テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
スラートの地中都市シャイド
「テメェが国王に………?」
「私でしたらマテオのような国民の不満が爆発してしまうような事態にはなりません!
私は………新生ダレイオスの国王となって貴方達マテオの上層部バルツィエを倒したら世界を一つに統合し国民を皆平等にし争いを無くします!
私は………、
この世界中の人々を救って見せます!!」
「………そんなガキの言い出しそうなことが口から吐いてるようじゃ無理だな。」
「どうしてそんなことが言えるのですか!?」
「つか何?
お前がダレイオスの国王になる?
そういう予定なのか?
カーラーン教会やダリントン隊達はお前ごときを頭にする目的で俺達に逆らってきたのか?
カタスティアやカオスならまだ分かるがお前?
どこの馬の骨だよって話にならねぇか?」
「私は………ウルゴス国最高貴族でクラウディア家の次女で……………、
ウルゴスの王の妃に迎えられる予定だった者で………。」
「ウルゴス?
どこぞの国だよそりゃ。
ウルゴスなんて国聞いたことが………、
……………………ウルゴス?
どっかで聞いたことがあるような………?
………!
そうだ!
確か昔アレックスの書斎の本でそんな名前の古臭い国の名があったな!!」
「!」
「なかなか面白い童話の本とか誰だか分からねぇ奴が書いた本とかもあって発行元を調べたことがあったっけなぁ!
確かウルゴス!
そんな名前だった!
本当にあったんだな!?
ウルゴス!!
ハハハハハ!
御伽の国の世界の御伽の作者が作ったんじゃなかったんだな!
ちゃんとウルゴスって国が存在したのかよ!?
ウケるわぁ!!」
「私の国を馬鹿にしないでいただけませんか?
流石に国のことを貴方達に笑われる筋合いは無いのですが。」
「………あの本はアレックスに聞いたらカタスティア公爵から貰ったもんだと言ってたが勝手に公爵の教会でどっかから流れてきたもんだと思ってたぜ。
…てーとアレか?
お前とカタスティア公爵はウルゴスって国の出身でお前を匿ってた件はお前ら二人に強い繋がりがあるからなのか?」
「…私はカタスとは幼馴染みでウルゴスが滅ばなければ家族になる筈でしたから………。」
「なるほど……、
やっぱとっくの昔に無くなっちまった国だったんだな。
そいでもってウルゴス最高貴族のお前と公爵が家族に………。
お前が公爵の兄貴か弟と結婚して妃に………ってことか。
時期王の妃になる筈だったお前が発端で今更このダレイオスの王にまた返り咲こうとしてるって話に………。
………国ってのはそんな過去の経歴でどうにか運営出来るような代物じゃねぇんだよお嬢さん。」
「……!」
「道理で夢物語のような妄想を信じきってあんな青臭い宣言が吐ける訳だ。
人のこと言えたもんじゃないがお前相当甘やかされて育ってきたんだろ?
大人の世界ってのは綺麗事だけで平和になる訳じゃ無いんだぜ?
お前が世界をどうしたいのか構想を練ったところで綻びは確実に生まれる。」
「綻び等皆で解決していけば世界は「甘いつってんだろ。」」
「ここにいる連中はお前には賛同してくれるだろう。
お前とかかわり合いになる奴等なら全て。
だがお前が考える世界の平等ってのはお前の見えていないところでは絶対に存在する。
その声が聞こえたらお前はその問題を解消しに動く。
………その繰り返しで延々と終わらない多忙過ぎる人生にいつしかお前は腐っていくだろうよ。
アルバートのように逃げ出すこともあり得る。
理想論を実行するにはとてつもない忍耐力が必要なんだよ。
理想を追い求めるのは結構なことだ。
だが結局どこかで挫折する。
必ず何かどうにもならない問題が出てくる。
それをどうにかするためにとりあえず徐々に妥協して妥協して妥協して………、
妥協する。
そうして出来上がったのが俺達バルツィエだ。
マテオじゃ腐ってるなんて噂されてるが俺達も元から腐ってた訳じゃねぇんだよ。
お前のように国をよくしたいと思って政策をとっていた時期もある。
アルバートは昔のその時期に戻したく奮闘していたが失敗した。
結局は腐っていく運命なんだよ。
国の上ってのは。」
「いい加減にしなさい!!」バシンッ!!
「ぐっ………!」
「国の上に立つものが廃れるのは私の国でもありました!!
私の家以外の貴族の家は皆王や王子に取り次いでさまざまな悪事を働いていたこともありました!
それが発覚した時真に上に立つ者がそれを咎めなければならないと言うのに!!
貴方達こそがそんな子供のような理由で自尊に走っていい筈が無いでしょう!!
貴方達のやっていることはただの放漫です!!
そんな綻びに走る人達に国を治める資格はありません!!」
「…資格ねぇ……?
資格なんてもんは力が物を言うこと時代では罷り通っちまうんだよなぁ…。」
「力だけで世界は成り立ちません!!」
「力が無けりゃ国は守れねぇぜ?」
「力など必要の無い世界に変えて見せます!!」
「それこそがこの世の終わりだな。
そっから先は無意味に続く暗黒時代の始まりだ。
人が人を蹴落とす世界だからこそ世界には活気が満ちるってのに………、
それを無くしちまえば誰が頑張って人生を生きようとするんだよ………。
そんなお手て繋ぎあって仲良く“共産主義社会”なんかには人類の発展はやってはこねぇ。
競走あってこその“実力主義社会”だからこそ国ってのは生きてられんだ………。」
「ランドールを捕獲したようだな。」
「!
オサムロウさん!
電流での痺れはもう回復したんですか?」
「ある程度時間があればあんなものはどうってことはない。
自己回復手段くらい持ち合わせておるからな。」
「それならいいですけど………。」
「ランドールに尋問していたのか?
………ここヴェノム発生から百年で一度の侵攻以外ではろくにバルツィエと相対し捕縛するような余裕は無かったが………、
いい機会だ。
オーレッドからの情報と合わせて我からも尋問させてもらえるか?」
「………分かりました。」
「………忝ない。
ランドール、
貴様達が開発したというワクチンについてだがクリティアからの情報では危険薬物を使用しているとのことだが間違いないか?」
「!
………よく調べたな。
コイツらがワクチンを持ち寄せたのか?」
「そうだ。
彼等から預かったワクチンによるとこれにはツグルフルフという昔から存在する危険な花の成分が検出された。
この花は使用者を最終的には廃人に変える作用があるのだがそこに至るまでに精神に異常な起伏が出るという。
………貴様等バルツィエの者達が異常なまでに粗暴性があったり共感性に欠けるのはこの花が原因なのではないか?」
「「「「「!!?」」」」」
「………」
「貴様等バルツィエとはマテオ、ダレイオスとの対立からの仲だが当初から貴様等は一族皆がある一定の年齢辺りから急激に人格に妙な変化が表れた。
若いバルツィエにも時折いたりするのだが貴様等は異様なまでに殺戮本能が高い。
敵を追い求めるというよりも殺す相手を求めているような………、
味方にまで剣を奮うそれはまるで何か精神に異常を来しているとしか思えん。
バルツィエの根源はツグルフルフなのであろう?
どういう方法でこれの副作用を抑え込んでいるのか知らんが多用し過ぎで他人への配慮が全くもって死んでいる………。
ヴェノムを遠ざける為とは言え服用するのは止めた方がいいぞ。
これ以上頭がおかしくなりたくなければな。」
「……へぇ、
発展途上国の割りにはよく調べてあんじゃん。」