テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
シュネー雪林道
カオス達はハーゲル道から雪の積もるシュネー雪林道まで歩を進めていた。急激な気温の変化で六人は………、
ミシガン「………フッ、クチュン!」
タレス「………」
アローネ「大丈夫ですか?
ミシガン。」
ウインドラ「この寒さは身に堪えるな………。
カーラーン教会で防寒着でも借りてくればよかったか………。」
オサムロウ「風邪をひいてしまっては大変だな。
ここらで一度休憩を挟んで暖まった方が善いのではないか?」
カオス「…そうですね。
そこらの木から枝を集めて焚き火を焚きましょうか。」
ミシガン「………もう!
何でこんなに寒いのよこの地方は!」
タレス「仕方ないですよ。
この付近は年がら年中寒いことで有名なんですから。
一説には“氷の精霊セルシウス”がいるとすればこの地方だと言われてたくらいですから。」
ミシガン「………氷って要するに冷たくて氷った水みたいなもんでしょ?
何で私は水は平気なのに氷は駄目なの!」
カオス「水と氷って………確かに似たような物だとは思うけど………。」
ミシガンがまたフロウス道の時のように弱音を吐き出す。あの時は単純に歩き旅に疲れたようなことを言っていたが今度はこの気温の寒さについてのようだ。
オサムロウ「成分物質的には水と氷は等しき物質だが我等が使う基本六元素の魔術に関して述べるのであれば水と氷は全くの別物だ。
水や雷は物理的に“流れる物”、
氷は“冷凍する物”だ。
その実氷に冷やされれば水は氷に変わり土や木、風も冷風から吹雪へと変わる。
気象的な面で言えば火と氷は他の四元素よりも環境に影響を与えやすい性質を持っている。
火は熱を持ち熱は生物の成長を促進させる。
氷は物質を冷却し作物が育ちにくくなる。」
ミシガン「何よ、
氷って汚点しかないじゃないの。」
オサムロウ「何事もバランスと言うものが大事だ。
熱だけあっても世界はただ暑くなる一方だ。
適度にどこかで熱を冷まさなければ草木も水分が一気に蒸発してやがて干からびる。
“四季”があるからこそ世界は生命が途絶えること無く続けられているのだ。」
カオス「ミストでは一年中通して暖かかったからミシガンにはこの地方はキツい気候なのかもしれませんね。」
ミシガン「……カオスだってずっと旧ミストにいたじゃない。
あそこだってミストとそう気温が変わらないのに何でカオスは平気そうなの?」
カオス「俺は………殺生石のお陰かな?」
ミシガン「私だって今じゃその殺生石の力を持ってるのに何でカオスだけ大丈夫なのよ。
ちょっとその体質変わりなさいよ。」
カオス「変わってあげたいのはやまやまなんだけどなぁ………。」
アローネ「あまり無理を言うものではありませんよミシガン。
カオスが困っているではないですか。」
ミシガン「…何かアローネさんも平気そうだけど………?」
ミシガンの中で矛先がカオスからアローネに変わる。普段はここまで絡むようなことは無いのだが余程この寒さで自分だけ寒がっていることに納得がいかないようだ。
アローネ「私は………このローブがありますから。」
ウインドラ「そんな薄そうなローブで平気なのか?
俺はこう見えて結構着込んでいるから寒くはないがアローネ=リムやカオスのその格好だとどうにも防寒には向いていないように思えるが…。」
アローネ「そういえばカオスにしか話していませんでしたね。
私のこのローブは術式が組み込まれていて着ている私の体温に合わせて温度を調節してくれるのです。
ですからどんな暑さや寒さの中でも私をその環境から守ってくれるのです。」
ミシガン「何それ!?
そんな服がこの世界にあったの!?
それスッゴい欲しいんだけど!!」
ウインドラ「落ち着けミシガン、
………しかしそんな衣類は俺も初耳だな。
耐性付与の術式なら聞いたことがあるがそんな高性能な術式が存在したのか…?」
アローネ「義兄のオリジナルの術式ですから…。
本当は体調を崩しやすかった姉の為に作られた術式なのです。
姉が亡くなった後は私がこの服を御下がりでいただきました。」
ウインドラ「聞けば聞くほどアローネ=リムのその義兄について興味が尽きないな………。
医者と言うのはそんなところにまでケアを怠らないために術式を開発してしまうものなのか………。」
アローネ「細かく言えばもっと他にもいろんなオリジナルの術式があったのですが……今はこのローブだけが義兄の唯一の術式です。」
ウインドラ「……その技術力は………、
復活するようなことがあればヴェノムだけでなく他の様々なことにも貢献できるな。
どうにかしてアローネ=リムの義兄の居所が掴むことが出来さえすれば………。」
タレス「そのためには先ずダレイオスを再建するところから始めないといけませんよ。」
ウインドラ「………そうだな。
何事も順番に終わらせていかねば先には進めないからな。」
ミシガン「……アローネさん。
暖かいところに着いたらでいいからそのローブ一度私も着てみさせてくれない?
どういう感じなのか私も体験してみたいんだけど…?」
アローネ「構いませんよ。
クリティアの村ヴィスィンに到着したらミシガンにこのローブをお貸ししますよ。」
ミシガン「本当!?
やったぁぁぁぁ!!」
オサムロウ「騒がしい連中だな。」
カオス「そうですね………。
皆はいつもこんな感じですから。」
オサムロウ「………悪いことではないな。
この活気がダレイオス全土にもうすぐ弘めることが出きるのであれば我も嬉しい限りだ。」
カオス「…案外こういう感じの空気も良いものですね。」
オサムロウ「何を言っているのだ。
ソナタもあの連中の一員ではないか。
混ざってこなくていいのか?」
カオス「…なんか、
あぁいう感じの話は苦手で………。」
オサムロウ「以外だな。
ソナタの回りにはいつも誰かがいると思うのだが?」
カオス「………少し前までの俺はああいう輪の中には入れませんでしたから………。」
オサムロウ「………そうか、
そういう話であったな。
気を悪くさせたか?」
カオス「いえ………。」
実際のところは少し居づらさを感じていたカオス。先程のミシガンの話からミシガンが異常に寒さに弱いのはカオスが持つ殺生石の影響からなのだと思い会話の輪の中から距離を置きたかったのだ。
カオス「……ちょっと枝拾って来ますね。」
オサムロウ「我も手伝おうか?」
「いえ、
一人で大丈夫ですから。」
そう言ってカオスは燃えやすそうな枝を集めに向かった。
オサムロウ「…………………いづれは慣れてもらわねばな。人の輪の中というものに………、
将来的にはソナタがこのダレイオスの中心となってこの国を変えていくことになるのだから………。」