テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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クリティア族族長オーレッドとの取り引き

スラートの地中都市シャイド 族長邸前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴッホン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!」」」」」

 

 

 

「……ソナタ等よ。

 いつまでこのジジィと話をしておるのだ?

 人の家の前で長話をされると迷惑だぞ。」

 

 

 

「ご、ごめんなさい………。」

 

 

 

「ソナタ等に申しておるのではないぞ?

 余はそこの嘘つきで話の長いジジィに言っておるのだ。」

 

「嘘つきは貴様も同じじゃろうが!」

 

 

 

「またケンカし始めそうですね………。

 改めてまたここへ来た方がよいのでしょうか………?」

 

 

 

「!

 コラッ、ファルバン!

 お前の相手をしてる場合じゃないんじゃ!

 少しほったらかしにしたくらいで絡んでくるんじゃない!

 !

 今大事な話をしておったんじゃからな!!

 

 

 

 ソナタ等!!

 待っとくれ!!

 褒美じゃ!!

 ソナタ等に贈り物があるんじゃ!!

 それを受け取ってくれィッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都セレンシーアイン 闘技場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フム………、

 ここでならこれらを渡すのに相応しきかな………。」

 

 

 

「どうしてそこまでしておじいちゃん私達にその御褒美とか言うの渡そうとするんだろう………?」

 

 

 

「いただくものはいただいたんじゃ。

 血を貰ったからにはワシもソナタ等に何か渡さんといかんじゃろ。

 スッカリ話に夢中で忘れてたわい。」

 

 

 

「忘れるくらいのことなら別にそんな無理して渡すほどのものでは無いのではないか?」

 

 

 

「…そんな訳にはいかぬよ………。

 アイネフーレ、スラート、ミーアと続いて四番目になったワシ等クリティア………。

 九の部族統合を目指す上で四番目と言うのは後々の“発言権”にも携わる遅れじゃ………。

 ソナタ等がアイネフーレの里の東から来てスラートの街に辿り着きミーア族の集落まで真っ直ぐに突っ切ってしまったのがなんとも悔しいところじゃな。

 アイネフーレから始まったのは仕方ないとしスラートのいる中央ではなく西のクリティアの村に来てほしかったぞい。

 そうなっていたらクリティアはスラートのように理解に遅れて今頃腰を上げるようなこともなくいち早くソナタ等と計画を推し進めていたじゃろうな。」

 

 

 

「って言われても俺達はここに来るまでどの街の人にも会わなかったですしクリティアの………?

 ………村に………。」

 

「………!

 ダレイオスの方達は今ヴェノムの主に遭遇しないように何処かへ隠れて暮らしているのですよね?

 …長老はレイディーとどのように邂逅なさったのですか?」

 

 

 

「あぁ、

 そういう話になっておったな。

 ワシ等の村ではマナを関知されにくくする魔封じの鉱石を村を囲む塀に仕込んでおるのじゃ。

 あの鉱石があれが例え目の前にヴェノムがおってもワシ等の存在に気付かん。

 ………ジャバウォック程の塀よりも高いヴェノムには絶対安全とは言い切れんがの。

 丁度ソナタの………着けておるマテオの手錠と同じものじゃ。」

 

 

 

「これと……?」

 

 

 

「…見たところその手錠は完璧に作用しておらぬのではないか?

 マナが留めきれずに溢れだしているように感じるが………。」

 

 

 

「それは………。」

 

「カオスさんのことについてはこれはこれでちゃんとさようしているので大丈夫なんですよ。」

 

 

 

「そうなのか?

 不良品の道具なぞ使っておるとどこかで足下を掬われかねんぞ?

 ワシ等クリティアの力に頼ってくれたらそんなものよりもっと良いものを作れるぞ?

 マジックアイテムの製造においてはクリティアの技術力はダレイオス一じゃ。

 

 ソナタ等に渡す物もクリティアの技術を詰め込んだ正に結晶と言っても良いものじゃ。

 今世に出回っておる“エルブンシンボル”なぞよりも潜在能力を引き出しやすくするアイテムでな。

 これがその………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “アオスブルフ”じゃ。」

 

 

 

「アオス………ブルフ?」

 

 

 

「このアイテムはエルブンシンボル以上にマナを魔力に還元する効率を高めるものじゃ。

 これを装備すればマナが少ないものでも普通のエルフのように魔術を使えるようにもなるし魔技や武身技も扱うことが出来る。

 マナが平均的なものに装備させればそれこそバルツィエと魔力の火力の差を埋めることも出来る画期的アイテムじゃ。」

 

 

 

「バルツィエとの差を埋めるですって!?」

 

「そんなものがあれば………バルツィエとも互角の勝負が出来るな。」

 

「………よくそんなものを作り出すことが出来ましたね………。」

 

 

 

「実用化出来るレベルに達したのは最近じゃがの。

 それまではエルブンシンボルと同等かそれ以下の能力しか無かったんで普及はしておらん。

 クリティアだけの秘密アイテムじゃ。」

 

 

 

「どうしてそれを俺達に………?」

 

 

 

「これぐらいのもんを渡さねばスラートとミーアへの遅れを取り戻せんじゃろ?

 最後に物を言うのは人の力よりも“道具の性能”じゃ。

 道具なら作ってしまえば容易に強さが身に付くし失ってもまた作れる。

 人のように壊れてしまったら替えが利かないようなこともない。

 ソナタ等のような強者に使ってもらえれば道具も本望じゃろうて。」

 

 

 

「…貴重な道具が貰えるのは嬉しいですけど………、

 ボク達が装備してもあまり効能が発揮されないんですよ。

 今までエルブンシンボルは装備していましたが特に役立ったようなことも………。」

 

「魔力の出力は装備時と非装備時で性能がほぼ同じなのです………。」

 

 

 

「ほほう!

 ソナタ等は真に興味深いな!

 

 それじゃったら武具に装着するんじゃ。

 このアオスブルフは人だけでなく武具への魔力伝導効率を上昇させる効果も備えておる。

 エルブンシンボルとは訳が違うぞ。」

 

 

 

「武器にも効果があるんですか!?」

 

 

 

「エルブンシンボルより能力が高いだけではあまり面白味にかけると思わんか?

 ワシ等クリティアはこのアオスブルフをエルブンシンボルの完全上位互換品を目標に製造したんじゃ。

 これが普及されていけばやがてエルブンシンボルなんぞダレイオス中で劣化品として廃棄にまで追いやるつもりで完成させた自信作じゃ。

 このアオスブルフをソナタ等が使用してダレイオスを統合しヴェノムの主とバルツィエに勝利すればクリティアはソナタ等の次にダレイオスでの地位を物にすることが出来る。

 ワシ等はそれが狙いなんじゃ。」

 

 

 

「………なるほど、

 そう言うことか。

 俺達にこれを使わせるだけでクリティアは戦わずして新生ダレイオスでの高位を獲得できる。

 案外クリティアとはズル賢い部族なんだな。」

 

「その上私達の功績がそのままクリティアの功績ともとれますからね。

 何もしていないとは言い難い訳ですか………。」

 

 

 

「ワシ等は元々戦闘はそんなに好かん。

 クリティアは皆が大の研究好きな種でな。

 向かってくれば迎撃はするがそうでなければ争ったりせん。

 正当防衛と言うやつじゃな。」

 

 

 

「その割りには昔からクリティアは攻撃系のアイテムを作ってはアイネフーレやスラートとやりあってたと思いますが………。」

 

 

 

「……アイネフーレの少年か………。

 ワシ等も開発したアイテムを試しに使ってみなければ性能が測れないからのぅ。

 アイネフーレとスラートは部族達の中でも程よい力を持っておったんでアイテムの性能テストには持ってこいだったんじゃよ。」

 

 

 

「そんな理由で境界線を越えてこられたんじゃ納得がいかないのですが………。」

 

 

 

「過ぎし日のことをいつまでもグチグチ言うんじゃない。

 元よりアイネフーレにも非が無いとは言わせんぞ?

 アイネフーレは我等が地に何度も無断で足を踏み入れたこともあるんじゃからな。

 このことは互いに痛み分けにして無かったことで引こうぞ。」

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ではアオスブルフが正常に機能しておるかソナタ等の武具に装着して試しておくれ。

 機能しておらんかったらワシがこの場で調整してやろう。」

 

 

 

「「「「………」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スチャッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………どうじゃ?

 武器に魔力を流しやすく「あの……。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………実は………私は武器になるようなものを所持していないのですが………。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「アローネは………ここに来るまでずっと魔技と魔術だけで戦ってきましたし……成り行きで戦ってたんですけどアローネは本当なら戦うような身分の人じゃないんです。」

 

「武器など持たなくても後衛についてくれればやっていけてたしな。

 アローネ=リムは今のままで十分だ。」

 

「戦力の増強は何かあった時のためにしておきたいですけどボク達の能力を考えれば武器や道具に頼るよりも後ろでボク達に魔術で援護してくれる仲間が欲しいですね。」

 

「……アローネさんだけ仲間外れにするのはなんか嫌だしこのアオスブルフっていうアイテム………、

 

 やっぱり入らないや。

 返すよおじいさん。」スゥ…

 

「そうだね。

 俺も必要ないや。」スゥ…

 

「クリティアの協力に漕ぎ着けてあるならこれ以上のものはいらないな。

 俺も返却させてもらおう。」スゥ…

 

「………」スゥ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォッフォッフォッ………。」

 

 

 

「?」

 

 

 

「ソナタ等のことはレイディー嬢から聞き及んでいると言ったじゃろ?

 ソナタ等がエルブンシンボルを必要としない体質なことも助手の一人に武器を持たぬものがおることも承知しておるぞ。

 そしてそれを理由に断られることも予見しておったわ。

 ………では………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これを受け取ってくれんかの?」

 

 

 

「………!

 これは………?」

 

 

 

「分からんか?

 見てくれ通りじゃと思うんじゃが………。」

 

 

 

「いえ………、

 これが何なのかは分かりますが………何故これを………?」

 

 

 

「これはのぅ………。

 ワシ等クリティアのような寒い地方の者には必需品なんじゃ。

 これを着ければどんなに寒い場所でも着衣した者のマナを感じ取って暖かくなる優れものじゃ………。」

 

 

 

「ハァ………?」

 

 

 

「ソナタは風系統が得意なんじゃろ?

 じゃったら暑い時には腕に巻けばよいし重さを感じる程の重量もない。

 

 武器を持たなかったのは扱いなれておらん武器を持てば敵に接近された際にかえって危険が増す恐れがある。

 そういう危険を考慮してのことなんじゃろ?」

 

 

 

「…まぁ概ねはそうですが………。」

 

 

 

「これはな。

 そんなソナタだからこそ渡すんじゃ。

 これにはマナを通しやすくするための術式が付与されておる上にアオスブルフも既に装着してある。

 防具としての性能も高くそんじょそこらの刃物なんぞに切り裂かれる心配もない。

 衣類なのに切り裂かれる心配が無い理由は普段は何気ない普通の衣類じゃがマナを通わせることによって硬度を調節でき鎧のように硬くすることができるからじゃ。

 上手く使いこなせればしなる鉄の鞭のようにもなり武器としての能力と防具としての能力と単純な衣類としての機能を併せ持つ一つで三回美味しいお得品じゃ。

 他にも飛来してくる敵の魔術を弾き返す“ペインリフレクト”のスキルも備わっておる便利なアイテムでもある。

 

 

 

 気品溢れる助手のお嬢さん、

 ソナタにはこの………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “羽衣”を進呈しよう。」

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