最もマジックアイテムあればの話になるがな。」
「エルブンシンボルですよね。
でもボク達はこれの恩恵はあまり効果が薄いようですが。」
「このエルブンシンボルって騎士団以外には所由シテルヒト少ないんだよね?」
「そうだ。
この装備アイテムもバルツィエの武器規定違反として所持してるのがバレたら没収物だ。」
「マテオでは皆バルツィエに逆らえない訳だよねぇ…。
こんなものまで持ってるのを制限されてちゃ………。」
「これって鍛冶屋の人とかが作れないの?」
「作り出す術は昔いたとされるドワーフとともに無くなったそうだ。
一般の技術者もエルブンシンボルを没収されるのならそれに代わる別のマジックアイテムを開発しようと試みてはいたようだが成果はどれもエルブンシンボル以下の効能しか発揮できなかった。」
「エルブンシンボルに代わる別のマジックアイテム?
そんなものが作り出せるのですか?」
「理論的には可能らしいが………、
今のところエルブンシンボルを越える効能を発揮するためにも相応の鉱石等の材料をかき集めなければならないらしくそれには資金とそれを加工できる工房が必要なんだ。
それができるのは………バルツィエの監視のある場所だけなんだが………。」
「バルツィエの目の届くところでそんなものを作り上げてしまってはバルツィエに利用されてしまいますね。」
「そうなんだ。
バルツィエに打ち勝つために開発したマジックアイテムがそのままバルツィエに流れてしまってはバルツィエを余計に増強させてしまうので“エルブンシンボル代替案”は凍結してしまっている。
歯痒いところだな。」
「…もしエルブンシンボル以上のマジックアイテムが一般の所持人達に普及できればマテオもバルツィエの独裁的な政治を緩衝することができるのかな………?」
「出来るだろうな。
バルツィエは個人の能力は高いが民衆はそれ以上に多い。
民衆がバルツィエに逆らえないのは武器を取り上げられているからだ。
現段階では数が多いだけでは民衆がいくら集まろうともバルツィエには勝てん。
バルツィエに勝つにはそれなりの武器とそれを扱う兵士がいなくてはならない。
マテオの民衆達はそれを揃えられないからダレイオスの奮闘を当てにしていたんだ。」
「では私達に今出来るのはこのダレイオスを戦える地点まで持っていくことだけですね。」
「ダレイオスがバルツィエにどの程度抵抗できるかはまだ細かくは判断出来んが俺達だけでバルツィエと戦うよりかはマシだ。」
「殺生石のあの隕石を降らす力が自由に使えたら楽なんだけどなぁ………。」
「あれは駄目だよ。
下手したらバルツィエごと一般の人達も巻き添えにしてしまうような力だし。」
「自由に使えないのなら当てにはしない方がいいだろう。
欲しいのは確かな戦力だ。
不確定要素を当てにはできん。」
「殺生石のあの方が私達の味方とも限りませんからね………。」
「地道にダレイオスを強くするしかないようですね。
ボクたちの手で。」
「強くすると言うよりも元の軍事力に戻すという見方だがな。」
「とりあえずはヴェノムの主を全部やっつけて私達とダレイオスでバルツィエと戦うんだよね?」
「…主討伐後はどうなるかもまだ未確定だな。
俺はダレイオスの隊列に入る予定だがお前達は………。」
「ボクもダレイオスに加勢しますよ。
アイネフーレはボク以外は亡くなりましたがボクがまだ残っています。
同胞達の分までバルツィエと戦います。」
「………私もカタスの贖罪のために戦います。
バルツィエが世界を掌握するようなことになっては私もウルゴスの同胞を捜すことが出来ません。」
「私だって!
バルツィエが戦争に勝つようなことになればミストが危ないんでしょ?
だったら私も皆と同じだよ!」
「お前達は別に戦争の方には参加しなくても………。」
「諦めなよウインドラ。」
「カオス………。
だがな………。」
「もう俺達全員がこのままマテオが勝ったらどうなるかは知ってるんだ。
なら全員にマテオと戦う理由がある。
幸い俺達全員がマテオのレサリナスとは縁があんまり無いからレサリナスと戦って打ち負かすことに何の躊躇いもないしね。」
「そうは言うが戦争なんだぞ?
戦争は両軍に犠牲が付き物だ。
俺達の体質のことを考えてみれば六属性の魔術が飛び交う戦場にミシガン達を配置するのは………。」
「そう仰るのでしたら貴方も同じことのように思えますが?」
「ウインドラも死ぬ可能性があるなら皆立ち位置は同じだよ。
一人で危険な仕事を引き受けようとするなよ。」
「一蓮托生って言ったでしょ?
ウインドラが戦うなら私達も一緒だよ。」
「どうやらウインドラさん一人だけに戦わせようとする人はいないようですよ?」
「………まいったな………、
元を辿れば俺と俺の部隊が皆をこの危険な道に引き込んだと言うのに今となっては皆が進んで危険な道を選んで進もうとしているなんてな………。」