テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都セレンシーアイン 翌日早朝 雨
ザァァァ………
「おい、
聞いたかあの話?」
「聞いたかって何の話だ?
最近事件が多すぎて何の話題なのかが分からんぞ?」
「あのバルツィエの小僧共の話のことだよ。
何でも別に活動していた連中がクリティアのとこにいた主まで倒しちまいやがったらしいぞ。」
「あぁ、その話か。
オサムロウが小僧共から聞いた話だと“小僧共みたいな能力を持った奴等が他にも十数人くらいの部隊で”いるらしいぞ。」
「そんなにいるのか?
でもヴェノムの主を倒すような部隊の連中ががそんなにいるんだったら何でアイツ等ダレイオスに来たんだ?
アイツ等だけでもバルツィエに勝てそうなもんだろ?」
「そこは深く聞いてなかったが何か連中“大魔導士軍団”とか言うのがダレイオスにいるから探しに来たとか言ってたそうだぞ?」
「大魔導士軍団?
なんだそりゃ。
そんな奴等の話聞いたことねぇぞ?」
「俺もだよ。
連中が言うにはゲダイアン消滅の原因はバルツィエじゃなくて大魔導士軍団とかって奴等の仕業らしい。」
「ファッ!?
あれってバルツィエの仕業なんじゃねぇのか!?」
「小僧共の話ではどうも違うようだ。
あの破壊は俺達九部族のどこかがやったって話のようだぞ?」
「どこかが………?
どこかってどこの部族だよ………?」
「…俺に聞くなよ。
俺だって又聞きの話なんだから俺に分かるわけないだろ?」
「う~ん………、
可能性としてはクリティア………が高そうだけどなぁ……。
アイツ等年がら年中魔術や魔道具開発ばっかしてて胡散臭い連中だし。」
「クリティアって………。
クリティアはゲダイアンに多く派遣されてたんだぞ?
もしクリティアがやったってんなら仲間を先ず引き上げさせてからだろ?」
「それを言い出したらどこの部族達も条件同じだろ?
ゲダイアンには大抵の部族達がいたんだから………。」
「………いや、
一部族だけ比較的な少なかった部族があったぞ?
あれは確か………アイネフーレだ!
アイネフーレは全部族中もっとも遠かったからゲダイアンにはあんましいなかった筈だぞ!」
「アイネフーレって………滅んじまっただろうが………。」
「アイネフーレが大魔導士軍団だったのか………?」
「そりゃねぇよ。
もし一つの街破壊するほどの大魔術を編み出していたんなら滅ぶ前に一発ヴェノムの主にでもかましてるだろうが。」
「そういやそうだな。
もしアイネフーレが大魔導士軍団とかいうゲダイアンを一瞬で灰塵に出来るほどの術を持っていたら流石に主に滅ぼされる前にせめてもの一発ぐらい撃ってるよな。」
「そうそう、
アイネフーレが大魔導士軍団だなんてあり得ねぇぜ。」
「…それなら……アイツ等はどうやって大魔導士軍団とか言うのを探すつもりなんだ………?」
「………人伝に聞いて回るしかねぇんじゃねぇか?
誰も知らんと思うけど………。」
「そんなことして出てくると思わんが………。
………ん?
何だアイツ?」
「どうした?」
「見てみろよ。
変な奴が来たぜ?」
「んん?
………本当だ。
アイツ………北の方から来たのか?」
「北って言いやぁ、
俺達がさっきから話してたクリティアの村の方からだぜ?」
「………あのマテオの騎士の風貌………。
……まさか………、
あの小僧共の言ってた別動隊の奴じゃねぇか?」
「あぁ、
有りうるな。
このタイミングで現れたってことは多分アイツあの小僧達に連絡いれに来たんだぜ。
“こっちは順調に主を倒して回ってるがそっちはどうだ?”ってな。」
「違いねぇな。
ちょっと声かけてみっか?」
「そうだな。
お仲間の小僧達のとこに俺達で連れてってやっか。」
「お~い!
そこのマテオからの亡命者~!!」
「………は?
亡命者?」
「おたくはあのバルツィエの仲間の人なんだろ~?」
「………確かに俺はバルツィエの仲間とも言えなくは無いが………。」
「じゃあ丁度いいや。
俺達でお連れさんとこに連れてってやるよ。」
「………?
俺の連れがここにいんのか?」
「あぁ、
昨日帰ってきたばっかだよ。」
「(帰ってきた………ね。)
ほ~ん?
そんならその俺の連れのとこに案内してくれるか?
今アイツらがどうなってるのか知りたい。」
「何だよ。
アンタ等別々に動いてる割りにはお互いがどういう状況なのか把握してないのかい?」
「………そう言う訳じゃねぇが、
“百聞は一見にしかず”って言うだろ?
“通信機”で話をする分には相手の声を聞いてどんなコンディションでいるかとかどこにいるかとかは分かるんだがどうも俺には伝わりにくくてな。
顔合わせて話した方が楽なんだよ。」
「ツウシンキ………?
何か遠くの奴と話をする道具があるのか?」
「………悪い。
忘れてくれ。」
「?
まぁいいけど………。」
「………それよりもアンタ等に聞いておきたいことがあるんだが………。」
「?
何だい?」
「アンタ等………、
大魔導士軍団って知ってるか?」
「………ほらな?
やっぱりあの亡命者達はこうやって大魔導士軍団とか言うのを聞き回ってるんだぜ?」
「そうみたいだな。
本当に見つかるかは分からんけどな。」
スラートの地中都市シャイド 族長邸
「こんにちは。」ガラッ
「おぉ、
ソナタ等。
昨日はすまなかった。
ソナタ等にはどうも見苦しいところばかり見せておるようで。」
「いえ…、
特に気にしてはいませんから。」
「そうか…?
………して昨日はオーレッドのバカタレと何やら話し込んでいたようだが………?」
「はい、
実は………。」
……………………………………………………………………
「……なるほど、
オーレッドめ………。
小癪なことを………。」
「正直長老の話に乗るのは戸惑ったが話を聞く限り特にはデメリットは無かったようなので乗らせてもらった。
………何か不味かったか?」
「…そんなことはないが………。
少々クリティアがでしゃばってくるのは厄介だな………。
ソナタ等の計画を遂行するには全部族協力は不可欠………。
…だが奴等クリティアがこんなにも早くに本腰を上げてきたとなると………スラートもウカウカしてられんな。」
「……?
クリティアが動くとスラートに何か不都合でも………?」
「………何でもない。
ソナタ等とソナタ等の“別に動いていた仲間達”のお陰で思ったよりもヴェノムの主の討伐速度が早いようだ。
本命はソナタ達なのであろうがもう一部隊の方も中々頑張ってくれておるようだな。
これは半年の猶予も必要なかったな。」
「「「「(別に動いていた仲間“達”………?)」」」」
「………すまん、、
ファルバン族長殿………、
………前にここへ来た時はあまり湿っぽい話になるのを嫌って一つだけ正しく伝えていないことがあるんだが………。」
「………聞かせてみよ。」
「………実は………俺の仲間の部隊と言うのは………
………トリアナス砦に辿り着く前に皆………。」
「失礼するぞ。」ガラッ!
「!
オサムロウさん!」
「……会談中であったか?
だがこちらもソナタ等に急ぎの話を持ってきたのだが………。」
「急ぎの話?」
「つい今しがた、
以前にソナタ等が話していた亡命者達の別部隊の一人が地上を訪れたいらしいぞ?
今こちらに案内させておるところだ。」
「「「「……………!?」」」」
「!!!!
…………馬鹿なッ!!!?
有り得ない!!!!」ガタッ!!
「…?
どうしたのだウインドラ………。
ソナタの仲間がここを訪れることの何が有り得ないと言うのだ?」
「そんな筈はない!!!
アイツらがここに来るわけがない!!!
アイツらは………!!!
アイツらは……………………!!!
全員トリアナス砦で死んだんだッッッ!!!!」