テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都セレンシーアイン
カオス「よし!
それじゃあカーラーン教会に行こうか!」
「「「「……え?」」」」
話が逸れてレイディーの話題が持ち上がっていたが直前までの流れで次はクリティア族の住まう住居地ヴィスィンに向かう話になっていたのだが急にカオスがカーラーン教会に向かうと言い出して他の四人も驚く。カーラーン教会の名に一番驚いていたアローネはカオスに質問を投げ掛ける。
アローネ「何故カーラーン教会に向かうのですか?
カタスがランドールの話でもうダレイオスにもマテオにもいないことは分かっているのです。
………あの話が事実であることは私自身信じたくはありませんが………。」
ミシガン「肝心のアローネさんの向かう目的だった人がいなくなってもうマテオに無事だって報せる意味が無くなっちゃたんなら私の方もミストに私達が無事だってお父さん達に報せる用事もいいかな………。」
タレス「ミシガンさん達にはそのこともありましたね。」
ミシガン「………私もカタスさんって人に会って見たかったんだけど………あのランドールとかいうクズのせいで………。」
ウインドラ「奴の話を真に受けるのならマテオの北部にあるカーラーン教会支部はどこもランドールかその他のバルツィエの襲撃を受けているだろう。
どちらにせよマテオへ俺達の近況報告することは出来ないだろうな。
ダレイオスのカーラーン教会支部もマテオへと船を出すことは出来なくなったと判断が付いている筈だ。」
現状ランドールの話を摘まみ摘まみで思い返してみればそうなるだろう。バルツィエがカーラーン教会と教皇カタスティアを襲撃したのならこれでカーラーン教会はマテオとは対立する形となる。よって密かにマテオの騎士団隊長ブラムを通じてミストへと生存報告を考えていたミシガンの件は断念せざるを得なくなった。
実はこの時既に想定していた生存報告の内容とは別の内容でミシガン達が生存していることがミストに伝わることになったのだがそれを彼等は知る由もない。
だがカオスは四人とは違う意見を話し出す。
カオス「カーラーン教会に行こうって言ったのはマテオに俺達の無事を報せる目的じゃないよ。
カーラーン教会が今どうなってるのかを知りに行きたいんだ。もしかしたらカタスさんもどこかで無事でいるかもしれないしひょっとしたらダレイオスにいるかもしれないし。」
アローネ「カタスがダレイオスにですか?
………カタスはランドールに殺されたのでは………?」
カオス「アイツの話ではカーラーン教会とカーラーン教会の船は襲ったとは言ってたけどカタスさんや他の教会の人達を殺したとは一言も言ってなかったでしょ?
船は遠くから津波を起こして沈めたとは言ってたけどそれで皆殺られちゃったとは言ってなかったじゃないか。」
アローネ「!
………確かに船についてはそれだけしかランドールは話していませんでしたが………。」
タレス「海はあの凶悪なクラーケンの住みかだったんですよ?ボク達が倒したのは最近の話ですしカタスさんが渡航した次期と照らし合わせてみてもまだクラーケンは生きていて…。」
ウインドラ「いや待て。
ミーア族の話ではクラーケンは三ヶ月前にあのカイクシュタイフ洞窟に閉じ込めていた筈だ。
教皇の船がランドールに襲われたのだとしてもクラーケンはその辺りにはいなかった筈………。」
タレス「ですが海にはクラーケンの他にもいろんな魚類系のモンスターもいます。
船で渡航するのなら襲われはしないでしょうが一度人があの大海原に放たれてしまえば………。」
カオス「………アローネ、
カタスさんって相当強い力を持った人なんだよね?」
アローネ「えっえぇ、
カタスはウルゴスでも他の王子二人と組んで冒険者をやっていましたから………。」
カオス「だったら大丈夫だよ。
レサリナスでもカタスさんの魔術は見してもらったけどバルツィエの奴等なんかよりよっぽど強い魔力を持っていた。
カタスさんは海のモンスターなんかに殺られるような人じゃないよ。」
アローネ「………」
ウインドラ「だが船を破壊されたのなら海中に放り出されたと言うことだぞ?
いくら武人であるのだとしても海中で人が海のモンスターに敵う道理など………。」
カオス「水に浸かっていたらそりゃヤバイだろうけどさ。
アローネ、
カタスさんって基本六属性の魔術は全部使えるの?」
アローネ「!
使えた筈です!
他八人の王子達も皆基本六属性はマスターしていましたから。」
ミシガン「そっか!!
だったら海に浸かってたらまずいんなら海から上がっちゃえばいいんだ!」
タレス「そのことを忘れていましたね。
ボク達がダレイオスに来る時にも同じように海の上に上がる手段を使っていたのに。」
カオス「そういうことだよ。
魔術ってなにも攻撃だけに使うんじゃなくて“道を作ったりする”ことも出来たよね。
レイディーさんみたいに海の水を凍らせちゃえば海に放り出されても問題無いでしょ。」
ウインドラ「そうだな………。
すっかりランドールの話に騙された。」
アローネ「カタスは………生きているのでしょうか?」
カオス「生きてるよきっと。
俺達なんかよりもずっと長くこの時代を生きてきた人なんだよ?
ランドールに船を沈められたくらいじゃどうってこと無いって。
多分どこか地上に渡ってると思うよ。」
アローネ「…私よりもカオスの方がカタスの生存を信じているなんて………、
私もまだまだですね。
強くあろうとするばかりで情報から中身を抽出することも出来ないなんて………。」
カオス「そんな大したことじゃないよ。
俺なんかよりもアローネの方がカタスさんとは関係が深かったんだしショックを受けるのも当然だよ。
それに俺の話だって願望だけでカタスさんが無事って保証も出来ないし。」
アローネ「………いえ、
カタスは生きていると思います。
あの王族で冒険者でウルゴスの“漆黒の翼”だった彼女がそう簡単に殺られてしまうようなことがある筈がありません。
彼女は絶対に生きています。」
タレス「あの人はボクに希望の光を与えてくた人です。
王都では何も言わないまま別れたんで生きているのならまたお会いしたいです。」
ウインドラ「カーラーン教会は国ほどではないにしろ大きな組織だ。
いかにバルツィエと言えどそう易々と潰せる訳がない。
必ず教皇はどこかでこの情勢を知る筈だ。
そうなった時俺達の前に現れるだろう。」
ミシガン「ダレイオスに着いたら会えると思ってたのにどんどん会うのが先になっていくなぁ。
これは会うまでに期待が大きく膨らんでいきそう。」
五人は彼女の素性から彼女が生存している可能性にかけて旅の進路をカーラーン教会へ決める。教皇歴が長い彼女だがそれよりもアローネの記憶にある彼女の冒険者として活動していた経歴から彼女がランドールの強襲を上手く乗り切っていると信じて五人はカーラーン教会へと進む………。