テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
その二つの穴はカオスが埋めると意気込むが………。
ミーア族の集落ヴァッサー
「………………やはり無人の集落か………。」
「セレンシーアインより小さな集落だけど………、
あそこみたいに地下に入れそうな場所が無さそうだね。」
「…ここにはミーア族はいないようですね。」
「一軒一軒家の中見てみたけどスラートの人達が作ってたような地下に続く階段とか全然見つからないよ………。」
「土の感じからしてこの村の地下に空間を作るのは無理そうです。
ミーア族はこことは違う場所にいるみたいですよ。」
「ミーア族がいればヴェノムの主の目撃情報を頼りに捜索することもできたのですけど不在のようでしたら仕方がありません………。」
「最初の主は自分達の足で探すしか無いようだな。」
「でもどうやって探そうか………?」
「地図では………ここから東の方に海岸、南の方………にも海岸、西の方に………アインワルド族との境界の森があるな………。」
「三ヶ所全部回って探すの?」
「主は移動を繰り返している筈です。
何の根拠も無しに回っては鼬ごっこのごとく延々と遭遇できない恐れがあります。」
「だったら手分けして探す………のは無しだな。
相手はヴェノムである前にギガントモンスターだ。
強敵と戦うのに戦力の分散は得策ではない。」
「………ならこの間みたいにウインドラのライトニングで誘き出すってのは………?」
「その手なら遠くにまで行かなくても向こうからやって来てくれるから早いですね。
問題なのはクラーケンがそれに気付いてやって来てくれるかですけど………。」
「タコ………ですといかに陸上を移動できても水辺のあるところからそう遠くへは離れたりはしないでしょうね………。」
「………では選択肢は三つから二つに絞られたな。」
「東の海岸と南の海岸ですね………。」
「東の海岸に移動しながらウインドラのライトニングでヴェノム達を誘いだそう。
そこから南に下っていく。
そしたらそのまま西の方まで行けそうだしね。
そうすれば海岸を歩いている内に向こうからやって来るだろ。」
「その作戦でいくか。
海岸に着くまで俺が何度かライトニングを放ってみる。
それで主が素直に来てくれたらいいが………。」
「ウインドラさん、
魔力の方は余力はありますか?」
「そう気にするほどマナは消費していない。
移動しながら使っても体力にも余裕はある。」
「………辛くなったら言ってくれ。
ウインドラの代わりに俺がやるから。」
「お前はこの中でも最高戦力なんだ。
最高戦力のお前が自分の力を削ぐようなことはしなくて良いだろう。
「だけど……。」
「………魔術を放ちながら移動を続けるのは体力の消耗が私達よりも激しいですからここからは移動のペースを落として進みましょうか。
ヴェノムならこちらに気付きさえすればお互いに接近していくでしょうから今までよりもペースを落としても問題無いでしょう。」
「俺に気を使うことはないぞ。
俺なら適度に休憩を挟めば一日に何度でも魔術を「カオスに気を使ってるのですよ。」…。」
「カオスは仲間思いですから貴方にばかり負担をかけるのは善しとは思えないのです。
カオスは私達にいろいろと責任を感じていますから。
私達が何を言ってもカオスは重く受け止めます。
………ここは互いの妥協点を考えてウインドラさんを休ませつつ慎重にゆっくりと進むのが良いでしょうね。」
「ダレイオスは広いですしボク達も未開の地同然なんですから地図があっても迷うこともあるでしょう。
そんな場所で誰か一人が倒れるようなことがあればそれこそウインドラさんが焦っている時間への無駄に繋がりますよ。」
「………二人みたいに効率的なことをは言えないけど私もウインドラが無理するところは見たくないよ………。」
「………………、
………………分かった。
俺も魔術を撃つのが難しくなってきたら休憩をとろう。
まだ一体目だしな。
ここで体力と精神を磨り減らすようなことだけは避けなくてはな。」
ミーア族の集落ヴァッサー 木陰
「………今のところは本隊に合流する様子は見られないな………。
奴等何が目的でここまで来たんだ………?」
ネーベル平原
「………ヴェノムの気配は無いな………。」
「だが念のために一応ライトニングは上げておこう。
この平坦な場所なら障害物でこのライトニングが見えなかったということはあるまい。」
「これでこの辺りにヴェノムの主がいれば現れるでしょうが………。」
「………ひょっとしてだけどこの平原ヴェノムすらいないかもよ………?」
「……そうですね………。
草原を観察してもヴェノムが通ったようなそれらしい痕跡も見当たりませんし………。」
「…とにかく敵を誘い出さないことにはこの平原がどうなっているのか分かりません。
………ウインドラさん、
お願いします。」
「あぁ分かっている。
『落雷よ我が手となりて敵を撃ち払え!!
ライトニングッ!!!』」ピシャァァァァァッ!!!!!
ザワッ………………、
「………!
何か来る!?」ドドドドド………
「この足音は………、
一つではありませんね………。」ドドドドド………
「何か嫌な予感がするんだけど………。」ドドドドド………
「ヴェノムばかりに気が行ってここが何処だったのか忘れてました。」ドドドドド………
「………街の中では無いのだからこうなることくらい予測できただろう。
何にしても………、
目の前のモンスターの群れをどうにかしなくてはな。
奴等自分達の縄張りに侵入された挙げ句に俺のライトニングの騒音でお昼寝中のところを邪魔されて気が立ってるみたいだな。」
「「「「「「「「ガアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!」」」」」」」」ドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
「………何体ぐらいいる………?」ドドドドド!!!
「数えきる前に接触しますね。
ざっと三十以上いるとしか………。」ドドドドド!!!
「多数戦は不味いな。
魔術を使用してくる個体には気をつけろ!ドドドドド!!!
「囲まれる前に数を減らしましょう!
ミシガン!」
「それじゃあ私達は後ろで「うわああああぁぁぁぁぁぁあ!?」!!?」
「うっ、うわぁぁぁぁっ!?」ダダダッ!!!
「グルルルッ!!!」ダダダッ!!!
「人!?
こんなところに何で…!?」
「ミーア族でしょうか…!?
モンスターに追われています!」
「なんだってこのタイミングで………!?」
「ボーっとしてないで早くあの人を助けようよ!?」
「やれやれ………、
次から次へとトラブルが出てくるな………。」