テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
クラーケンから話が流れて国王アレックスのことについて語るが………。
タイヒ山道 麓
「大叔父さんがマテオを好きだった………?」
「私が聞いた感じではなんかそんな風に思うんだけど………。」
「………それは無いだろう。
国王アレックスは昔はアルバさんとも隊列を組んでいたという話だがそれは兄に追い付くために力をつけて他のバルツィエと結託してアルバさんを何かしらの方法でレサリナスから追い出したと言うのが世間でも噂されているしダリントン隊長もその線で考えていた。
ダリントン隊長はアルバさんのことをよく知っていたからな。
俺もそう思うし現に今のアレックス政権は他のバルツィエ達を上手く率いている。
アルバさんがバルツィエの当主になる前から粗暴な家だったからアルバさんのような思想違いの者はバルツィエにとっても不都合な存在だったんだろう。
あの王が国を好きだったと言うのなら何故バルツィエ以外の者達から嫌われるようなことを繰り返しているんだ?」
「そうですよね………。
マテオのことを愛していたと仰るのなら何故民衆を蔑ろにしてまで御自分の我を通すようなことを………?」
「バルツィエの根本は暴虐武人がモットーです。
カオスさんのお祖父さんやカオスのような人はレアなケースなんですよ?」
「…けど私はあの王様の話を聞いてたらそう思うんだよ………。
状況を聞いたらウインドラ達の言うことも最もな話だと思うけどさ?
私からしたらアレックスさんって人が王様になってから変わった話を聞いてたら………、
………私と同じなんじゃないかって思えて………。」
「アレックスと………ミシガンが同じ………?
………どこら辺が同じなんだ………?」
「………どこも共通しているところは無いと思うのだが………。」
「もし本当に王様がアルバさんを追い出そうとしてたらそうじゃないんだけどね?
………けどもし本当は追い出そうとしたりしてたんじゃなくて何もしてなかったら………。
………大好きなお兄ちゃんが突然何も言わずに自分の前からいなくなったりしたんだとしたら………、
信じていた人に裏切られたんだって思ったら………、
………それまで自分が好きだったものを全て嫌いになって八つ当たりしたくなったりするんじゃない………?
ぶつけようの無い怒りを何かにぶつけたくなったりとか………。」
「「「………」」」
「!」
「王様だって………アルバさんと騎士団で騎士をやっていた頃は他の三人と仲良くやってたんだし強くなってアルバさんを蹴落としたかったんなら別に同じ部隊で騎士をやる意味も無いんじゃないの?」
「そこに関しては評判の良いアルバさんと組んだ方がアレックスも同じように指示を集めやすいとは思うが………、
真意は誰にも分からんな………。」
「アレックス王がどのようなお考えだったのかは同じ仲間であったダリントンさんにも分からず仕舞い………。
………彼は始めからマテオで悪政を働くつもりだったのか………、
もしくはそうではなかったのか………。」
「アルバート=ディランはレイディーさんの話では自主的にレサリナスを去ったと言ってました。
と言うことはアルバート=ディランが去ったことに関しては弟のアレックス=クルガは関与してないんじゃないですか?」
「おじいちゃんがいなくなったせいで大叔父さんが今のバルツィエの体制を作ったのか………?」
「アルバさんが悪いみたいな言い方したくないんだけど私としては残された側としては気持ちが分かる気がするんだ………。
カオスとウインドラがいなくなった時に私も悲しくなってからだんだん二人に対して怒りが湧いてきて二人の家を燃やそうとしたりしてたから………。」
「………………えッ?」
「ミシガン………、
俺達の実家はどうなってるんだ………?」
「大丈夫だよ。
なんとか思い止まって燃やすのは止めたから。
あの家が無くなったらカオスもウインドラも本格的に帰ってこれなくなるし今もちゃんと残してあるから。」
「それなら………助かるけど………。」
「それだけミシガンを怒らせるようなことをしてしまった手前燃やされてたのだとしても文句は言えんが………。」
「本当に二人にはあの時村で一人にされて泣きたい気持ちでいっぱいだったんだから!」
「………残された人の気持ち………。
王はそれで国を荒らすような政策を………?」
「流石に兄がいなくなっただけでイジけて百年も国に当たり散らすなんて無いんじゃないですか………?
兄がいなくなってから国王にもなれてプラスな面が多いと思いますし。」
「…ミシガンのようにアレックスのことを気にする者などいなかったしな………。
案外ミシガンの意見は的を射ているのだろうか………?」
「国王に即位したというのに何か不満でも………?」
「…責任ある立場に就くと言うのはその立場に無い人達から見ると花方かのように思われるでしょうけど実際には色々と気苦労が多いのですよ………。
貴族と言うだけで様々な仕事を引き受けねばなりませんし結果を出してもそれが当然のこととして感謝もされず挙げ句の果てには立場だけで悪い噂を流されたり………。
有名になればなるほど民衆からの期待という“束縛”が重くのし掛かるのです………。」
「バルツィエに至ってはその束縛なぞ気にせず自分達のしたいようにしてるがな。
………だが立場による束縛か………。
ダリントン隊長も民衆から国を立て直すように期待の声が掛かっていたからな………。
アレックスは………そのせいで歪んでしまったのか………?」
「少なくともそういったケースはありますよ。
民衆の国の声が立場ある人を悩ませることも。
私の家クラウディアでさえも歴史ある筆頭貴族として代々国王に仕えることを自らの意思の他にも大衆から強制させられるようなそんな“無意識の圧力”がありましたので………。」
「………大叔父さんは………、
おじいちゃんがいなくなって歪んでしまったなら………、
………おじいちゃんは大叔父さんを歪めさせてしまったってことになるのか………?」
「…この話が真実だった場合の話ですよ?
私達だけでは検証が出来ませんしそれが理由で国を自由にしていいという訳ではありません。」
「アルバさんは現役の頃は上手く国を纏めていたさ。
アレックスはそれが出来なかった。
それだけのことだ。」
「カオスさんのお祖父さんなら弟のアレックスよりも良い国に出来ていた筈ですよ。」
「ミストでもアルバさんはお父さんの代わりに村長みたいなものだったしね。」
「………」
………責任か………。
何もしていなくても生まれだけでそれを求められる人生だなんて………。
なんだか自由が無くて嫌になりそうだな………。
おじいちゃんがレサリナスから出ていったのは………、
そうした理由からだったんだろうか………?