テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都セレンシーアイン 氷付けの闘技場 雨
「………ファルバン?」
「ファルバンさん………。
何を言って………?」
「大魔導師士軍団がここにいる………………だって?
スラートの族長………。
いや………この場合はダレイオスの元王か?」
「そうだ。
ソナタ等が捜しておる大魔導士軍団を余は知っておるぞ。」
「………下らない時間稼ぎだったりしたら次は躊躇なく殺るからな?
………………それで誰だよ?
アンタが知ってる大魔導士軍団は?
まさかアンタ自身がそうだとか言い出さないよな?」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ……!!
ゾクチョウガダイマドウシグンダン………?
ソンナハズハ………。
ゾクチョウハダレカヲシニオイヤルヨウナマジュツナド………。
ソモソモソンナジュツヲツカエタノカ………?
モシソウナラ………ゲダイアンヲショウメツサセタノハ……オウジシンガ?
「何と答えるつもりなんだファルバン………。
嘘など付いたところで奴等による殺戮が少し先に延びるだけにしかならんのだぞ。」
「…………」
「…なぁ?
どうなんだよ?
アンタが大魔導士軍団なのか?
軍団………つーか大魔導士か?
ゲダイアンとシーモスはテメェがやったのかよ?
おい。」
「………」
「何黙り込んでんだ?
まさかとは思うが生き延びたいがために知らないのに知ってるっつったんじゃねぇだろうな?
こちとらせっかちで仕事は早めに終わらせる性分なんだよ。
もし本当にそうだったんならもうお仕舞いにするぜ?」
「そう急くでない。
少々整理しておったところだ。
ソナタに何から説明したらよいのかをな………。」
「まどろっこしいのは嫌いだぜ?
時間稼ぎしようとしてるなら今すぐにでもここを「大魔導士軍団は………」」
「大魔導士軍団は………………、
ここにおるカオスじゃ。」
「………え?」
「ファルバン………?」
「カオスが………え?」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ…………!!!!!
ボウメイシャタチガダイマドウシグンダン!?
アノヌシヲタオシテカレタヒトタチガゲダイアンヲハカイシタレンチュウナノカ!?
ソンナヤバンナヒトタチニハミエナカッタガ……?
ゾクチョウハソンナレンチュウトドウシテ…?
「………はい!
時間稼ぎ決定だな?
嘘をつくんならもっとマシな嘘をつくんだったな。
カオスが大魔導師軍団な訳ねぇだろ?
ソイツ等は最近までマテオの奥地でひっそりと暮らしてたって話だぜ?
そんな奴がどうやってゲダイアンを破壊したってんだよ?」
「確かにそうだな………。
そんな遠くの地からダレイオスの西側にあったゲダイアンを攻撃なぞ出来る筈がない。
………よってカオスは大魔導士軍団ではない………。」
「自分でついた嘘を一分もしない内にネタばらしかよ。
何が目的で嘘をついたのか分かりゃしねぇな………。」
「先に言っておくがソナタ等バルツィエの言う大魔導士軍団なる存在に当てはまる者はこのデリス=カーラーンのどこを捜しても見つかりはしない。
そのようなものはマテオにもダレイオスにもいはしないのだからな。」
「………じゃあさっきのは何の嘘だったんだよ?
更年期入ったボケじゃねぇよな?」
「落ち着け……。
余はまだボケるような時期でもない。
余が言いたいのはゲダイアンと海道を破壊した大魔導士軍団はいないが………、
“海道だけを破壊した大魔導士軍団”だけの話でならここにおるカオスがそうだと申しておるのだ。」
「何……!!!?」
「………人と言うのはどうしても楽な方楽な方に物事を考えてしまうな………。
ゲダイアン………海道………、
ランドール、ソナタの話を聞いていれば二つの件がダレイオスの者が関係しているから二つが繋がっておると判断して大魔導士軍団が存命しておると思ったのであろう?
………ならばそれは違うと言えよう。
一度目のゲダイアンは明確にダレイオスを攻撃しておる。
そして二度目はソナタ等バルツィエを追い払うためのものでそれも十四回もダレイオス側から………。
とすれば大魔導士軍団はダレイオス側のトリアナスの付近に潜伏していたと言える。
あの付近はダレイオスの部族の一つアイネフーレの管轄であったがアイネフーレが滅びて今はヴェノムが巣食う荒廃が進む荒れ地だ。
ソナタ等のようなワクチンというヴェノムを退ける手段もなく我等ダレイオスの民が長く居座れる場所ではない。
………となれば答えは一つ………。
あの場にいてヴェノムを振り払う手段を持ちソナタ等バルツィエに敵対していて尚且つ“人の何百倍もマナを保有する者”こそがソナタ等の言う大魔導士軍団と言うことだ。
その様な者はここにおるカオスただ一人だ。
その海道を破壊したのはこのカオス=バルツィエだ。」
「(………人の何百倍もだと………?
その話が事実ならあの隕石達は全部カオス一人でやったことになるが………、
……いくらなんでも話に無理がありすぎるだろ………。
マテオの見解ではあれらの中の一発撃つだけで人一人はショック死するレベルだった。
それをたった一人で………?
確かにレサリナスでは結局最後までカオスの魔術がどれ程のものだったのか拝めなかったしアイツが俺達以上に基礎技能が高いと言うのはまだ分かる。
………だがそれでも何百倍もマナを保有しているってのは行きすぎだ。
そんなにマナが強大だと言うのならレサリナスでは俺達を倒すどころかレサリナスまるごと崩壊させかねん力を持っていることになる。
そんな奴が勝ったとはいえユーラスごときに始めから苦戦なんかするか?
こりゃもしかして………。)
ダレイオスの王!!
そういう作戦か?」
「…そういう作戦とは………?」
「カオスのことを大袈裟に言って俺達を微々らせて追い返そうって魂胆なんだろ?
どう聞いても何百倍は胡散臭げだ!
そんなマナいくらバルツィエの血を受け継いでいても無理だ!
ソイツが“アルバート=デュラン”の血を受け継いでいたとしてもな!!」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ………!!!!
アルバート=デュラン!?
「アルバート=デュランの血を………?
………そうであったか。
だからこんなに誰かに対して優しくなれるのだな………。」
「真か?
カオス。」
「………えぇまぁ。」
「そうか………、
生きておったのだな。
アルバート=デュラン………。」
「アルバさんはミストでもいい人だったからね。
カオスもその優しさを引き継いでるの。」
「……やっぱり信じられねぇな!!
俺に嘘をつこうとした罪………!
テメェ等は全員皆殺し決定だな!!」
「……カオスよ。
見せてやってはくれぬか?
アヤツにソナタの力を………。」
「………はい!」