テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ミーア族の集落ヴァッサー
「こんなん無茶苦茶だろ………。
バルツィエ級三人のアイネフーレにオサムロウ率いるスラートが手を組んで………実質バルツィエ級が四人の軍を作ろうってのかよ………。」
「バルツィエが一人でも厄介だってのに………三人………、
………一つ聞きたいんだけどアイネフーレは坊やと………その四人で五人で全員ってことでいいのかい?」
「そうですよ。
ボク達の仲間はこの五人…………いえ、
実はもう一人独自にダレイオスを調査してもらっている人がいます。」
「…単独で動いてるってことはそいつもアンタ達みたいな能力を持ってるのかい?」
「えぇ、
彼女もボク達と同時期にこの能力を得ましたからね。」
「レイディーのことですね。」
「…そういうこと。
としたらアンタ達には更にもう一人バルツィエ級の手練れが仲間にいるんだね………。」
「絶望的な軍勢に更にもう一人だと!?
そんな連中に威圧されたらそれこそ言いなりになるしかねぇじゃねぇか!?
こんなん無理矢理手下になれって言ってるようなもんだろうが!!」
「手下ではありませんよ。
あくまで同盟です。
共にバルツィエを討つための。
この提案に乗らないのでしたら同盟は同盟部族以外を敵と見なし戦後排除します。」
「………えげつねぇ。
汚ねぇやり方だ………。
こんなのバルツィエと何も変わらねぇぜ………。」
「これって私達ミーアに交渉に来た………にしては随分と物騒なこと言い出すんだね………。
その発言に私達が逆上してアンタ達と敵対することになるかもって思わないのかい?」
「出来るんですか?
貴女達に。」
「!」
「舐めんなよボウズ!
命を救ってくれた恩人とはいえそう簡単に殺られたりは「待ってシーグス。」?」
「…もしボク達の同盟に参加しないと言うのなら………、
貴女達ミーアはこれまでと変わらない………、
それよりかもより絶望的な末路を辿るでしょう。
例えボク達が終戦後何もしなくてもミーア族は滅びます。
確実に。」
「………それはどうして?」
「ヴェノムがいるからですよ。」
「「!」」
「終戦後貴女達ミーア族を追放しなかったとしても戦争に参加しなかった部族とは深い溝が出来ます。
同じ大陸にいるとはいえ何もしてなかった貴女達に勝者の恩恵を受けられるのはどこの部族も不愉快だと思います。
………なので、
国境付近を境に貴女達時代の波に乗り損ねた者達と波に乗ったボク達とで壁を作るんですよ。
その壁の向こう側には時代に乗りきれなかった貴女達とヴェノムを追いやります。」
「はァッ!?」
「何でそんな性格の悪いことを…!!」
「性格が悪いと言われても貴女達にはこれまでの状況と何も変わらないじゃないですか。
むしろクラーケンが倒されただけでも有り難く思って欲しいですね。」
「…もし私達の対処できる限界を超えてヴェノムを放たれたりしたら………。」
「何言ってんだよミネルバ!
こんなの口からでた出任せだぜ!?
どうやってヴェノムを連れてくるってんだよ!?
持ち運びでもしようって「簡単ですよ。」!?」
「貴女達二人にかけた術をボク達の計画に賛同した同盟の協力者皆にかけてもらってヴェノムが効かない体質になったなら魔術でヴェノムを吹き飛ばして移動させるだけです。
ヴェノムに魔術は効きませんが吹き飛ばすくらいは誰でも出来ますからね。」
「アンタ達の術………そんなほいほいと誰彼にでもかけられるってのかい!?」
「ボクは出来ませんがアローネさんとミシガンさん、
そしてカオスさんが揃えば今のところ成功することは分かってますからね。」
「…あの術さえ入手出来れば………。」
「入手したところで孤立するのは変わりませんよ。
同盟以外の部族は正直新たに誕生するダレイオスには邪魔なだけなんで。」
「クソッ!
どうあっても同盟に下るしかねぇじゃねぇかよ!!」
「…貴女達は何が不満なんですか?
どう説明しても同盟に加わった方がいいような気がしますけど………?」
「………私達ミーアはこれまでの敗戦の歴史から学んだの………。
つまらない縄張り争いから始まった九の部族達とのいざこざ……その後のダレイオスとのマテオとのにらみ合い………最後に現れたヴェノム………。
戦いが大きくなればなるほど私達ミーアは深刻な被害を被ってきた。
世界を見渡せば私達ミーア族の住むこの地は戦禍の中心にいるんだよ。」
「スラート達との縄張り争いの時代は海洋資源を欲しがったスラートが必用に攻めてきてよ…。
それをずっと追い返していたら次第に戦いがエスカレートしてったんだ。
戦う道を選んだばっかりに俺達は………、
いつの間にか抜け出せない迷路をさ迷ってた………。」
「選んだと言っても私達が生まれる前からそういう世の中だったしね…。
族長や族長代理がいなくなっていく中でやっと私達は何故戦わないといけないかという疑問が持てた。
………疑問に辿り着けた。」
「この長かったマテオとダレイオスの停戦と国家崩壊によって漸く俺達は争いの道から外れられたんだ………。
今更お前達に手を貸して戦うなんて選択肢を取れるわけが………。」
「甘えないでくださいよ!!」
「「………!!?」」
「戦争は終わってなんていないんですよ!!
昔の縄張り争いの時期から今日まで未だに戦争は続いているんです!!
束の間の平和なんて幻想ですよ!!
貴女達がさっきも気にしていた通りバルツィエがいつ攻めてくるかなんて分からないんですよ!!
それを自分達だけ外野に逃げてボク達にだけ戦わせてどちらかが勝っても負けても自分達に火の粉がかかるのだけは止めてくれだなんて何様ですか!?
しかもボク達が勝った場合は無条件に安息を味わうつもりですか!?
そんなことを誰が許すと思ってるんですか!!」
「誰が許すって………。」
「アンタ達も被害者面なんかしてないで剣を取って戦う意思を見せたらどうなんですか!!
こんな腰の引けた人達を今までダレイオスの覇権を奪い合うライバルだと思っていたなんて恥ですよ!!
こんな人が少し多く死んだ程度で保持に回ろうとする弱小なんかを………!!」
「オイッ!!
言い過ぎだろ!!
お前に俺達ミーアの何が「シーグス!!」!?」
「…私達はこの坊やに何も言えないよ………。
この坊やは………、
アイネフーレは………、
私達よりなんかも酷いことになってるんだから………。」
「………ボクは………、
ミーアなんかみたいにはならない……!!
例え一人になったとしても戦い続ける!!
アイネフーレがボク以外にはいないんだとしても抗い続ける!!
アイネフーレの………ダレイオスの戦士としての誇りはボクの代で絶対に絶やさせたりはしない!!!」