テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
バルツィエの粗暴性から深く考えたことがなかったカオス達だったが………。
サンフ渓谷
「ここを抜けたらいよいよミーア族の住む集落地帯へと辿り着くな………。」
「ミーア族の人達はスラート族みたいに街の下に空間を造って暮らしてるの?」
「オサムロウさんの話じゃそうらしいけど直ぐに見付けられるかな………?
スラートの人達も俺達がブルータルを倒したから出てきてくれたけど同じように主を倒さないと地上に出てきてくれないかもね………。」
「先にミーア族の方々に主の討伐をスラート族から引き受けたことを報告してからの方が良いのでしょうが何時までもミーア族の方々が見付けられないようでは先に主を討伐してしまった方が私達の都合的には良いでしょうね………。」
「ミーア族は全体的に水属性の魔術を得意とした人が多い部族です。
スラートのようにバランスよく魔術を扱える部族なら地属性の魔術であのような空間を作り出すこともできるでしょうがミーア族は………。」
「ミーアはスラートとは違う空間を造ってヴェノムの主から隠れてるってこと?」
「ボクの予想ですが……。」
「それならミーア族の集落に向かってもミーア族を発見出来ないかもしれないなぁ………。
どこか地図でミーア族が隠れてそうなところって分からない?」
「無茶を言うな………。
地図で分かるのは上から見下ろした地形だけだ。
川がどのような経路で流れてるかとか山がどこにあるのかとかぐらいしか判別がつかんぞ?
この地図でミーア族が隠れ潜んでいるところなぞ予測も出来ん。
………強いて挙げるのならこの渓谷が怪しいところだ。」
「ここ?」
「そう………ここだ。」
ザァザァザァザァ…………!!!
「けどここって硬そうな岩壁だらけで人が隠れられそうな場所なんて無さそうだよ?」
「山道から続いている川がある以外には………、
何も無さそうですね………。」
「そうだね………。
こんな歩くのだけでも大変な地形で人が住んでそうな場所なんて………。」
「………始めからここにミーア族がいるとは思ってない。
所々の木々が異様に枯れているのを見ればここもヴェノムがいたんだろう。
そんな場所に好き好んで人がいる筈がない。
ここも早く抜けるとしようか。」
ヒソヒソ………、
「…!」バッ!
「?
どうしたのアローネ?」
「………今川の下流の方から人の声がしたような………?」
「えッ!?」
「誰かいるのか!?」
「こんなところに人がいるの!?」
「いえ………、
話し声のようなものが聞こえた気がしただけですので………。」
「………とにかくその声のした方に言ってみようか。
本当にミーアの人がいるかもしれないし。」
「まさかいきなり当たりを引いたのか………?」
「ウインドラさんの言った通りでしたね。」
「…まだ分からん。
モンスターかヴェノムがいるということもあるからな………。」
ザァザァザァザァザァザァザァザァザァザァザァザァ………!!!!!
キャハァ!キャハァ!キャッキャッキャッ…………!
「………あれは………?」
「………モンスターのアルラウネですね。」パシャッ
「森に生息する植物系のモンスターで人に似た容姿で人語のような言葉を喋るが人との意思疏通は図れず普通に人も襲ってくる。
アローネ=リムはあいつらの出す声を間違えたんだろう。」
「…そう上手い話じゃなかったんだな………。
そんな簡単にミーア族に会えるわけないか………。」
「………申し訳ありません………。
私の聞き間違いで期待させてしまって………。」
「いいよアローネさん。
どうせ通り道にいるんだし誰かが絶対に勘違いしてたよ。」
「………それにしてもあのアルラウネ達はあそこで何をしてるんでしょうか?
滝壺のところに集まってるようですが………。」
「植物系のモンスターだから水分補給でもしてるんだろう。
何にせよ俺達の進路はあいつらの向こう側だ。
あいつらがいては通れない。
行く手を阻むモンスターは蹴散らしていくだけだ。」ジャキッ………!!
「あんまり人に似たモンスターなんか斬りつけたくないんだけどなぁ………。」
「見た目ほどアルラウネは大人しい生物ではありませんよ。
あれで中々の怪力です。」
「植物系のモンスターなら火が使えれば楽そうなんだけどなぁ………。」
「スライムの時のようにウインドラさんの雷撃でどうにかなりませんか?」
「どうだろうな………、
スライムは電気の熱を通しやすい体質をしていたから蒸発させられたがあのアルラウネは人の見た目をしているだけの植物だ。
電気は………通りにくいだろう。」
「けど植物だって言うならスライムと違って直接斬りつければダメージは通るよね………?」
「物理的に倒せる相手なら属性の弱点は気にしなくても戦えますね。
………では。」
「魔神剣ッ!!」「ライトニングッ!!」「ウインドカッター!!」「ストーンブラストッ!!」「アクアエッジ!!」
…………………………………………………………………
キャハァ……………、
ドサッ………、
「「「「………」」」」ゼェゼェ…
「………思ったより苦戦したかな………?」
「…なんなのあれ………。
戦ってる途中奇声上げたかと思ったら………!!」
「森の奥から仲間が次から次へと現れてはその繰り返しでしたね………。」
「数体だけかと思いきや回りにあれだけの数がいたとは………。
アローネ=リムが聞き間違えるのも頷ける………。」
「通常のモンスターにここまで苦戦させられたのは初めてですね………。」
「………そうだけどさ。
皆良い具合にモンスターとの立ち回りが上手かったと思うよ?」
「そう?」
「………今までは自分達の感覚だけでヒットアンドアウェイで戦ってましたがオサムロウさんの指導でボク達の連携が取りやすくなった感じがしますね。」
「戦闘はふとした失敗でピンチを招くが本の些細な上達で優位に傾くことがある。
あの指導も案外捨てたものじゃないな。」
「この調子で集団戦に馴れていければいづれはもっと多くの敵に囲まれても苦戦せずに済みそうですね。」
「相手にもよるだろう。
大群のスライムに囲まれた時俺だけしか戦力に数えられない場合はどうする。」
「それは………考えてませんでした………。」
「………確かに普通はスライムなんかに苦戦はしないだろうからな。
スライムの亜種ヴェノムには問題無いと言うのに………。」
「本当にそんなことになったらウインドラさんに任せるしかありませんね。」
「………火属性の魔術を使える仲間は欲しいところだが俺達に着いてきてくれるような者なぞ「火だったら………」」
「火だったら………俺が出すよ。」