テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ハーゲル道
正式にオサムロウが仲間となりカオス達はクリティアの村ヴィスィンに向かっていた。その道中でカオスはカーラーン教会でコーネリアスの話を聞いてから気になっていたことを質問してみた。
カオス「オサムロウさん。」
オサムロウ「何だカオス。」
カオス「コーネリアスさんってどのくらい強いんですか?」
オサムロウ「何故そんなことを訊く?」
カオス「オサムロウさんとコーネリアスさんの話を聞いてたら二人がカタスさんと一緒にカーラーン教会を作ったみたいな風に聞こえて………それで二人が剣を振るったって言ってたから………気になったんですけど………。」
アローネ「そうですね、
私も気になっていました。
お二人はいつ頃からカタスと一緒にいたのですか?」
ウインドラ「カーラーン教会は今のようにマテオとダレイオスの二大国状勢になる前からあったと聞く。
大分長い付き合いになるんだろう?」
カオスの質問にアローネとウインドラも便乗する。二人ともカタスティアとは十年にも及ぶ付き合いがあるためカタスティアの交遊関係に興味があるようだった。
オサムロウ「…先ずカオスの質問に答える前に彼との付き合いから話すが彼とはマテオが建国してから直ぐに知り合った。カタスティア様と彼はマテオの建国に携わっていてな。
マテオが国として出来上がってから直ぐに彼等はダレイオスへと渡ってきたのだ。
そして二人が我と出会った。」
ミシガン「へぇ~、
どんな出会いだったの?」
オサムロウ「始めの邂逅は………、
御互いに剣を向けあっての決闘だった。」
「「「「「え?」」」」」
予想に反してオサムロウとカタスティア達の出会いは過激なものだったようだ。カオス達は普通の出会いをして普通に仲良くなったのかと思っていたようだが………。
オサムロウ「最初の頃は東の大陸から何やら強大なマナを持つものが渡って来ることがよくあってな。
後にバルツィエの家の者だと知るのだがそれまでは船で渡ってくる者は皆侵略者だと思い迎撃していたのだ。
カタスティア様と枢機卿とは彼女等が渡航してきた折に戦ったのだ。」
アローネ「カタスが戦ったのですか?」
オサムロウ「我が剣を交えたのはその時は枢機卿とだけであった。
カタスティア様は後ろで見ておられただけであった。
枢機卿とは一時間に及ぶ決闘の末に………。」
タレス「勝ったんですか?」
タレスがオサムロウが言いよどんでいたので先に結果を予言する。セレンシーアインでオサムロウがダレイオス最強の剣闘士だとファルバンから聞かされていたのでそう予想したのだがしかし………、
オサムロウ「枢機卿との勝負は引き分けだった。」
ウインドラ「引き分け………?
勝負が着かなかったと言うことか?」
タレス「ダレイオス最強のサムライを相手に引き分けだったんですか?」
五人は驚きを隠せなかった。先程のコーネリアスは見た目的には怪しげな雰囲気を纏わせているがカオスを圧倒する程の剣格オサムロウと引き分けるほどの実力があるとは思えなかったからだ。
オサムロウ「何も不思議なこともあるまい。
我はダレイオスの公式的には“闘技場”で名を馳せていただけで大会で優勝するようなことがあったとしても文字通りダレイオス一の強者だったと言うことではない。
当然闘技場大会に参加しなかった者達の中にも我に差し迫る程の強者など数多くいるであろう。
それにあくまで“エルフ”達の中での一番だ。
あのカーラーン教会には中々の力を持つハーフエルフ達だっている。
あの者等が大会に出場する資格さえ持っていれば我のダレイオス一の称号も返上しなければならなかったであろうからな。
………何より我はこの刀をカタスティア様からいただいたのだ。
カタスティア様に会うまでの我は単なるけも…………。」
ミシガン「けも………?」
オサムロウが何かを言いかけて止めた。
けも…から先の言葉が続かず一同は待っていたのだが、
オサムロウ「………我は枢機卿との勝負を経てカタスティア様を知りその崇高な理念をも知った。
その理念に共感し我も枢機卿と共にダレイオスにカーラーン教会を設立しようと思ったのだ。
その当時から既にハーフエルフは迫害されていたからな。
強き力を持っていてもその数の少なさからダレイオスでは居場所が無く生まれて直ぐに捨てられるか両親共々追放となるか………、
そんな彼等にどうにかして居場所を作ってやりたかったと常々思っていたので我もカタスティア様の計画に乗ることにしたのだ。」
オサムロウは先程の言葉から被せるように別の話題を話す。彼にとってはカオス達に話すつもりは無かったことを言いかけていたらしい。なんとなく察した四人は深く追求しないことにした。
ミシガン「前から思ってたけどオサムロウさんってどこの部族の人なの?」
オサムロウ「………」
カオス「ミシガン………。」
一人だけ空気を読まずに追及してしまうミシガン。ここまでの話の総合するとオサムロウはスラート族と共にいたがカタスティアの仲介でスラート族の仲間に入れたようだ。そしてハーゲル道に来るまでの話では元々ダレイオスにはいたようだがカタスティアとコーネリアスと出会うまではどうやら一人でいたらしい。このダレイオスの国にはアローネが言うエルフとヒューマの混血種とは違う九の部族の組み合わせの血を持つハーフエルフが存在する。彼等は例え力があったとしても認めてもらえず嫌われ追い出される。認められるのは………純血種のみ………。
………ではオサムロウは一体どの部族の者なのか………。ダレイオスにいると言うことは九の部族のどれかに当てはまる筈だがミーア族やクリティアの長老の様子を見た限りではその二つではない。ましてやタレスと同じアイネフーレであったらタレスが何かしら知っている筈………。だがタレスもオサムロウの話はどこか別の街の人の話のように説明していた。アイネフーレでもない。残りは五つの部族のどれかだが………。何故彼は元の部族を離れたのか?可能性としては何かしらの事件でも起こりその五つの部族から追放または出ていく羽目になったか………。
………もしオサムロウがハーフエルフであったとしたら何故彼だけがスラートに受け入れられているのかが疑問になる。混血と言えど手元に置いておきたい程オサムロウが強いからか………?もしくは彼がハーフエルフと言うことをスラート族に伏せていたのか………?しかしそれでは九の部族がまだ一つだった頃にどこかでオサムロウの正体を誰かしらが突き止めようとするだろう………。
果たして彼は一体………?
………と五人が思考の迷路をさ迷っていたところで、
オサムロウ「…我の素性はいつか………、
我が話せるようになったらその時に話すとしよう………。
今はまだその時ではないのだ………。」
そう言ってオサムロウは歩きだした。その背中からはこれ以上の詮索は無用だ、と物語っているかのようだった………。
カオス達はオサムロウに続いて次の目的地ヴィスィンへと歩を進めるのだった……………。