テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都セレンシーアイン 闘技場
「どうじゃ?
こんな優れものなら欲しいと思わんか?
お嬢さんの話を聞いてワシ等は大急ぎでこれを受け取ってもらえる作戦を考えたんじゃ。
武器を持たぬものにとっては手に馴染まないものは渡しても邪魔にしかならんがこの羽衣ならストールとして首に巻いたりも出来るしモンスターに襲われたときも急所をガードしてくれる。
マナを流し込めば手足のように動かすことも出来るので感覚的には“第三の腕”として見てもらえれば良いじゃろ。
自在に動かせるおかげで咄嗟に敵の攻撃が来た時もこの羽衣が防いでくれる。
武器としてよりも防具に近い感じじゃが防具と言うには重量も重くなく普通の衣類として纏える。
これだけ聞けば誰もが欲しいと思わざるをえん逸品じゃ。
武器なのに手が塞がることもなくむしろもっと物を持てるようになって便利と言う言葉が絶えん。
お嬢さん………、
貴女にだけじゃ。
貴女にだけしかこれが用意できんかった。
世界でたった一つ。
お嬢さんのことだけを考えて試行錯誤した上に完成させた品なんじゃ。
どうかこれを受け取ってほしい。
今ならなんと破格の「ダレイオスのお金ならありませんよ?」………、
…すまんのぅ、
つい昔からの癖で金の話に流れてしまった。
今のダレイオスでは賃金は無価値じゃから渡されても困る。
じゃからただで渡そう!
無料じゃ!
無料でこのアイテム羽衣を贈呈しよう!!」
「…余程私にそれを受け取ってほしいようですね………。」
「さっきの話で俺達に武具を使わせたいみたいだったしね。」
「そうさせることで俺達の計画が成就した際にはダレイオスを陰から復興させた“スポンサー”としての立場になれるからな。
スポンサーと言うからには新生ダレイオスでもかなりの発言力を持つことが出来る…。
狡いやり方だな………。」
「悪い方法とは言わせんぞ?
戦いになれば研究しかしてこなかった技術畑のワシ等は役には立てん。
役に立てないなら立てないで役に立てる方法を考えた上でそうした立場に狙いをつけただけじゃ。
ダレイオス崩壊前からワシ等はこういう立ち位置じゃったし今更戦いに参加しろなどと言われても精々盾としてしか使い物にならんじゃろ。
ワシ等はワシ等に出来る戦い方を考慮した結果こういう戦い方になったんじゃ。
何もせんよりかは何万倍もマシじゃろ?」
「確かにこういう武器や防具の製造は大事だとは思いますが………。」
「頼む!
アオスブルフとこの羽衣を受け取ってくれ!!
これを受け取ってもらえなければこれを作るのに手伝わせた皆にワシがドやされるんじゃ!
ワシがドやされんためにもソナタ等にはこれを受け取ってもらうしかないんじゃ!
これを受け取ってもらわんことにはワシは村に帰れん!!
人助けだと思ってこれらを受け取ってくれ!!」
「よっぽど私達にこれを使ってほしいんだね………。
………どうする?
アローネさん………。」
「………」
「ワシ等クリティアがダレイオスの復興で役に立つとしたらこんな武器の開発くらいなんじゃ!
ワシ等だってダレイオスには復興してほしいと思っておるしなんなら今後ともこうした武具を開発出来たら他の部族達にも分け与えるつもりじゃ!
他にもワシ等に出来ることであったなら何でもする!
ワシ等に出来る範囲でのことなら何でもじゃ!!
じゃからこれらの武具を……!!」
「………………、
………一つ私の話を聞いて下さいますか?」
……………………………………………………………………
「………ほほう?
ソナタの立ち振舞い………、
どことなく他の者等と違って見えたがそのウルゴスとかいう太古の国の上層であったのか………。」
「はい………、
私の国の人達は今もまだどこかで眠り続けているのです。
私はその同胞達を救いだしたい。
貴方方クリティアには武器を製造できるだけの高い技術があるのなら土を掘り起こす道具なども製造出来るのではないですか?」
「…可能じゃな。
つまりワシ等には武器製造の他にダレイオスがマテオに勝利した暁にはその者等を捜す道具を作れと?」
「お願いできるのでしたらお願いしたいのですが………。」
「…そういうことじゃったら手を貸さんこともないのぅ。
そのソナタの義兄とやらにワシも興味が沸いた。
………宜しい。
慎んでお受けしよう。」
「!
有り難うございます!!」
「良かったねアローネ。
土を掘り返しやすい道具を作ってもらえるならウルゴスの人達もぐんと見付けやすくなるよ。」
「人手が欲しいと言う話はしていたが道具のことはずっと考えていたのか?」
「えぇ、
土を掘るのでしたら人力よりもダンダルクの機械のような道具を用いられればと思いまして………。
その点に関してましてはクリティアの方達は原理は違えどもそういった物をお作りになるのが得意そうでしたので。」
「………そのダンダルクとかいうお嬢さんの国と敵対していた国の機械技術と言うものも見てみたいのぅ………。
ダンダルクの者はお嬢さんの国のように生き長らえる術は当時持ち合わせておらなんだ?」
「残念ながらアブソリュートは魔術を扱う私達エルフの領域のようですし数千数億の時を越えるとなるとヒューマにその技術があるとは思えません………。
ヒューマは………アインスの時代と共に滅び去ったとしか………。」
「そうか………、
機械とやらを見てみたかったんじゃがのぅ………。」
「…長老はよく私の話を信じて聞いてくださいますね………。
この時代の方にとっては私の話は戯言のように思われたりして話すのを躊躇う程なのですけど………。」
「これでも長老を自称するくらいじゃからな。
その者が嘘を付いておるかぐらいは見抜く目を持っておるよ。
……お嬢さんからは芯からウルゴスの民を救いたいという心が伝わってくる………。
ソナタの言からはワシを謀ろうと言うような感じはしない。
まぁワシなんぞを謀ろうとしたところでお嬢さんには何の得にもならんじゃろうしな。」
「そうですか………。」
「……では改めて………、
このアオスブルフを受け取ってもらえるじゃろうか?
それによってワシ等クリティアは新生ダレイオスの地位向上を、お嬢さんは同胞民族を救うための道具をワシ等から献上を約束される。
………互いに得をする契約じゃ。」
「はい。
私達も貴方方クリティアのためにバルツィエと戦い勝利してこのダレイオスを救うことを誓います………。
ですのでそのアオスブルフを契約の証に………。」
「………確かに献上した。
これで我等クリティアはアイネフーレに継いでミーアとスラートに並ん。
もう只の口約束の関係ではない。
後はソナタ等の活躍によってクリティアの命運が左右される。
………我等クリティアの想いソナタ等に託したぞ。」
「お任せください。
必ずやダレイオスに勝利の栄光を届けて見せます。」