テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カイクシュタイフ洞窟 奥
「「「ジュゥゥゥゥ!!」」」
「魔神剣ッ!」「孤月閃ッ!」「スプラッシュ!」
「「「ジュッ………」」」ザンッザスッバシャァ!!!
シュルシュルシュル!!
「テァァァァァァァァッ!!!」ザンッ!!ボトッ!
「流石に奥の方だけあってヴェノム達が多いな。」
「もう随分倒したんじゃないの?」
「まだ開始してから一時間くらいしか経ってませんよ。
これだけの大きな洞窟にいるヴェノムを全滅させるんですからまだまだこんなものではないでしょう。」
「それもそうだね………。
休みなく次々出てくるけどまだこれでもこの洞窟の本の少ししか倒してないのかな?」
「けど相手はヴェノムだから俺達がここにいるだけで寄ってくるからヴェノムを探して回るよりかは楽なんじゃないかな。」
「洞窟内での音は響きますからね。
マナに引き寄せられているというのもあるでしょうがヴェノムが向かってきているのは単純にここで騒音をたてているからでしょう。」
「移動せずに済むのは楽なんだけどさぁ………。
この作業後どれくらい続くと思う?」
「広いと言っても………ミストの森みたいに縦横無尽に洞窟が拡がっている訳ではないからねぇ。
ミストの森よりかは狭いと考えれば後………、
三日くらいかな?」
「そんなにかかるの!!?」
「ミストの森を参考にしたらだけどね。」
「カオスさんは森でヴェノムを狩る生活をしていたんでしたね。
こういうことの計測はカオスさんなら出来るんですね。」
「まぁ俺はヴェノム狩りぐらいしか生きる意味が無かったからな。
あっちに行った二人みたいに情報を調べてそれで作戦を立てるなんてことは出来ないからこういうことでしか皆の役に立てないんだ。
ならせめてここでは活躍しないと………。」
「カオスは別に役に立ってないことは無いでしょ?」
「そうですよ。
ボク達はカオスさんがいるからこうして纏まっているんてすから。」
「けど俺ってただの戦闘要員でしかないからなぁ………。
この間リーダーに決められたけど俺一人じゃ何も決められない………。
リーダーシップもないし咄嗟の判断だってタレスの方があるだろうし………。」
「また卑屈になってる………。」
「もしかしてカオスさん、
あの二人と一緒にいると形だけのリーダーだけでしかないと思ってこの人選にしたんですか?」
「………」
「そうなの?
私がさっきの話聞いてた限りじゃ正論だったと思うけど………。
ウインドラだってここじゃ危険だから遠くにいた方がいいと私も納得してたんだけど………。」
「カオスさんは気負い過ぎですよ。
あの二人が冷静に作戦を立てられるのはカオスさんという大きな存在があるからです。
カオスさんがいるからこそボク達はボク達に出来る容量が拡げられてそれで作戦を立てられるんです。
カオスさんがいるからこそアローネさんとウインドラさんはボク達皆で出来ることを次々と提示していけるんです。」
「そうなのかな………?」
「そうだよ!
カオスがいたらどんなところにだって行けるって私も思うもん!」
「…そういうことにしておこうか。」
「そういうことなの!
…それにしてもタレス、
アンタ、カオスには優しいんだね。
シーグスさんを見捨てるって言い出した時は冷酷な子供だと思ってたけど味方には優しく出来るんだ?」
「仲間に冷たくしても意味が無いでしょう………。
ボク達は計画的に動くべきなんです。
盗賊をやっていた時の経験なんですが常に最善の行動を心掛けるのが計画を完璧に遂行できる唯一の方法だと思います。
役に立ちそうなものは全て使い役に立たないものは切り捨てる。
………盗賊だったら役に立たなければ人ですら切り捨てられます。
切り捨てられる仲間は仲間では無いそうです。
ボクは仲間を切り捨てるようなことはしたくありませんが仲間ですらない人なら皆さんの旅の阻害になりそうな不要物は………、
切り捨てます。」
「………どうしてこんな子に育っちゃったんだろ?」
「俺達より経験豊富だからこういう思考になっちゃうんだろうね………。
…けど時にはそれも必要になってくるかもしれない。」
「カオス!?」
「タレスの意見は聞いてみたら冷酷に聞こえるかもしれないけど俺達の目的を果たすためには時には必要になってくるかもしれない。
……本当だったらリーダーの俺がそういうことを率先して言わなければいけないんだと思う。
ミストのあの事件の日にもおじいちゃんは皆を纏めてはいたけど全体を危険から守るためには………子供だろうと容赦なく切り捨てた………。」
「!
………私の家でのことだね………。」
「覚えてたの………?」
「あの時のことなら覚えてるよ。
その光景は私だって見てた。
目の前で村の他の子がアルバさんに斬られてたところも………、
その子の体が直後にヴェノムになったことも………。
そこから私は気を失ってお父さんに………。」
「………それを見てよくカオスさんはトーディア山でボクを助けようと思いましたね。
ヴェノムに感染したら普通は百パーセント助からないのに………。」
「俺にとってはタレスの時は無我夢中で助けなきゃって思ったんだ。
タレスは………俺みたいな悲惨な人生をおくってたようだし漸く盗賊達の奴隷から解放されたってのに俺が助けた直ぐにあんなことになっちゃって………。
………あそこで俺がタレスを助けることを諦めていたんだとしたらタレスは………、
俺達に出会わなかった方がもう少し長生きすることが出来たんじゃないかってあの時はそう思ったんだ………。」
「「………」」
「…でもタレスの時のように全てが上手くいくわけじゃない………。
俺のやり方じゃ救えない命だってあった。
俺のやり方じゃどうにもならないことがこの世界には沢山あった………。
小さなことなら俺にでもどうにか出来てきたけど俺一人じゃ結局何も出来ずに終わることの方が多かった………。
………俺は………
………やっぱり自分のやり方に自信が持てないや………。
多少無理をしてでも変わるべきなんだろうかな………。」
「カオスはそのままでいてよ。」
「ミシガン………。」
「カオスがカオスじゃなかったら私もレサリナスまでカオスを追い掛けてったりしないよ。」
「カオスさんの人の好さに惹かれてボク達はカオスさんと行動を共にしているんです。
組織の上に立つ人なら時には非情な一面も持ち合わせなければなりませんがカオスさが考えてるようなレイディーさんみたいな役目はボクが引き受けます。」
「レイディー!?
そっか!
カオス、レイディーみたいになろうとしてたの!?
駄目だよあれを真似しちゃあ!
あんなのがリーダーだったら皆の空気が悪くなっちゃうよ?」
「今のボク達はこれでいいんですよ。
多少衝突するくらいの方がパーティーは上手く回ります。
互いの意見がぶつかるということは互いにデメリットを分かっているということですからそれについてはカオスさんが深刻に捉えることはないんです。」
「レイディーみたいに一人で何でもかんでも決める人がリーダーなのは嫌だけど、だからって仲間全員が全く同じ意見になるのも問題だよね。
全員が同じ方向を向いてたら間違いに気付けないんだもん。
今回のことでタレスのような後先考えずに行動しようとするのを止めてくれる人がいてくれたのはよかったよ。
……ワクチンは一つになっちゃったけど………。」
「まぁ、ワクチン一つでその後のカオスさんとアローネさんのヴェノムを打ち消す術を習得出来たのはかなりの収穫じゃないですか。
あれでシーグスさんにワクチンを使って無駄に終わっていたとしたらどうなっていたか……。」
「でもワクチンは一つだけになっちゃったけどこれからどうするんだろ………。」
「シーグスさんのことでワクチンなんかよりもあのレイズデッドをダレイオスに拡散することがダレイオス復興の足掛かりとなるでしょう。
後はあの術をどうにかしてダレイオス全土に伝えられれば……。」
「なんかワクチンを作るよりかは楽そうだね。
私達のダレイオスの旅もそこまで難しいものじゃないのかな?
それじゃさっさとクラーケンを倒してミーアの人達を助けてあげないとね。」
「…………………、
………本当にこんな皆を纏めきれないリーダーでいいのかな………。」