テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ダレイオス支部カーラーン教会 礼拝堂
コーネリアス「………」
「「「「「………」」」」」
オサムロウ「彼等は自分達の罪と向き合う覚悟がある。
そしてその罪を背負いながらも前に進み続ける意思も。
他のハーフエルフ達にはこのことを伝えてもらうのは構わないが彼等を責めるのは待ってもらえないか?
今ここで彼等の足が止まるようなことでもあればダレイオスは永久に救われる機会が訪れなく「赦しましょう。」」
コーネリアス「貴殿方の罪は小生が赦します。
貴殿方は己が信じる道を突き進み続けなさい。」
アローネ「赦す………?とは何を………?」
コーネリアス「貴殿方の罪と認識するもの全てをです。」
タレス「全て………?」
コーネリアス「そうです。
小生等カーラーン教会は貴殿方が関わる全ての罪を不問とします。
ウインドラ様の所属する騎士団のこともカオス様達が教皇カタスティアを危険に晒したという話も全てを。」
ウインドラ「俺達は危うくカタスティア教皇の命を間接的に奪いかけたんだぞ?
それをこんな話をしただけで赦すと?」
カオス達は思っても見なかったコーネリアスの酌量に戸惑いを見せる。何故話をしただけで赦されるのかそれが理解できなかった。普通であったならカーラーン教会の者達が敬愛する教皇だけでなく世界中の教会関係者を戦争に引き摺り込んだのであれば教会はその引き摺り込んだ犯人を何としても探し出して罰したい筈。教会は謂わばこの戦争に無関係の立場であったのだ。だというのにダレイオスとマテオの二国間の争い事に突然巻き込まれた。それによって死者も大勢出ている筈だ。今はまだマテオはダレイオスには侵攻してきてはいないがマテオのカーラーン教会はバルツィエの本拠地と言うこともあってマテオ北部のカーラーン教会は窮地に追いやられていることも想像に固くない。本部もレサリナスに構えていたこともあって事実上カーラーン教会は半壊したも同然だ。それなのにこのコーネリアスという男は………、
コーネリアス「罪を悔いる心がお有りなのなら教会は罪人を咎めたりなどしません。
教会は全ての人を導くためにあるのです。
貴殿方の行いはそもそも人を救うために行ったこと。
人を救うために貴殿方が活動を起こしたのならそれが罪である筈がないのです。
……罪の咎を受けたいのならそれは貴殿方自身でその咎をお決めください。
小生等教会の者は貴殿方が裁きを欲するのなら下しましょう……。
ですが貴殿方には………、
今の時点で裁きが必要なのでしょうか?」
カオス「……怒ったりしないんですか……?
俺やアローネが教会に属しているとランドール達に勘違いされたからこそカタスさんは襲われたんですよ?」
カオス達はコーネリアスの言葉に困惑する。彼からは一切の怒りの感情が伝わってこない。それどころか会話の節々から友好的な感情さえ伝わってくる。妙に物分かりが良すぎて怒声を浴びせられることを覚悟していた一行は調子が狂う。
コーネリアス「怒りは争いの元ですよ。
一時の感情で全てを壊してしまうとしたらそれは憎しみの感情………。
他者に対して憎しみを抱けばそれはそこから全てが憎くなる………。
“人を憎むべからず、憎むべきは汝が非力を憎め。
憎み淘汰すべきこそ己が心の弱さ…、
超越せよ弱き自らの真を”」
カオス「え…?」
コーネリアス「他者への憎む心を捨て己の精進に努めよ、
との教皇の教えです。
小生等は例えどのようなことをされたとしても他者を慈しみ赦す心を持つように努めております。
………それに教皇カタスティアの言によれば世界の事象全ては………、
起こるべくして起こる。
“世界の法則は常にプログラムのように運命が決まっている”とのことです。
世界の時間を止めることが出来ぬ運命のように貴殿方が起こした反乱も世界の流れの一端でしかないのです。
貴殿方のこれまでの経緯全ても始めから決まっていたことなのです。
ですからカーラーン教会がマテオと敵対することになったのもそういう定められた世界の予定事項だったに過ぎないのです。
我々カーラーン教会は来るべき未来に漸く辿り着けた、
ただそれだけのことです。」
ダレイオス支部カーラーン教会
コーネリアスとの話を終えカオス達は一度外へ出ることにする。
ミシガン「何だかさっきのコーネリアス枢機卿とか言う人変な人だったね?」
アローネ「変な人って………、
失礼ですよミシガン。
あの方は私達のことを他の教会の方々を代表して対応なさっていただいたのですから……。」
ミシガン「でもさぁ…?
ウインドラ達が怒られたりしなくてよかったけど………なんかあの人不気味じゃなかった?
人らしさが無いって言うか………何でもかんでも赦してしまいしょう………って感じで。
心が大事って言っておきながらあの人の心自体が何も感じられないようで………。」
タレス「ミシガンさんその位にしておきましょう………。
………オサムロウさん、
あのコーネリアスさんって人の話でよく分からなかったことがあるのですが………。」
オサムロウ「何だ?」
タレス「“ぷろぐらむの運命”って何のことですか?」
ミシガン「あっそれ私も思った!」
カオス達はコーネリアスの話でカオス達の行いが赦されたことは理解できたがその後に彼の口から出た聞きなれない言葉に疑問を抱いていた。ぷろぐらむの運命とは一体………?
オサムロウ「……我もよくは知らんのだがな。
プログラムとはカタスティア様が昔からよく言っていた言葉だ。
世界に存在するものは皆“情報体”の塊なのだそうだ。」
アローネ「情報体………?」
オサムロウ「急な話でいい例えは無いのだがそうだな………、
………“パラレルワールド”という単語を聞いたことはあるか?」
カオス「パラレルワールド…?」
パラレルワールドという名前をカオスは聞いたことがなかったが他の四人は違った。
タレス「こことは違った別の世界の話のことですね。」
ミシガン「私聞いたことがある。
もしもここで違う選択をしたら未来が今とは全くの別物になっちゃってるっていう話でしょ?」
アローネ「パラレルワールド…………またの名を“ifの世界線”………。
誰もその存在の世界を観測することは不可能とされていますが………。」
ウインドラ「あの時あそこで別の行動を起こしていたら………自分の世界はよりよく豊かになっていたのではないか………。
………誰もが一度は経験しそう願う世界だな………。」
オサムロウ「………カタスティア様が仰るプログラムの運命と言うのはな。
そういった無限の可能性を完全に否定する意見だ。
世界は…………、
始めから終わりまで選択肢があるようで全く無い、
選んでいるようで選ばされている、
そんな世界だとカタスティア様はよく口にされていたのだ。」