テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ミーア族の集落ヴァッサー
「え!?」
「タレス………?」
「族長代理………?」
「どういうこと…?」
「…ボウズがアイネフーレで………族長代理だって………?」
「アイネフーレは………ヴェノムの主に滅ぼされた筈………。
それなのに族長………それの代理が………?」
「…やはりここでもアイネフーレは全滅したということになってるんですね………。
…ですがアイネフーレはまだ全滅してはいません。
ボクが………、
ボクがマテオから最強の戦士達を味方に付けて帰ってきました。
アイネフーレはまだ滅んではいません!」
「…なるほどそう言うことか………。」
「マテオから帰ってきた………、
てことは坊や………バルツィエの捕虜として………。
………アイネフーレが全滅したってのは気の早い決めつけだったってことだね…。
…でも坊や一人でアイネフーレの民で族長………。」
「そうです。
ボクがいるのにアイネフーレが全滅しただなんて言わせません。
ボクがカオスさん達とマテオのバルツィエを倒してアイネフーレを復活させて見せます。」
「………」
「……そのためにも先ずはヴェノムの主を討伐してダレイオスを救うんです。
そうすればいづれダレイオスの他の部族達もが立ち上がりマテオへ対抗すべく軍が編成されるでしょう。
……………貴女達はこんなところで足踏みしていていいんですか?
この流れに乗らずして貴女達はどこでミーア族を繁栄させていけるんですか?」
「俺達は別にこれ以上を求めることは………。」
「さっきも言った通り私達ミーアはミーアが暮らせるだけの最低限の領土を奪われたりしなければ他には何も「笑わせてくれますね。」!」
「最低限の領土ですって?
ミーア族が暮らせるだけの?
数を減らされ続けたミーア族の最低限の領土とはどの程度のものなんですか?
ヴェノムを恐れてこの集落からも逃げ出した貴女達はこれからも数を減らし続けてその分どんどんと住むところを狭め続けるでしょう。
無論ボク達の計画に乗らずに何もしなかった部族は仮に計画が成就した暁には………、
その最低限の領土とやらも取り上げてダレイオスから追放しますがね。」
「「何………!?」」
「タレス!?」
「何を言ってるんだタレス君………!」
「追放ってそんな野蛮な………!?
………あれ止めなきゃだよね?」
「待ってください。
………ここはタレスに任せてみましょう。」
「当然だと思いませんか?
ダレイオスが建国された理由はマテオという大国の脅威があったからです。
その大国を倒してしまえばダレイオスは元の関係に戻るわけです。
元の関係………九の部族がまたそれぞれの領土を奪い合うかつての形に………。
………ですが流石にそれまでバルツィエを倒すために戦ってきた同志にはそう易々と剣を向けることは出来ません。
剣を向けられるとしたら………打倒バルツィエに名乗りを上げなかった他の部族達………。」
「「………!」」ゴクリ…
「ボク達はボク達の計画に賛同してくれたスラートと共にマテオとの終戦後にはこのダレイオスを分割するつもりです。
スラート領とアイネフーレ領に………。
勿論現段階でボク達の計画に賛同しているのがこの二つだけなんですけどこれから先ボク達が他の部族と会談し協力を得られればその部族とも終戦後のダレイオス領土を二分割でも三分割にでもしていく予定ではありますよ。」
「そっ、そんな話無理があるだろうが!!?
仮にマテオを打ち負かしたとして!
スラートとアイネフーレとその他の部族達が勝ったとして………!
ボウズ一人しかいないアイネフーレなんかに俺達を追放なんて出来るかよ!?」
「出来ると思いますけど?」
「何だと……!?」
「………」
「ダレイオスの領土を分割するにしても他の部族達もなるべく広い領土が欲しい筈です。
…ならばダレイオス再統合に加わった部族達はそのまま協力関係を維持して非賛同部族を追いやるでしょう。」
「…追いやるにして追いやられた部族はどうなるんだい………?
このデリス=カーラーンには他に人の住めるような場所なんてどこにも………。」
「それをボクに聞かれても分かりませんね?
貴女達のような敗北者のことを気遣う意味がボクにあるとでも?」
「こっ、こいつ………!」
「人ってのはそう綺麗なもんじゃないよ。
アンタの理屈通りならマテオ勝利後は真っ先にアンタがスラートや他の部族に消されるんじゃないかい?」
「…それについては「タレスは消されませんよ。」!」
「もしそのようなことになるのでしたら私達でその部族を滅ぼします。」
「…アンタ達はアイネフーレじゃないのにかい?」
「えぇ。」
「ちょっとアロー「話を合わせてください。」」ボソッ
「…そうだな。
タレス君は………俺達の計画にいち早く乗ってくれた協力者だ。
そんな彼を他の部族達に殺らせるくらいなら俺達で彼を守って見せる。」
「………そうだよね。
スラートの人達は協力者って関係だけどタレスとはそれよりも繋がりが強い“仲間”だからね。
もしタレスにちょっかいかけてくるような人達がいたら私が水で押し流してあげるわ!」
「…俺もタレスがそんな醜い争いで消されるのは嫌だ。
タレスは俺と同じくらい………それよりも酷いくらいに悲惨な目にあってきたんだ。
タレスをそんな下らない終わり方をさせたくはない。」
「…抜けたとはいえバルツィエの戦士がバックにいるのかい………。
そりゃあこうも高圧的になれるだろうけど………。」
「たった五人で他の部族達から守れるのかよ!?
この国にはまだスラートのオサムロウだっているんだぞ!!?
そいつらが本気になりゃ…」
「オサムロウさんならカオスさんが模擬試合をして勝ちましたよ。」
「「!!?」」
「そしてこちらにはそのカオスさんと同じくらい強いウインドラさんと………その二人を同時に倒したクラーケンを屠ったカオスさんの姉のミシガンさんがいるんです。
貴女達なら一々言わなくても見ていましたから分かるでしょうけど言うなればオサムロウさん三人分の戦士がこちらにはいるんです。」
「“サムライ”三人分だと………!?」
「しかもバルツィエが二人も………!?
どうしてそんな奴等が集まって………!?」
「(あれは勝ちって言っていいのかな………。)」
「(私のことについては特に触れないんですね………。
戦力としては彼らの前では誇れるようなことはしてませんから仕方ありませんけど………。)」
「(俺はそこまで強くないぞ………?)」
「(え!?なんかスッゴい持ち上げられちゃったんだけど!?)」
「さあどうするんですか?
分かっているだけでも貴女達はヴェノムによる終末を待つかバルツィエに攻め滅ぼされて消えるかバルツィエを倒した後にボク達にダレイオスを追い出されるかの滅びの三択とボク達に協力して戦って生き残り勝利を掴んで領土分譲の側に回るかの一択です。
どれにするんですか?」
「…そんなの選択とは言えないじゃないか………。」