テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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討伐済みの主ジャバウォック

スラートの地中都市シャイド 族長邸前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

 

「いやはや大したもんじゃった!

 あの“ジャバウォック”にはワシ等も途方に暮れておったんじゃ!

 いくら術をぶつけようが“新しい武具”を開発しようが全く効かなくてのぅ!

 正直御手上げじゃったんじゃ!

 ソナタ等の上司にはそれはそれは世話になって「ヴェノムの主が倒された!?」」

 

 

 

「レイディーが………ヴェノムの主を………?」

 

「あんな化け物達にどうやって…………!?」

 

 

 

「………それを今から語ってやろうとしてたとこなんじゃが………。」

 

 

 

「スッ、スミマセン………。」

 

 

 

「…全く最近の若いもんは年寄りの話を聞かんからのぅ………。」

 

 

 

「…それで………、

 ジャバウォックと言うのは…………クリティア族の住む地域に生息していたヴェノムの主のことだな?

 …彼女が…………レイディー殿が倒したのか………?」

 

 

 

「左様、

 元々はそこら辺に普通に見掛ける“イエティ”というモンスターでな。

 ワシ等クリティアが住んでおる北方の雪原地方にのみ生息する人型のモンスターじゃった………。

 

 それがヴェノムウイルスに感染しイエティという種から進化して巨大化し暴れまわっておったんじゃ………。」

 

 

 

「進化して巨大化………。」

 

「クラーケンと同じですね………。

 クラーケンは巨大化する前は“オクトスライミー”という別のモンスターだったらしいので………。」

 

 

 

「ジャバウォックの力は無敵じゃった………。

 奴のその長く硬骨な腕から放たれる攻撃は一撃で山をも削る程のものでな。

 ………奴こそがこのダレイオスを徘徊する“九の悪魔”の中で“最強”と呼ぶに相応しい力を持ち合わせておったわ………。」

 

 

 

「…ダレイオス最強………?」

 

「ダレイオス最強のヴェノムの主は………クラーケンじ「聞き捨てならんな。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その話は間違っておるぞ?

 ダレイオス最強の主は間違いなく“ブルータルヴェノム”だ。

 つまらん嘘を吐くなオーレッド。」

 

 

 

「…ソナタこそ何を言うておるのだ?

 ワシ等クリティアの地に現れたジャバウォックこそが最強に決まっておろうが。」

 

 

 

「フンッ!

 そんなただの腕力だけのモンスターが最強だと?

 笑わせてくれる。

 我等スラートはかつてのダレイオスでは最強の部族だったであろうが………。

 そのスラートを窮地に追いやるブルータルこそが最強の悪魔だ。

 何が“山をも削る”だ。

 ブルータルだったら突進で“山を破壊”をしてみせたわ。」

 

「おぅおぅ、

 最強と唱われたスラートの意地かな?

 自分等のプライドを保つために自分等の敵であったモンスターを過剰に持ち上げようとするのは何とも見ていて滑稽じゃぞい?」

 

「事実を言ったまでだ。

 ブルータルには怪力だけでなく雷を操る力も持っていた。

 奴の雷撃を受けて助かる生物などいない。

 それこそジャバウォックですらブルータルの相手にはならんかっただろう。」

 

「アホぬかせィ、

 何が山を破壊して見せたじゃ。

 先ずこの辺りにそんな山がどこにあると言うんじゃ?

 そんな山があればこの辺り近辺はたちまち岩の雪崩で埋もれておるじゃろうに。」

 

「誰がこの辺りの山だと言った?

 ブルータルは貴様が知らぬ山を打ち砕いたのだ。」

 

「ほほう!

 それはどこの山かの?」

 

「……貴様の知らぬ山だ。

 貴様が知らぬ山のことを教えるだけ無駄だろう。

 その山はもう粉々になってしまったのだからな。」

 

「なんじゃ見えっ張りめが。

 やはりそのような山などなかったんじゃろうが。」

 

「あったと申しておるだろうが!!」

 

「そんな山は無い!!」

 

「ある!!」

 

「無い!!」

 

「あるッ!!」

 

「無いッッッ!!!」

 

「あるぅぅぅぅッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何でこの人達はケンカをしてるんだ?」

 

「内容もまるで子供のケンカですね………。」

 

「これがそれぞれが部族を治める族長なんですか………。」

 

「言い争い方は幼稚だが………ミーア族はクラーケンこそがヴェノムの主でもっとも強いと言っていたぞ?

 どうなってるんだ?」

 

「そうだよね………。

 私もブルータルよりもクラーケンの方が手強かった気がするし……。」

 

 

 

「ぐぬ…!?」

 

「ほれ見ろ。

 実際に戦って倒した者等が言うておるぞ?

 ブルータルとジャバウォックのどちらが強かったかは判断がつかんが少なくともブルータルよりも上の主がおるようじゃぞ?

 

 ほれ?

 何か申し開きをしてみよ。

 嘘ついて御免なさいもう金輪際クリティアに逆らうようなことは言いませんと謝れ。」

 

「何故に貴様に謝る必要があるのだ!?

 それにブルータルがクラーケンに劣るのが事実だったとしてジャバウォックがブルータルに優る理由にはならんだろうが!?

 実はクラーケンにもブルータルにも劣る最弱の主だったと言うことも有りうるぞ!?」

 

「そうじゃな、

 そういう見方も出来るだろうがこの場にはそれを確かめる術はない。

 

 ………あるのは“ブルータルがクラーケンに劣る雑魚”だったという証人の存在だけじゃしな。」

 

「己………言わせておけば………!!」

 

 

 

「少し頭を冷やして貰えないだろうか?

 俺達はクラーケン討伐とミーア族の協力に漕ぎ着けたことを報告しにきたんだが?」

 

 

 

「…そうであったな。

 見苦しい姿を曝した……。」

 

「ファルバン……、

 やはりこのジジィを消してしまった方が良いのではないだろうか?」

 

「そう急くな、

 単なる戯れで殺生する程余の器は小さくはない。」

 

 

 

「さて………、

 では褒美を渡すとするかの。」

 

 

 

「…それも突然すぎて分からないんだが何故俺達に褒美を渡すんだ?

 ジャバウォックを倒したのはレイディー殿なんだろう?」

 

 

 

「なぁに簡単なことじゃ。

 ソナタ等はこれからダレイオスを立て直すのじゃろ?

 であるなら早めにその功労者とのパイプを作っておくのも悪くないと考えたからじゃ。

 言わば“賄賂”見たいなものじゃのぅ。」

 

 

 

「賄賂………(汗)」

 

「どうどうと他の部族の前で賄賂を渡す宣言なんてしていいんですか?

 クリティアがそんなことをすれば他のミーア族も同じことをやりかねないんですけど…。」

 

「別に賄賂が欲しくてダレイオスを復興させようとしてるんじゃないぞ俺達は。

 俺達は俺達の目的のために動いているのであって「そう気にしなさんなこの賄賂は言うなれば先行投資じゃ。」」

 

「ソナタ等はダレイオスの民等を利用してバルツィエと張り合うおうとしておるのじゃろ?

 ワシ等もソナタ等を利用しようとしておるだけのことじゃ。」

 

「…俺達に一体何をさせようと言うんだ?

 賄賂を渡すからには何か俺達に望むことがあるんだろ?」

 

「レイズデッド………は違いますよね……。

 クリティア族には私達がレイズデッドを習得した際には近くにはおりませんでしたし………。」

 

 

 

「そのレイズデッドとか言う術については後で見せてはくれんか?

 出来ればワシにもかけてみてほしいんじゃが……。」

 

 

 

「…構いませんが………。」

 

 

 

「長老さん………、

 俺達に何をして欲しいんですか?」

 

 

 

「フォッフォッフォッ、

 簡単なことじゃ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血液を少し抜かせてはくれんだろうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「………」」」」

 

 

 

「どこかでお聞きしたお願いですね………。」

 

「性格も似ていれば要求も同じなんですね………。

 学者と言うのはこういうものなんでしょうか…?」

 

「………血が欲しいんですか?」

 

 

 

「そうじゃ、

 血が欲しいと言っても切り裂いて採るわけではないぞ?

 採血にはこの注射器で採らせてもらえれば良いんじゃ。

 血を調べられればどういったメカニズムでソナタ等がその力を得られたのかが分かるやもしれん。

 ソナタ等はダレイオスの者達皆をヴェノムによる死の脅威を取り除こうとしておるとレイディー嬢が言うておった。

 ワシ等にその血液を提供してくれるならあんなバルツィエが作った“デタラメな毒薬”なんぞよりも安全で人体にも優しいとっても素晴らしい薬を作成して見せるぞ。」

 

 

 

「デタラメな毒薬………?

 ……ワクチンのことを言ってるんですか?」

 

「長老………、

 毒薬とはどういう意味ですか………?

 あのワクチンは………毒性があるのですか?」

 

 

 

「レイディー嬢が持ち寄せたワクチンをワシ等で解析してみたんじゃ。

 レイディー嬢もバルツィエ産ということで効能からして何か怪しい成分が含まれているのではないかと危ぶんでいたしの。

 …そしたらレイディー嬢の想像通りじゃったわい。

 ………あのワクチンには凄まじい毒が含まれておった。

 それはそれはよくあんなものを薬と呼んでいたと驚くような成分が検出されたわ。」

 

 

 

「…どんな物が検出されたんですか?

 毒と言うからには致死性が………?」

 

 

 

「………単純な毒であったらあれを服用して死ぬだけじゃったんじゃが………、

 …あのワクチンに含まれておったのはな………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “ツグルフルフ”という植物の成分じゃ。

 “ツグル”と呼ばれるどんな環境の地域でも根を張り成長出来る植物があっての。

 その成分を採取して服用すると新陳代謝や魔力増強といった効果があって強壮剤の材料として昔は使われておったんじゃ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………じゃがツグルにはマナの質を向上させる強壮剤としての効果がある反面、服用した者の人格に多大な悪影響を及ぼす………。

 これを服用してから暫く時間が経つと服用者はそれまでとはうって変わったような行動の違いが表に出てくるんじゃ。

 

 それまでは絶対にその者がしないようなことをするようになったり逆にそれまでよくしていたことをしなくなったりと趣向性がおかしくなる。

 悪化すると突然気が強くなったかのように暴れだしたり何かに怯えたりするなど情緒不安定な状態になったりが続く。

 

 ………そして最終的には………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …脳細胞が破壊され何の反応もしなくなり意識があるだけの虚な生きた屍が完成する………。

 

 ………ツグルとはそういう危険な“麻薬”だったんじゃ………。」

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