テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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ミーアとの同盟成立

ミーア族の集落ヴァッサー

 

 

 

「………だからタレスは………ダレイオスに来てからずっとイライラしてたんだな………。」

 

「彼の年齢を考えれば当然なのかもしれませんね………。

 マテオに連れてこられてからもダレイオスのことを想っていたようですし例え劣勢でも自国への希望を捨てることはしませんでした。

 子供心と言うのは繊細で壊れやすくもありますが同時に思い込んだら何者にも折られぬような強さもあります。

 ………一時的に手を結んだ敵とはいえ同じダレイオスの民のことを信じていたのでしょう。」

 

「その共命関係にあった他の部族達があのように戦わずして臆病風に吹かれて逃げの一手に走っていては今まで犠牲になった者達も浮かばれないだろうな………。」

 

「私達みたいなこの国の余所者と違ってタレスにとってはこの国の人達は身内みたいなものだよね………。

 その身内の人達が自己保身に走って何もしないだなんてこと許せる訳ないよね。

 同族を失って一人になったタレスですら戦おうとしてるのに。」

 

「それを一方的に悪くは言えませんが国が存続できるかどうかの瀬戸際なのです。

 子供のタレスですら一つ一つ問題を解消してダレイオスを再興しようとしていると言うのに大人の彼等が悪いところにばかり目を向けて不動の理由を重ねていく姿は見るに耐えれるものではありませんよ。」

 

「それだけヴェノムによる被害が深刻だったと言うことだろう。

 彼等も俺達みたいな存在が来ることは予期できなかっただろうしな。

 何せスラートの連中も俺達をバルツィエと勘違いするくらいだ。

 次にこの地を訪れるのはバルツィエによる侵略してくる部隊ぐらいしか予測を立てられなかったと思うし敗戦が濃厚だから国を維持するのを諦めたんだ。

 国家体制崩落後の彼等や彼等以外の部族達の考えとしては俺達みたいな異端な存在と協力してマテオと再び戦うなどと言うことは思うことすら無かっただろう。」

 

「まぁ、

 俺達の計画ってこの国の人達からしてみれば急すぎてついていけないんだろうなぁ………。」

 

「そんなに非現実的なことなのかなぁ………?」

 

「ミシガンはミストで十年過ごしてきたからよく分からんだろうがヴェノムと言うのは全世界でももっとも恐れられているものなんだ。

 百年経った今でもあの存在がどういうものなのか解明されていない。

 細菌のように自然繁殖するものなのかウイルスのように生物の中で繁殖するものなのか………、

 ……ある意味体内に入り込んだら凄まじい勢いで命を磨り減らしていく様子から非常に有害な“毒性物質”であるという学者もいたがそれだけでは服毒者の異常生態変化の理由にはならんためこの発表は間違いと指摘されたがな。」

 

「細菌かウイルス………?

 その違いすら分からないのですか?」

 

「“ヴェノムウイルス”の名称からして曖昧だしな。

 ヴェノムとは毒を持つ生物が他の生物に毒を注入する毒のことを言う。

 それが触れただけで触れたものを異形の化け物へと変貌させ最終的には死に至らしめる。

 そんなのは現存どの毒や細菌、ウイルスを調べてもヴェノムウイルス以外には存在しない。

 弱らせて死に至らしめたり死を巻き散らす毒はあっても異形化だけは説明がつかん。

 学者共もお手上げが百年間続いているんだ。

 故に曖昧な名称が定着したままの状態が維持されている。」

 

「数えきれない程の時を越えても解明しきれないヴェノム………。

 ………こんな時………サタン義兄様か………、

 

 

 

 “グレアム様”がいてくれたら………。」

 

 

 

「グレアム…?」

 

「グレアムってウルゴスの人のこと?」

 

「何者なんだその人は?」

 

「…グレアム様はウルゴスで数多くいらっしゃった生態医学士の方々の中でも非常に優れた才を持ち多くの難病患者が彼の研究によって救われました。

 彼はウルゴスの医学会の権威で彼の腕はウルゴス一とも称される程のお方でした。

 ………そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グレアム様はウルゴス王位継承権第二位の王族出身者でもあります。」

 

 

 

「ウルゴスの王位継承権!?」

 

「そんな身分の方が医術を学んでいたのか………?」

 

「………ってことはカタスさんのお兄さん?」

 

「えぇ、

 そうなりますね。

 ………事務的なお方であのお方とはあまり交流はありませんでしたが姉の治療のために何度かお会いしたりはしました。

 彼は細菌やウイルスだけではなく病気にも詳しい方でしたので。」

 

「…あれ?

 お姉さんって確かサタンさんに診てもらってたんじゃなかったっけ?」

 

「姉が義兄に診ていただいたのはグレアム様の後ですよ。

 グレアム様は姉の看病を続けていくうちに姉の体調もすこぶるよくはなっていきましたが完治とまではいかず不調が再発しました。

 そんな時にグレアム様がサタン義兄様を連れてきたのです。」

 

「なるほど…、

 そこからアルメデスさんとサタンさんのお話に繋がっていくんだね。」

 

「もし………、

 サタン義兄様とグレアム様が私達に合流出来れば………、

 この世界のヴェノムを瞬く間に解析してヴェノムウイルスに苦しむ世界中の人々を救うことが出来ると思うのですが………。」

 

「アローネさんにそこまで言わせる人なんてグレアムって王子様とサタンさんって相当凄い人なんだね………。」

 

「…だが今はいないと言うのならこの時代の俺達だけでヴェノムと向き合うしかない。

 今もたった一人で向き合っているあそこの彼のように俺達で立ち向かっていくしかないんだ。」

 

「そうだね………。

 タレスは………たった一人のアイネフーレの生き残りでそんな境遇にいながら勝つことを諦めていないんだもんね………。」

 

「…これから部族達との交渉ではその彼の境遇と愛国心が何よりの………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 武器となるだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………」」

 

 

 

「…もう結構ですよ。

 貴女達ミーア族に戦う気が無いのは分かりました。

 ボク達も時間に追われる身ですしこれ以上無駄な時間は取れません。

 貴女達ミーア族は黙って穴蔵にでも「待ってくれないかい。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで言われっぱなしだと清々しいくらい身に染みてくるねぇ………。

 一度敗けを認めたらなんだか気が楽になりすぎてそれにずっと甘んじてたよ………。」

 

「ミネルバ………?」

 

「シーグス、

 こんな坊やにここまで言われて悔しくないかい?

 アタシは悔しいよ。」

 

「そりゃこのボウズがここまで言えるのはヴェノムやバルツィエに強く出れる“力”があるからで………。」

 

「その力の一部を私達はもらっちまったんだ。

 この坊や達には及ばない力だろうけどそんなことはどうだっていいだろ?

 そんなことよりもアタシ達はこの時代を生き残れるだけの力さえあればそれで。」

 

「…ヴェノムに怯えなくていいのは助かるが俺達二人だけじゃ「アンタ達!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けたよ!!

 また負けた!!

 坊や達の勝ちだ!!

 アタシ達ミーアはアンタ達に折れることにするよ!!」

 

 

 

「!!

 それじゃ……!?」

 

 

 

「………アタシ達ミーア族もアンタ達に協力するよ!!

 それでいいんだろ!!」

 

 

 

「はっ、はい……!!」

 

「タレスの説得のおかげですね!!」

 

「スラートの二の舞にはならずに済んだか。」

 

「よかったぁ~!

 セレンシーアインの時みたいに皆に信じてもらえなかったらどうしようって思っちゃったよ…!!」

 

 

 

「………ではボク達と一緒にバルツィエと「その前に一つ条件がある。」…? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……アンタ達の私達をヴェノムから守る術………、

 あの術を私達の残りの仲間にもかけてやってくれないかい?

 それで私達は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アンタ達ヴェノム殺しの………、

 

 

 

 ヴェノムスレイヤーの手下になるよ。」

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