テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カイクシュタイフ洞窟 中枢
「………では作戦も決まったところで……!」シュルシュルシュル………
「また来たか!」ザンッ!ボトッ!
「ここも一までも安全とは言えませんね。
作戦を決行する前にシーグスさんを外へお連れしないといけません。」
「そうだな俺なんかがお前らと一緒にいたら邪魔にしかならねぇ………。
一先ず俺は退散するぜ。」
「………お一人で大丈夫ですか?」
「…何だよボウズ。
さっきは俺を放ってクラーケンを倒すことを急いでいたのに心配してくれんのか?」
「そういう訳では………、
ただボク達にもダレイオス全土のヴェノムの主を倒してその他のヴェノム達を駆逐するという使命があります。
ボク達のことを信じられずに非協力的だった上に勝手に付いてきて数少なかった貴重なワクチンを味方でもないのに使わせられようとしていたのでイライラしていただけです。」
「………そうだったな………。
お前らには世話になったってのに余計なもん使わせちまって悪いことしたな………。
ついでに命まで救ってもらってこの抗体とかいうのも………………
………すまなかったな………有り難うよ………。」ザッ
「………これでクラーケン討伐が始められますね。」
「………タレス。」
「…ボクがあの人を助けたくなかったのはシーグスさんが明確にボク達の味方ではなかったからです。
疑いの眼差しを向けてくるような人を助けたところで後で協力してくれるかは分からない………。
ワクチンを使えばあの人はワクチンが本物だということを知り残り一つのワクチンを奪おうとするかもしれない。
そうなったら………シーグスさんと敵対することになる。
ボク達が助けたからって好意が返ってくるとは限らないんですよ。
このダレイオスでは恩なんか売ったところで逆にボク達の敵になる確率の方が高いんです。
………それほどヴェノムを滅することが出来るワクチンは貴重な存在ですから………。」
「……確かにダレイオスではマテオのワクチンは喉から手が出るほど欲しいだろうからな………。
シーグスが仮に不審者であったらたな俺達の隙を伺いつつワクチンを盗もうとしていただろうな……。」
「それでアンタシーグスさんを見捨てようなんて言ってたんだね………。
言われてみると一人であんなところ彷徨いてたからミーア族かもって思って気にしてなかったけどよく考えたら私達に付いてくるなんてとんだ命知らずだよね。
………本当にミーア族の人だったのかな…?
私達がそう思ってたのに合わせてそう言ってただけの盗賊なんじゃ………?」
「…シーグスさんは………恐らく盗賊ではありませんよ。」
「アローネさん………?」
「俺も………そう思う。
俺とアローネは一度盗賊と戦ったことがあるから何となくなんだけど………盗賊達って自分達のことしか考えてない自己中心的な奴等ばっかりだったからこんなヴェノムがいるような所に何の対処方法も持たずに俺達に付いてきたりなんかしないよ。」
「だが俺達が先にワクチンの話をしたからそれ欲しさに付いてきただけかもしれんぞ?
さっきも言った通りワクチンを奪ってから俺達にヴェノムを押し付けて自分は逃亡しようと画策してた可能性もある。」
「そう…仰られますと………彼を信用する根拠が何も無いのですが………、
………先程の彼の激昂は本物だったと感じました………。」
「アイツが突然喚きだしたあれがか………?」
「はい………、
友を………、
大切な人を失い悲観する姿と私達が彼の友人がまだ存命している時にお会いできていたらというどうしようも無さにくれる姿が………、
………私にはあの様子が偽物のようには思えませんでした………。」
「ただの演技上手なだけじゃない………?」
「ミシガン………、
いくらなんでも疑り過ぎだよ……。」
「……しかし奴がもたらした情報によってクラーケン攻略の糸口を掴んだのも事実。
奴の素性はまだ謎にしてもそれだけで今のところは信頼してもいいんじゃないか?」
「そうですよ、
彼の情報は的を射たものですし彼の作戦をそのまま実行に移しても私達が損をするようなことにはなりません。
なす統べなく退散した私達には彼の情報は朗報とも呼べるものになりました。」
「クラーケンの前にヴェノムを全滅させないといけないんだね………。
この洞窟どのくらいの広さがあるんだろ………?」
「所々に枝分かれした道も見受けられましたから五人でこの洞窟を回っていては時間がかかります。
ここは手分けした方がいいですね。」
「手分けって………皆バラバラでヴェノムを退治して回るの?」
「いえ、
単独の行動は危険です。
ヴェノム単体に殺られてしまうことは無いとは思いますがまだこの付近でさえもクラーケンの触手が届く位置のようですしヴェノムとクラーケンの挟撃に会えば万が一ということも………。」
「それなら二手に分かれるのが手だな。
ヒーラーが二人いるからアローネ=リムとミシガンの班に分かれよう。」
「五人いるから奇数で一人余るけどどう分かれるの?」
「…だったら三人と二人に分かれて三人の班はクラーケンの近くの危険度が高い方を担当して二人の班はここから入り口までのヴェノムをお願いしようか。」
「…そうだな。
メンバーはどう分かれる?
俺は………敵の多そうな三人の方で構わんが………。」
「………………、
いや、
ウインドラは二人の班の方に行ってくれないか?」
「構わんが………何故だ?」
「クラーケンって海にいた魔物なんだろ?
だったら今回のクラーケンが飛び出してきた時一番危険じゃないか?
海の魔物ならアクアエッジとか使ってきそうだし。」
「………確かにな。」
「ではボクとカオスさんが三人の方の班ですね。
アローネさんとミシガンさんはどちらにしますか?」
「私はどちらでもいいですよ?」
「私も。」
「じゃあ………、
ミシガンがこっちの三人の班で。」
「オッケー!」
「…意外だな。
カオスならアローネ=リムを選ぶと思ったんだが………。」
「ミシガンはウインドラの時と逆でアクアエッジが飛んできても吸収するだろ?
だから三人の方の班にいた方が対処しやすいだろうしこの人選が一番効率がいいだろ。」
「それって私ならクラーケンに襲われても大丈夫って言ってるように聞こえるんだけど………。」
「………案外とカオスも戦闘についてのことを考えているんだな。」
「では私とウインドラさんでここから入り口までのヴェノムを殲滅します。
カオス達はここからクラーケンまでのフロアにいるヴェノムを。」
「あぁ、
任せて。」
「ある程度まで数を減らすことが出来たらまたここに集合しましょうか。
クラーケンに動きがあった時の合流地点にして。
クラーケンが出てきたら流石に五人でかからないと倒せそうにありまけんから。」
「こんなことさっさと終わらせてまた明るい外に出ようよ。」
「そうするためにはこの洞窟内のヴェノム達全てを狩る必要がある。
時間のかかる作業だ。
焦らずに慎重にだ。」
「私達の方は触手の脅威がカオス達よりも少ない分難しい作業ではありませんがそちらはヴェノムを相手にしながらクラーケンも襲ってきます。
油断せずに安全を確保しながら進めてくださいね。」
「分かってるさ。
俺の目の前でもう誰にも死なせたりはしない。
タレスとミシガンは俺が守る。
ウインドラもアローネも。
………四人だけじゃない。
この地域のクラーケンに苦しめられている人達のためにも………、
皆でクラーケンを倒すんだ!」