テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
盗賊団ダークディスタンスのアジトへと乗り込みサハーンを倒す二人だったが一瞬の隙を突かれサハーンに逃げられてしまう。
その後、盗賊団は壊滅しカオス達は盗賊団のタレスを仲間に迎え入れる。
ムスト平原
「………スミマセン、時間が経ちすぎているようでこれは…。」
「…」
【ありがとうございます。ためしてもらえただけでもうれしいです。】
「タレス…。」
「……」
あれからタレスの喉を治せないか試してみたが結果は失敗だった。
「…」
【こえがだせないのはざんねんですがおふたりのやくにたつためならぬすみでもころしでもなんでもしますよ。】
「「……」」
「…?」
「タレス、少しずつ、少しずつ僕達と分かりあっていこうか。」
「盗みなんてすることないんですよ?そんなことしなくても大丈夫です。大人の私達がなんとかしますからね。」
「?」
【ではぼくはなにをすれば?ざつようですか?それともていさつですか?】
「……よほど酷い扱いを受けてきたようですね。役に立とうとしてくれるのはありがたいのですが思い付くことが子供の発想とは思えません。」
「役に立つことで自分の存在意義を保とうとしてるんじゃないかな。」
「カオスが二人いるみたいですね。」
「端から見るとこうなんだね。」
「すっかり夜だな。今日はこの辺りで休憩しよう。」
「そうですね、まだ街まで距離がありますし夜営の準備をしましょう。」
「…」
【わかりました。ではカオスさんとアローネさんのねどことしょくじのじゅんびをします。】
「タレスそれは僕もするから一人でやろうとしなくてもいいよ。」
「タレスも疲れてると思いますし私達に任せてここで座っててもいいですよ。」
「!」
【いけません!それではぼくがいるいみがありません!】
「いる意味とかそんなのはいらないよ。」
「仲間なんですから一人でしなくていいんですよ。分担してやればすぐに終わります。」
【ではしょくじのためにそのあたりからラビットでもかりにいきましょうか?】
「率先して危ないことをしてくれるのは助かるけど。」
「タレスは気負いすぎですよ。モンスターなら三人でやります。」
【ではようどうはまかせてください。】
「あくまで自分が危険なポシションをするのは譲らないんだね…。」
「タレスはあの盗賊団にどのくらいいたの?」
【ながいとはおもいます。かまをわたされてからつかいこなすまでかかりましたしひづけもよくわからなくなりました。】
「鎌だけで戦ってたんですか?」
【けんとかおのとかもあったんですけどおもたくてつかいこなせなくてにげるときもじゃまになるのでかるくてふりまわせばおとなにもたいこうできるこのかまにおちつきました。】
「ってことは鎌だけしか装備してないんだね。」
【はい。ほかのそうびひんはほかのひとがつかっていましたから。】
「そうなのか。じゃあ丁度いいしこのエルブンシンボル装備してみない?」
「サハーンから回収したものですね。」
「!?」
【そんなこうかなものぼくにはわるいですよ。】
「大丈夫だって、サハーンから盗ったものだから。」
【それでもですよ!】
「サハーンも盗んだものみたいですよ。気兼ねなく使っても良いのではないですか?」
【ではカオスさんかアローネさんがそうびしたほうが。】
「僕はさ………魔神剣!」ザザッ!
「このようにカオスはエルブンシンボル無しでも闘気術が使えるのです。ちなみに私は装備済みです。」
「…」
「危険な旅だけど誰も欠けることなく旅していたいんだ。だからこれはタレスに受け取ってほしい。」
「…」
「う~ん、まだなんか理由が必要かな?」
「タレスが強くなると私達も安心してタレスに背中を任せられるんですよ。」
「そ、そう!タレスが強くなるならその分戦闘も楽になるからね。勿論任せっきりにはしないけど!」
「……」
【そういうことでしたらおかりします。ひつようになったらおかえしします。】
「よし、これで正式に僕達は皆同列だからね。」
「タレスもかしこまったりしなくていいんですよ。カオスの悪いところは指摘してあげてくださいね。」
「僕が悪い前提なんだね。」
「タレスは一人で独走するときがありますからね。」
「…」
【なんだかマナのあつかいがしやすくなったきがします。】
「エルブンシンボルはマナのコントロールを簡易化する作用があるので術技やスキルを発動しやすくなるのですよ。」
「…」
【そういえばカオスさんきのうはごめんなさい。ケガはだいじょうぶですか?】
「そのことなら平気だよ。傷も残ってないし。」
「あれほど出血していたのにもう治ったのですか?」
「これも殺生石の力なのかな。傷の治りが早いんだ。」
「カオスは……異常ですね。」
「僕もそう思うよ。タレスも気にしないでね。」
【カオスさんをまもるのにぼくはひつようないのですか?】
「そんなことないさ、こう見えて僕もアローネもまだまだ戦闘は初心者さ。」
「私達もタレスと差は無いんですよ。」
【ですがきのうのせんとうでいちばんおくれているのもじじつです。おふたりにおいつけるようしょうじんします。】
「今後は三人の連携だね。予定では明日にはリトビアにつくからタレスも一緒に頑張っていこう。」
【はい。】
緑園の都市リトビア
「やっと着いたね!ミスト以外の街なんて初めてだよ!ミストよりもおっきいなぁ!」
「フフッ、はしゃいじゃって、カオスまるで子供みたいですね。タレスでも落ち着いているのに。」
「仕方ないじゃないか本当に初めてなんだよ!ミストから出るなんてことなかったからこういうところに来たら落ち着いてられないよ!」
【カオスさん、まちははじめてなんですか?】
「そうなんだよ、僕がいたところは村と畑とかしかないし本で街の風景を想像するくらいしかしたことないんだ!」
【それならまずはまちをまわってなにがあるかをたんけんしましょう。】
「そうだね。こういう時何をすればいいのかも分からないし。」
「では宿の場所を確認してそれからまわりませんか?」
「そうしようか。じゃあ宿探しだね。あっちの方に行ってみよう!」
「おっ、兄ちゃん達!見かけない顔だね。冒険者かい?」
「え?はい。」
宿を探して歩いていたら知らない人に声をかけられる。
冒険者か。
まぁ、間違ってはいないよな。
「そうかぁ!ってこたぁ来たばっかりかい?アイテムは補充しといた方がいいんじゃねぇかぁ?安くしとくぜぇ!」
「アイテム?」
「旅してんならアップルグミとか足りなくなるだろ?うちゃ道具屋だ!」
「カオス、どうやらお店のようですね。」
「お店?お店って屋外でもやってるようなもんなの?」
「大きいお店は大概が屋内ですが扱うものによってはこうして外でも開いているお店があるのですよ。」
「なんだ兄ちゃん、店も知らんのか?どっから来たんだい?」
「はぁ、まぁ田舎育ちなもので。ミストと言うところから来ました。」
「ミスト?どこだそりゃ。」
「地図じゃ一番近い村の筈なんだけどな。百年も隠れてたらそりゃ誰も知らなくなるよね。」
「店員さんウルゴスと言う街は知っていますか?」
「ウルゴス?そっちも知らねぇな。その村だか街だかはこの辺りにあるのかい?」
「……空振りですね。」
「そう簡単に見つからないみたいだね。」
「悪いねぇ兄ちゃん達、力になれねぇようで。そのかわりこっちのアイテムでお助けすっから多目に見てくれや!」
「アローネ、もしかしてここがガルドを使うって言ってた…。」
「そうです。こういう場で道具や武器、アクセサリーを得られる代わりにこの方に対価であるお金を支払わなければなりません。」
「丁度お金持ってるしなんか買っていこうか。おじさんどんなのがあるんですか?」
「冒険者には欠かせないアイテムが揃ってるぞ!回復アイテムのアップルグミから始まってオレンジグミ、ライフボトル、パナシーアにモンスター図鑑揃えるのに必要なスペクタクルズも置いてらぁ!」
「どれも聞いたことないアイテムだなぁ。」
「ウルゴスではアップルグミは聞いたことありますね。」
「兄ちゃん達、アップルグミ初めてかい?よくやってこれたな!冒険者の必需品だぜ?これ一個で戦況を変えるっつってもいいくらいだ!」
「そこまで!?」
「アップルグミは消耗品だが使えばファーストエイドと同じ効果を得られる。使い方は簡単!そのまま食べればいいのさ!そうすりゃ即体力を回復してくれる!詠唱込みのファーストエイドと同等に効力を発揮してくれるから皆買ってくぜ!」
「凄いアイテムのようだね。」
「その話が本当なら大きな戦力にはなりますが…。」
「なんだ疑ってんのか?じゃあこの三個のアップルグミやるから試しに食ってみな!俺の言ってることが間違ってねぇって信じるからよぉ!」
「後からお代を請求したりはしませんよね?」
「その三個は試食だよ!どうせそれ食ったらアップルグミを買うことになるから構わねぇぜ!」
「自信あるみたいだね。」
「ここまで仰るのなら期待は出来そうですね。タレス貴方にも。」
「…」
【ありがとうございます。】
「では」パクッ
「「「モグモグモグモグ」」」
「どうだ?」
「「うん!美味しい!」」
「何だろう!体の疲れが飛んでいった気がするよ!」
「この味と食感、癖になりますね!女性の私でも食べやすい大きさですしこれなら戦闘中に素早く取り出して食べることも出来そうです!」
「な?言った通りだろ?冒険者は皆街についたらこれを確実に購入するんだ!コイツぁ食いもんだが状況を見極めて使えば大きな武器になる!買っといても損はねぇぞ!」
「アローネ!これは持っといた方がいいよ!買い物をする練習がてらにここで買ってみよう!」
「そうですね。買っておいて使わないということはなさそうですし購入しましょう。」
「おじさんアップルグミ三個ほしいんだけどいくら?」
「よしきた!値段は一個2千ガルドの合計六千ガルドだ!」
「!?」
「六千ガルドかぁ。結構かかるんだなぁ、はい六千ガルド。」
「!!?」
「え!?あ、あぁ!ま、まいどあり……!」
「戦闘に使える道具ならそのくらいかかるのでしょうね。安全を心掛けるなら安いものでしょう。」
「!!!??」
「そ、そうだとも!!モンスターと戦って生き残るためならみんなこの値段でも大漁に買ってくぜ!」
「他の冒険者もたくさん買うんだなぁ。アローネもう三個買っとかない?」
「えぇ、他の冒険者の方々に習って安全第一です。」
「へ、ヘヘヘヘ!兄ちゃん達いい買い物したねぇ!どうだい他にもお勧めのアイテムがあるんだが!」
「う~ん、買いたいのは山々なんだけど後一万八千ガルドしかないからなぁ。宿代がいくらぐらいなのかも分からないからちょっとぉ…。」
「宿についてから余裕があれば買いに来ますね。」
「宿代だってぇ?そんなもん精々三人で千ガルド前後だぜ?気にするほどのもんでもねぇって!」
「そうなんですか?」
「おうよ!まだ一万あるんだろ?旅してると何があるか分からねぇ!要心するにこしたこたぁねぇぞ?」
「と言われても…。」
「今ここで買っとかないと後で後悔するかもしれねぇぞ?その時になって後悔したくねぇだろ?」
「後悔は……………したくないけど。」
「兄ちゃん、仲間が大事じゃねぇか?」
「大事ですよ!」
「なら買っておいた方がいい!こういうもんは後々に効いてくるもんだ!ここぞというときに持っといて良かったと思えるときが必ずやってくるんだよ!保険として持っていれば仲間も救える!精神的にも余裕ができる!まさに一石二鳥!」
「………」
「兄ちゃん、仲間を助けられるのは兄ちゃん次第だぜ?」
「……買い「ガシッ」!!」
「……」
「タレス?どうしたの?」
「何か気になることでもありましたか?」
「…」カキカキ
【カオスさん、アローネさんほんきなんですか?】
「「本気?」」
【ほんきでそのアイテムをかうつもりなんですか?】
「ん?あ、あぁ買うつもりだけど。」
「皆の安全を守るためと思えば先行投資のようなものですよ。」
「…」
【わかりました。ならかうことにかんしてはなにもいいません。】
「う、うん」
【しかし!さきほどのこうぜつにはいちぶまちがいがあります。】
「ドキィッ!?」
「え!?間違い!?」
「どういうことですか店員さん!?」
「な、なんのことかな!?アップルグミはさっきの説明で何も間違っちゃいないぜ!?」
【たしかにアップルグミのせつめいはあれでいいとおもいます。いわれてみればアップルグミもそうつかえないアイテムでもないですしね。】
「説明はあってるのか。」
「では何が気になるのですかタレス。」
【アローネさんにはきづいてほしかったです。ふつうアップルグミはいっこ2000ガルドもしませんよ?】
「二千もしない?」
「本当なんですか?」
【はい、おみせでかうときはいっこ100から200ガルドがいいとこです。2000ガルドもあったら10こはかえますよ。】
「と僕の仲間が言ってるんですけど。」
「店員さん嘘を付いたんですか?」
「い、いやぁ……ま、まいったねぇ冗談のつもりだったんだけど気付かなかったみたいだな!アップルグミ!ほら残りの27個!後から渡すつもりだったんだよぉ!ボウヤにネタバラシされちゃったなぁ!ハハハッ!」
「「「……」」」ジトー
「ハハハ…」
「「「……」」」ジトー
「…」
「「「……」」」
「悪かったよ!ボウヤのメモ通りが相場で合ってるよ!」
「タレスが言わなかったらそのまま通すつもりだったんじゃない?」
「私達が無知なのをいいことに騙してお金を巻き上げようとしてたんですね。」
「最初はボケてツッコミ待ちしてたんだよ!けどいつまでたってもツッコんでくれないからちょっとイタズラしたくなったんだよ!」
「イタズラでやっていい範疇を越えてませんか?お金のことに関しては世界共通で法が黙っていないと思いますよ?」
「だぁ~!それだけは勘弁してくれよ!?こうして金額通りにアップルグミ渡してんだからよ!?」
「おじさん詐欺師だったんだね。」
「分かった!分かったから!アップルグミはそのままで金は半分でいいから!ほら三千ガルド返すよ!」
「いいの?アップルグミ百ガルド計算になるけど。」
「悪い冗談のお詫びだよ!それで通報だけは待ってくれよ!」
「けどタレスのメモにはアップルグミ百ガルドともあるんだよなぁ。これってそのまま買っただけになるんじゃない?」
「悪いことを反省したと言うわりには誠意が感じられませんね。」
「おいおい…しょうがねぇやつらだなぁ。ライフボトル一本持ってきな!」
「「有り難うございました。」」
「…たくっ、本当に知らなかったのか?逆にカモにされた気分だぜ。」