テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カイクシュタイフ洞窟 入口
「ここのようだな。」
「シーグスさん、
ここであってます?」
「………?
シーグスさん?」
「………………………あってるぞ。
ここがクラーケンを追い詰めてあるカイクシュタイフ洞窟だ。」ボソッ
「………あんなに離れちゃって………。」
「さっきのは冗談だと言っただろ。
いい加減そんなに距離を取らずにこっちの方へ来たらどうだ?」
「バカ野郎!!
さっきのあれでどうしてお前らの側にいけると思ってんだ!!
益々お前らに対して不信感が募ってんだよこっちは!!」
「…すっかり怯えさせちゃったね。」
「私達は平気ですけど普通の方にヴェノムに触ってみろだなんて仰ればそれもそうなりますよね………。」
「ミシガンさんも本気で触らせようとしてたみたいですからね。」
「だって私達の他にもこの能力がある人が増えればそれだけ私達もどういう状態なのか調べやすくなると思わない?
私達だけよりも同じ仲間が増えればぐっと分からないことが分かっていく気がしてさ。」
「確かにそれはいい方法だとは思うがこの能力については何もメリットばかりではない。
デメリットも生じる。
ヴェノムを恐れずに済む分今度は別のモンスターや人に対して脅威が発生するんだ。」
「モンスターと遭遇してそのモンスターが自分に不利な属性の魔術を行使してきたらそれだけで危険に晒されてしまいますからね。」
「ヴェノムの繁殖率は凄まじいがそれでも世界のモンスターとヴェノムの比率は七対三程だと聞く。
一種のモンスターが全体の三割と言うのは脅威的なことだがそれでもヴェノム以外のモンスターが七割存在していると言うことは確かなんだ。
今まで三割の方を恐れていたのが今度は七割のモンスターを恐れなければならなくなるならおいそれと人に広めていい能力ではないだろう。」
「でも不利な属性の魔術を使うモンスターと遭遇する確率なんてそう高い確率でもないでしょ?
六分の一の確率なんだしその七割のモンスターの中の六分の一って大分低い確率になると思うんどけどなぁ………。」
「ミシガンさんの話はもっともですし別に普通のモンスターが脅威になるのだとしても倒せない訳ではないんですからこの能力が分け与えられるものなら分け与えておくことにこしたことはないと思いますよ?」
「それが確実に分け与えられることが出来るのであったらな。
今のところこの能力がどう伝播できるのかは分かっていない。
と言うよりも分からないことだらけだ。
カオスの中の精霊が力を発揮した時だけしか俺達はこの能力を得られていない。」
「私は………、
違いましたけど………。」
「……何?」
「私はカオスに会う前からこの能力がありましたよ。
トリアナス砦での件でカオスから能力を増強していただきはしましたが。」
「それ本当なのアローネさん?」
「本当だよ?
アローネは最初からこの能力を持ってたから。」
「ボクと一緒だったせいでお二人が勘違いしてしまっていたようですね。
ボクはカオスさんに治療魔術を受けた影響でこの能力が身につきましたがアローネさんとカタスさん達ウルゴスの民は永い眠りの中で自然とマナが変化してこの体質へと変わっていったんでしょう。」
「アローネさん………、
不思議な人だとは思ってたけど昔の人ってだけじゃなくてそんなことまで………。」
「昔の人………(汗)」
「………その話を聞くと俺達の能力は何も特別なものではなく人がいづれ辿り着く進化の果てのようなものなのではないだろうか?」
「進化の果て?」
「殺生石の精霊も言っていたことなんだが生物は皆いつか殺生石の精霊とその眷属に辿り着くと話していた。
辿り着くとは………その地点に到達する。
生物が皆あの精霊のような存在に進化する可能性を秘めているということだと俺は思う。」
「あんな隕石を降らすような存在にですか?」
「流石にあれに到達するのは無理だとは思うがな。
あれが精霊だという仮定で話を進めれば奴が言っていた眷属とは………基本六元素を司る精霊、
昨日の夜話していた俺達が精霊になった話を覚えているだろう?
俺達はあの精霊に他の生物を先取りして進化したのではないか?」
「進化の先取りですか………。」
「生物は六元素のどれか一つは相性のいい属性がある。
そのことを踏まえれば全生物は精霊のどれかに行く行くは進化していくと想像できるのだが………。」
「…では私は元から精霊へと進化して………?」
「俺の想像通りだったらの話だがな。」
「でも進化って何千年何万年もかけて少しずつ変わっていくことでしょ?
もし精霊って存在が私達の進化の果てだって言うんなら私達って………、
最終的にはミストの殺生石みたいな石になっちゃうの?」
「…生物が石に………?」
「ちょっと想像出来ないな………。
どう生き物が進化したらあんな岩になるんだろ………。」
「石ですと………生物としての構造には程遠いですね………。」
「あの殺生石はただの器だろう。」
「器……?」
「入れ物ってことですか?」
「簡単に考えればいい話だ。
世界で存在しているとされている精霊も元は不可視の存在だ。
物理的な質量を持たない存在でマナそのものとされている。
マナ………命、
命は生物に宿ってはいるが生物の肉体を切り開いてもそれがどの部位に当たるのかは誰も知らないだろう?」
「心臓のことじゃないの?」
「それはあくまでも器官だ。
それが無ければ動物は生命活動を維持できないが心臓が無い生物だって世界にはいる。
植物だってそうだし海にいるスーパースターなんてのもそうだ。」
「あれって心臓無かったんだ………。」
「思い返してみれば斬りつけても血が吹き出るということもありませんでしたね。」
「生物には様々な形があるが全ての生物に共通してマナがある。
マナこそが全ての源だ。
源なんだったら最後にはそれさえ残ってればいい。
………精霊とは
肉体を捨てて精神だけになった生物の進化の果てなのだろう。
肉体を持たない精神体だからこそ殺生石のような石の中にも潜めるしそこからカオスの中にも移ることが出来た。
目には見えないが存在だけはそこに在る。
それが精霊なんだろうな………。」
「………さっきから何訳の分からん話をしてんだこいつら………。
話に付いていけなさすぎてここにいるのが場違いな気がしてきたぜ。
………………洞窟の中は危険だしもうここで待ってようかな………。」