テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネと二人で旧ミストを離れることを決意する。

 モンスターとの戦闘も交えてカオスはアローネから戦闘の知識をおしえてもらう。


本当の自己紹介

ムスト平原

 

 

 

「おぉ~、森を抜けたぁ~。」

 

「長かったですね。途中何度もモンスターに襲われたので疲れました。」

 

「じゃあ今日はこの平原で野宿しようか。」

 

「はい、そうしましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「薪はこのくらいでいいかな。」

 

「では火をつけますね。ファイヤーボール!」

 

 

 

ボッ!パチパチッ!

 

 

 

「有り難うアローネ。」

 

「このくらいいいですよ。」

 

「アローネがいなかったら火を起こすのも一苦労だよ。」

 

「カオスは本当はマナを扱えるのでしょう?何故使わないのですか?」

 

「アローネは結構深いとこまで聞いてくるね。」

 

「私は義兄のように偏見で見られたりすることが嫌ですから。これから旅をする貴方のことを何が良くて何が良くないかはもっと知っておきたいのですよ。」

 

「そうなんだ。……まぁ話すけど僕は前に魔術を使ったら大変なことになったんだ。」

 

「大変なことに?」

 

「前にも言ったけどあの当時は自分が魔力欠損症で少し魔術を使うだけで限界を簡単に越えてしまう………そう思ってたんだ。」

 

「でも違ったのでしょう?」

 

「うん違った。村にヴェノムが現れて一度魔術を使ったんだけどその時は気絶しちゃって覚えてないんだ。そしてもう一度使ったときはハッキリ覚えてる。」

 

「その時はどうなったのですか?」

 

「僕はその時………ヴェノムに食いつかれていた。身体中をヴェノムに包まれて体がバラバラに溶かされようとしてた。周りは見てなかったけど一斉にヴェノムが襲いかかってきたらしくて僕以外にも襲われている人は大勢いたんだ。」

 

「よくぞご無事で……。」

 

「もう痛みとかそんなのどうでもよかったんだ。おじいちゃんも僕が襲われる前にヴェノムに感染して苦しんだ末にいっちゃって……。」

 

「………」

 

「そうしてヴェノムに包まれて意識を失いかけたときにね。声が聞こえたんだ。」

 

「声?それは村の人達のですか?」

 

「分からない。村の人じゃないかもしれない。その声は今でも眠っているときとかに聞くことがあるんだ。その声は何だか悲しそうな声で何かを言うんだ。なんて言ってるかは毎回忘れちゃうんだけどその声を聞いたら僕がなんとかしなくちゃって思って、それで無意識のうちに魔術を使ったんだ。」

 

「……それで村は助かったのでしょう?今こうしてあのミストがあるということは。」

 

「そうだね。僕が発動した魔術でミストと森の広範囲にいたヴェノムを消し去ったよ。」

 

「なら何故カオスはあの村から批難されているのですか?」

 

「………」

 

「カオス?」

 

「………さっき僕が襲われているときに他にも襲われている人がいたって言ったよね。」

 

「……まさか!?」

 

 

 

 

 

 

「その時発動した魔術でヴェノムとゾンビだけでなくほんの少し掠り傷をおった人達も一緒に消し飛ばしたんだ。」

 

「……」

 

「まだ意識があった人もいた。必死にヴェノムから逃げ惑う途中の人もいた。その人達も消したんだ。」

 

「それがカオスが頑なに魔術を使わない訳…。」

 

「僕が救う救わないで救えなかったとかいう比喩の話じゃないんだ。単純に僕が殺した。僕が発動した魔術で。」

 

「スミマセン…カオス。そんな話だとは…。」

 

「いいんだよ。別に隠してたんじゃない。むしろ知って欲しかった。僕は魔術を制御できないから次に発動したとき抗体を持ってる人も巻き添えにしてしまうかもしれないからね。」

 

「それは私も………ということですか?」

 

「僕の見立てではアローネも抗体持ちだと思う。とにかく僕の力はヴェノムとヴェノムを触ったことがある人も影響下にあるから村の人からしたらヴェノムも怖いけど僕も怖いんだよ。」

 

「………もういいです。」

 

「気にしなくていいよ。人に話せばしっかりと自分の罪と向き「もういいのです!」」

 

 

 

「今日までのカオスを見てきて分かりました!カオスはずっとその事を後悔していることを!カオスがずっとその事を負い目に感じて村の人と同じように自分を責めているということも!」

 

「アローネ…。」

 

「本当は貴方はミストの村から離れたくなかったのではありませんか?貴方が村を離れる決意を決めたのは私に気を使って着いてきてくれたのもあるのでしょうが、本当はミストから離れたくなかった。だから私に着いてきた。」

 

「!」

 

「そうすることで貴方は貴方が苦しむ事を望んだから。」

 

「僕は………そんな風に………思って……なんて。」

 

「カオスは優しいところと強引なところもあります。それ以上に今の話を聞いて自己顕示欲が強いのかもしれません。そうした幼少期の心の傷が貴方を子供のまま成長させてしまった。」

 

「僕が………子供…?」

 

「自己顕示欲が自慢話とかであれば良かったのですが今の貴方からは贖罪だけしか感じません。

 

 貴方の贖罪と顕示欲が合わさってそんなトラウマのようなことをを何でもないようなことみたいに話せるのですね。」

 

 

 

 贖罪に顕示欲か。

 

 確かにそうだったのかもしれない。

 

 僕は罪を償っているつもりでいたが周りから見たらそんな自己満足に見えてたのかも。

 

 だったら僕はどうしたら罪を償えたのだろうか。

 

 僕のしてきたことが自己満足で何の償いにもなっていなかったなら今まで僕は何もしていなかったのではないか。

 

 

 

「アローネ、有り難う。」

 

「………どうしたのですか?」

 

「アローネに指摘されるまで全然自分のことを見つめ直すことが出来なかったよ。僕がどんな気持ちで臨んでいたかを見直すことが出来た。僕はアローネのおかげで前に進めるんだ。」

 

「それほどのことは言ってませんが……カオスは怒らないのですね。」

 

「怒る?」

 

「私は出逢ってから昨日までカオスに助けられっぱなしでその上で先程のような偉そうな指摘を…。」

 

「大丈夫だよ。アローネは昨日捕まりかけたんだ。それで不安定になってたのかもしれないし。言われたことに関しては素直に受け止めたよ。」

 

「……スミマセン、カオス、私は本当は嫉妬していたのです。」

 

「嫉妬?」

 

「私は、私のウルゴスは昨日の騎士団の話でこのデリス=カーラーンにはないと聞いて私は心の支えを失いました。

 

 棺のこともあってすんなりとその事実は受け止められました。

 

 ですが心の中では、

 

 何故こうなってしまったのか。

 

 私は何故私の最後を思い出せないのか。

 

 と焦りで情緒不安定になっていました。

 

 私にはもう居場所はないのかとストレスがあったのかもしれません。

 

 

 

 そんな私にカオスはカオスの居場所を捨てて私についてきてくれると言ってくれました。

 

 私は嬉しさと同時に嫉妬したんです。

 

 貴方が貴方の居場所を放り捨てることに。」

 

「……」

 

「本当に申し訳ありません。カオス初日の夜からこんなに最悪な空気にしてしまって…。私がでしゃばるからこんなことに…。もしカオスが私と行動するのが嫌になったのなら「安心した。」」

 

「安心したよアローネ。」

 

「安心……何故?」

 

「僕は一人だったから子供のままじゃいけないと思ってしゃべり方とか生活とかを自分なりに気を使ってた。

 

 けど今指摘されたみたいにそれにも限界があったんだ。

 

 やっぱり中身は子供なんだと思う。

 

 それが恥ずかしいとも感じる。

 

 だけどアローネも完璧じゃないんだって聞いて安心した!

 

 アローネは同じくらいの年に見えるのに口調から動作まで何でも大人みたいで差を感じてた。」

 

「私はそんなに大層なものでは…。」

 

「僕の主観で見た印象だよ。

 

 アローネは貴族のお嬢様で家事や料理何でも出来て完璧な理想の大人だった。

 

 それでも僕見たいに感情を吐き出すこともあるんだって知れて良かったよ!」

 

「……私だって普通の人のつもりです!それくらいありますよ!」

 

「初日からアローネとこう言い合えて良かったよ!

 

 アローネの本音を聞けた気がするよ。」

 

「………それほどのことは言ってませんよ。」

 

 

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