テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カイクシュタイフ洞窟 中枢
「ア………ア”………テ………。」グググ…
「待っていて下さいシーグスさん。
すぐに貴方の中のヴェノムを祓って見せます。」パァァ……
「またタレスの時と同じでファーストエイドでヴェノムを…?」
「私にはこの術以外に誰かを回復する方法など………、
……!?」パァァ………
『彼の者を死の淵より呼び戻せ………。』
「『………彼の者を死の淵より呼び戻せ………
レイズデッド………。』」パァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
「「「「…!?」」」」
「ア”ア”…………ア………あ…………、
………。」パタッ………。
「シーグスさん!?」
「シーグス!」バッ…
「……スゥ………スゥ………。」
「………呼吸はしているようだな。
脈は………こちらも異常は無い………。
ウイルスの苦痛からは解き放たれたようだが………、
ヴェノムは………除去出来たのかこれは……?」
「除去出来たんじゃないの………?
もしヴェノムが残ってたらとてもこんな風に眠ってなんていられないよ。」
「…そうだな………。
ヴェノムの心配は無くなったようだが………。」
「………アローネ、
今の術は………?」
「トリアナスで殺生石の精霊がカオスさんの体を操作していた時に使っていた術ですね………。」
「………」
「どうしてアローネ=リムがその術を………?
レイディー殿の話ではその術は“プロトゾーン”の進化の系列にあったとされる“ユニコーン”の力を借りなければ使えないと言っていたが………。」
「そうだよ。
それにアローネさんがそんな術を使えるだなんて知らなかったんだけど………。」
「………自分でも分かりません………。
私が何故この術を使うことが出来たのか………。
シーグスさんをお救いしようと必死にファーストエイドをかけようとしていただけなので………。
………ただ、
シーグスさんにファーストエイドをかけようとしてシーグスさんに触れようとして先にカオスに触れた瞬間、
………誰かの声が聞こえたのです………。」
「声………?」
「殺生石の精霊か………?」
「それすらも………、
………私はその声が発した通りに言葉をなぞっていたら………あの術が発動して………。」
「………レイズデッド………。
死者を甦らせるとされる術………。」
「その術が使えれば………今のシーグスさんみたいにヴェノムウイルスに感染した人が出てきても治療出来るんじゃない!?」
「アローネさん、
そのレイズデッドは今も使えますか………?」
「………『彼の者を死の淵より呼び戻せ………』」パァァ…
「使えるようだな。
今のことで習得出来たということか。」
「すっ、凄い!
私にも使えるかな!?
………ゴホンッ!
………彼の者を死の淵より呼び戻せ………。」
「………発動しないな。」
「俺達とアローネ=リムで条件が違うのか………?
精霊から与えられた能力に属性以外に違いはないと思うが………。」
「………ミシガン、
カオスと手を繋いで呪文を詠唱してみていただけませんか?」
「カオスと?」
「?」
「先程のことなのですけど………、
カオスと触れ合った時マナが増幅されたような感覚がありました。
もしかしたらこの術は………、
カオスと触れ合うことによってしか発動出来ないのではないかと思うのです………。」
「……分かったけど、
………………カオス。」スッ…
「うっ、うん………。」ギュッ…
「「「………」」」
「「………」」
ポゥ………
「!?
なっ、なんか来た!?
これ………マナ!?」
「ミシガン、
呪文を!」
「うっ、うん!
………『彼の者を死の淵より呼び戻せ………、
レイズデッド………』」パァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
「術が発動した!?」
「アローネ=リムに続きミシガンもか………。
古くに跡絶えた術を二人も………。」
「やっ、やった!
やったよ!?
私もアローネさんと同じ術が…!!」
「………」
「慌てないでください。
ミシガン、
今度はカオスと離れてから術を。」
「うん!
『彼の者を死の淵より呼び戻せ………レイズデッド!』」パァァ………
「術は発動出来るようにはなったようだが………少し………、
カオスと接触している時よりマナが少ないな………。」
「あっ、あれ……?
さっきとおんなじくらいマナを込めてるんだけどなぁ………?」
「………なるほど………
そういうことか………。」
「えぇ、
そういうことらしいですね………。」
「また新しいことが分かったようですね………。
ボク達の特性について、
ボク達は………、
カオスさんと接触している時にマナが増幅され通常の術に比べて強力な術が発動するようですね。」
「………俺と接触している時………。」
「カオス、
ここから出たら後で俺の術も試してみたい。」
「………分かった。」
「これが実証されればこれからの戦闘もより有利になるな。
初手で敵に大打撃を与えることが出来る。」
「カオスさん、
ボクも後でお願いします。」
「いいけど………。
………タレスは後で少し話がある………。」
「………分かってます。」
「………ミシガン。」
「ん?
何?
アローネさん。」
「先程のことなんですが………、
カオスと手を握った時………、
どなたかの………声は聞きましたか……?」
「声?
あぁ…!
私の時は聞こえなかったけど………。」
「………そうですか………。」
「それって殺生石の精霊の声だったんじゃないの?」
「………いえ、
今にして思えばあれは………あの声は………、
トリアナスで聞いた殺生石の精霊の声とは違っていたように思えます………。」
「違う声が聞こえたの?」
「はい………。
あの精霊の口調とは異なる………、
どこか………幼くも気品があるような………。」
「幼くて気品がある………?
それって………、
アローネさんの口調なんじゃない?」
「私………?」
「あの精霊の口調に比べればどの人もしゃべり方なんて若く聞こえるでしょ?
それだったら幼くて気品がある口調なんてここにはアローネさんくらいしかいないじゃない。
きっとあの時精霊が唱えていた詠唱を思い出してアローネさんが心の中で唱えた詠唱を誰かの声と聞き間違えたんだよ。」
「………そうなのでしょうか………?」
「きっとそうだって!
だって今私達が習得出来たレイズデッドって術も精霊が最初に使っていたのを見て知ってたのとカオスと手を繋いでいたから発動出来たんじゃない!
他の誰かの要因があった訳じゃないんだしきっとカオスが近くにいたってのが一番大きいことだって思うし。」
「………」
「…まさか他にも要因があるの?
アローネさんにもカオスみたいな精霊が宿っているとか………?」
「私には……別にそのような存在は憑いてはいないと思いますが………。」
「じゃあやっぱりカオスのおかげだったんだよ。
カオスの体を使って精霊が喋ってた時も最初はカオスの声で喋ってたしカオスに触って精霊が何かしら作用してアローネさんに術を授けたんだよ。」
「………………、
………そう………ですよね。
……あの声は私の勘違いなのですよね……。」