テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネと共に旅をしている。

 盗賊の襲撃を受けた二人は逆に盗賊を退治しに赴くことにした。

 しかし盗賊のボス、サハーンは想像以上に強く苦戦を強いられるのだった。


盗賊団壊滅

盗賊団ダークディスタンス アジト

 

 

 

「今後の私達の課題は連携戦です。同じフィールドにいるのに個人で戦っていては二人の利点に繋がりません。私達はまだお互いの動きの癖を把握できていないことがこれからポイントになってくるでしょう。」

 

「分かった。次に戦うときはアローネをよく見て戦うようにするよ。」

 

「お願いしますね。貴方のそういう反感せずに素直に受け止められるところはいい長所です。この分ではすぐに連携もこなせるようになると思います。」

 

「僕は完璧じゃないからね。正しいこと間違ってることを理解して身に付けることが僕に必要なんだ。」

 

「……本当は二日続けて険相な空気にするつもりはなかったんですけど。」

 

「仕方ないよ。足りてないことがまだまだ多いんだ。僕も性格的にアローネと相性がいいと思ってたけど実はアローネに甘えて自分を通してたことを確認できたんだ。至らないところがあったらどんどん言い合って行こう。アローネも僕に悪いところがあったらズバッと言っちゃっていいから!」

 

「それはカオスもですよ。遠慮なさらずにいきましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お勉強会は済んだか?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

 この声はサハーン!?

 

 そこに………いない!?起きたのか!

 

 何処に?

 

 

「油断しちまったぜ。こんな素人どもの即席コンビにやられるなんざ俺も無能になったもんだな。」

 

 少し離れた位置の窓からサハーンが話しかけてくる。

 

「サハーン!」

 

「だかまぁいい線いってたと思うぜ?その女が前衛もできるとは予測出来なかった俺の落ち度を踏まえても。次はもっと強くなってこいよ。」

 

「それはどうも。だがお前に次はないぞ。ここで他の盗賊達と一緒に捕まるんだからな。」

 

「あの状況で俺を殺さなかったお前らにはもう俺を捕らえることは出来ねぇよ。俺から奪った装備はくれといてやる。」

 

「後ろ手に縛られながらなに言ってるんだ。それじゃあ戦えないだろ!」

 

「盗賊ってのはな、盗むこと、気配を消すこと、殺すこと、そして何よりも逃げ足がねぇと務まらねぇんだ。足を縛るか潰しておけば逃げられずに済んだのにな。教訓にしとけ。」

 

 

 

 それを言うのと同時にサハーンは窓を突き破り外へ飛びでて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ファイヤーボール・追連!!」

 

 

 

 

 後ろ手にファイヤーボールの火球を六つ屋敷に放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

 

「なっ、アイツ!あんなにファイヤーボールを!?」

 

 

 

「カオス!それどころではありません!屋敷が燃えています。消しにいかないと!」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アクアエッジ!!」

 

 

 

 僕とアローネは外にでて火のもとへと向かい鎮火しようとする。

 

 

 

 だが火の手はなかなか消えてはくれない。

 

 

 

 それどころかここ以外の五ヶ所の火が激しさをまして屋敷を焼き尽くしていく。

 

 

 

 サハーンは何がしたかったんだ!?

 

 

 

 このままではアイツの気絶した部下達が…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アッチィィィ!!何事だ!?」

 

 

 

「バーラ!アジトが!アジトが燃えてる!?」

 

 

 

「……!?」

 

 

 

 入り口から少し離れた陰から道案内させた盗賊達の声が聞こえる。

 

 

 

「貴殿方!無事だった……キャァァァァ!!?何て格好してるんですか!?変態!!」

 

 

 

「ハァァァァァ!!?誰が変態だ!!バーラ様だって言っただろうがぁぁぁ!!」

 

 

 

「どうしてそのような格好をしているのですか!?」

 

 

 

「お前の相方に縛り上げられたまま服を剥ぎ取られたンだよぉ!!」

 

 

 

「そういえばそうだった!」

 

 

 

「カオス!?どうしてそのようなことを!?」

 

 

 

「そんなことはどうでもいい!今は火を消すのを早くしないと!魔神剣!!」

 

 

 

「は、はい!アクアエッジ!」

 

 

 

「お、お前ら!これやったのお前らなのか!?」

 

 

 

「残念ながらこれをやったのはお前達のボスサハーンだよ!」

 

 

 

「ボスが!…何で自分の城にこんなことを!?」

 

 

 

「そんなの知らないけど、捕まるくらいなら捨てるとかそう思ったんじゃない!」

 

 

 

「貴殿方!アクアエッジは使えますか!?私一人では火の廻りに追い付きません!協力してください!」

 

 

 

「わ、分かった!じゃあ、コイツ外してくれ!このままじゃ撃ちにくい。」

 

 

 

「これでいいか!」

 

 

 

 盗賊達三人を纏めていた鎌を外す。

 

 

 

 そして、

 

 

 

「オラァッ!!」ドゴォッ!!

 

 

 

「ウアッ!!」

 

 

 

「カオス!?貴殿方何を!?」

 

 

 

「ヘヘッ!!どうせこのあと俺達ぶちこむ予定なんだろ!?ならこの隙に逃げるんだよ!」

 

 

 

「こんな簡単な手に引っ掛かるなんざお人好し通り越してバカだな!!ハハハッ!!」

 

 

 

「待ってください!!この屋敷の中にはまだ貴殿方のお仲間が残っているのですよ!?」

 

 

 

「そんなの知るかよ!逃げられねぇ奴等が悪いんだろ!じゃあな!!」

 

 

 

「そんな…お仲間を見捨てて…?」

 

 

 

「痛てて、……アローネ、今は出来ることをやろう!このままだと盗賊達が!」

 

 

 

「………はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ダメだったか。」

 

 結局屋敷は全焼し中にいた盗賊達は皆………。

 

 サハーンと案内役の盗賊達にも逃げられ後味の悪い事件になった。

 

「あの時サハーンを止められてれば……。」

 

「カオス………恐らく……それは無理だった…でしょう。」

 

「無理だった?」

 

 アローネは魔術の使いすぎで疲労している。

 

 安全なところで休ませてあげないと。

 

「サハーンが……屋敷に放ったファイヤーボール……。サハーンはまだ……力を隠していたんだと……。」

 

「縛られながらもまだ僕たちより上なのか。」

 

 サハーン、

 

 強いだけじゃなく残虐非道で自分のためなら仲間も犠牲にする男。

 

「……戦利品はこれだけか。」

 

 サハーンから回収したエルブンシンボルと盗賊達の三万ガルド。

 

 これを手にするだけでこの屋敷と盗賊達が灰になった。

 

 悪人でも目の前で死なれるのはキツいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 視界の端で何かが音をたてた。

 

 そちらを見ると盗賊達と一緒にしていたタレスが膝をついて焼けた屋敷を見ていた。

 

「……」

 

 言葉は話せないがその様子からは絶望が伝わってくる。

 

「貴方、タレスって……言いましたね。どうなさったのですか。」

 

「……」

 

 返事はない。

 

 喋れないのだから当然だ。

 

「アローネ、ここも敵がいないとはいえ危ない。一旦離れよう。」

 

「そうですね…。タレス……歩けますか?」 

 

「……」

 

 返事はないが一応はついてこれるみたいだ。

 

「それじゃあ行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムスト平原

 

 

 

「「「……」」」

 

 何とか森からは抜けたが今回は失敗続きで空気が重い。

 

 アローネに指摘されてサハーンを倒すまでは良かった。

 

 そこで今後のことを話している最中にサハーンを見失い気付けば他の盗賊団をまるごと消されていた。

 

 アイツは、アイツだけは許しちゃいけない。

 

 悪人とはいえアイツは仲間を捨て駒にして逃げた最低野郎だ。

 

 次にあったときは容赦はしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タレス、少しお話いいですか?」

 

 無言で歩いているとアローネがタレスに話しかける。

 

「……」

 

 タレスは話しかけられてアローネを見るが顔は暗い表情のままだ。

 

「タレスは先の盗賊団……ブラックディスタンスに捕らわれていた訳ですがブラックディスタンスは壊滅し貴方は解放されたようです。よろしければ貴方をもといたところへお連れしますがどうでしょうか。」

 

「……」

 

 タレスは暗い表情でそれを聞いていたがやがて懐から手帳を取り出して文字を書き始める。

 

【ぼくはダレイオスからつれさられてマテオにきました。おとうさんおかあさんはもういません。ぼくにはかえるところはありません。】

 

 タレスは手帳に書いた文章を見せてくる。

 

 どうやら帰る宛先がないらしい。

 

「盗賊団に捕まる前はどこかの領主のもとにいたんじゃないの?」

 

【そこはもうヴェノムによってつぶれました。つぶれてなかったとしてもながいじかんもたってぼくのかわりがいることでしょう。まじゅつがつかえないぼくではもうどこにもいばしょはない。】

 

「……」

 

 この顔は………幼いときの自分に重なる。

 

 回りと比べて劣等感を感じて塞ぎ混んでいた時期の僕に。

 

 あのときはおじいちゃんやウインドラがいたから立ち直れた。

 

 けどこの目の前のタレスにはそんなものはいない。

 

 もとよりダレイオス出身となるとこの国には味方などいないのは当然だ。

 

 見た目や能力はこの国とも変わらない。

 

 それなのに出身だけで差別される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、僕達と一緒に行かない?」

 

 

 

 

 

「…!」

 

「……」

 

「僕達は今旅しているんだけどよかったら来ない?二人旅だからいろいろと危なっかしくて仲間が欲しいんだ。」

 

「…!」

 

 タレスがまた手帳に文字を書きなぐっている。

 

【どうしてぼくを?ぼくはおふたりをさくばんおそったばかりですよ?ぼくにはなんのりようかちもないんですよ?】

 

「利用価値とか襲ったとか関係ないよ。僕は君が僕達に必要だと思ったから誘っているんだ。」

 

「カオスならそう言ってくれると思ってました。」

 

「……」

 

【ぼくはこえもだせないしまじゅつもつかえない。おかねももっていない。それでもいいんですか? 】

 

「僕達は君が、タレスがいいんだ。タレスは僕達と同じだから。」

 

「…?」

 

【おなじ?ぼくはあなたたちとおなじなんですか?】

 

「そういえば名前を言ってなかったね。僕はカオス。」

 

「私はアローネです。タレス私達はただ旅をしている訳ではないのです。私は故郷を探しているんです。」

 

「僕は……僕の持つ力をあの村に返したい。その方法を探しているんだ。」

 

「?」

 

「カオス、貴方はその力をミストにお返しになるのですか?」

 

「アローネにはまだ言ってなかったね。この力は最初から僕のものじゃない。借り物なんだ。だから返したい。あの村に留まってても力を戻すことは出来ないし、この力が他に前例があるなら知りたい。」

 

「ですが村には騎士団がいるのでもう必要ないのでは?」

 

「あの村の人達はもともと国に縛られることを嫌ってあそこにいるんだ。今騎士団があそこにいるのは僕のせいだ。殺生石さえ復活すれば騎士団は必要なくなる。あの村を元に戻したい。」

 

「カオスは騎士を追い出したいとそう言ってるんですね?」

 

「……騎士は好きだよ?それは昔から変わらない。けどそれを村の人たちに押し付ける気はない。村の人達が騎士が嫌なら僕は殺生石をなんとしても復活させないと!」

 

「カオス…。」

 

「そんな訳でホームレスの旅なんだ。タレスも加わってくれると有り難いよ。」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!」

 

 

 

「!?どうして泣くんですか!?」

 

「…!」

 

【わからないです。わからないけどなみだが】

 

「そっか。けどその涙は悲しい訳じゃないんだろ?」

 

「…」

 

【はい。】

 

「ならこのまま好きなだけ流そう!最近僕もその体験したから分かるよ!」

 

「あの時のですか!?おかえりなさいで泣いたときですよね!?」

 

「アローネ慌てすぎだよ。そんな大袈裟なことじゃないから。」

 

「…」

 

 僕達が話してたらタレスが何かを書き出した。

 

 それには

 

【これからよろしくおねがいします。】

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