テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
クリティアの村ヴィスィン
カーラーン教会から発って三日が経ちカオス達は漸くクリティアの村ヴィスィンに到着した。シュネー雪林道の途中から雪が降りだしていたため予想はしていたがこのヴィスィンでも相当な量の雪が積もっている。
ミシガン「着いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
到着するやいなやミシガンがダッシュで村の中へと入っていく。道中ずっと寒さで震えていたので早く建物の中へと入って寒さから逃れたいのだろう。
カオス「ミシガン!
どこへ行くんだ!?」
ウインドラ「そんなに走ったら雪で滑って転ぶぞ!」
カオスとウインドラが注意するがミシガンは聞く耳を持たず颯爽と駆け抜けていき………、
見事に転ぶ。
ミシガン「ぶふっ!!?」
アローネ「大丈夫ですか!?
ミシガン!!」
ミシガン「なっ、………なんとか………。」
タレス「お約束に忠実な人ですよね。」
カオス「ミシガンっておっちょこちょいなところあるから…。」
心配してミシガンの元へと駆け寄るアローネとそれを端から見て呆れるその他。寒い気持ちは分かるがかえって雪にダイブすることになり余計に寒い思いをしてしまってはもともこもない。こうした雪で滑りやすい土地で転ぶと雪が服に付着しその雪が体温で溶けて服が濡れてしまい更に体を冷やす結果となる。雪国に来たことが無かったミシガンはそれを知らずに滑って転び寒さから逃れたい筈が逃れることの出来ない状態になってしまった。
ミシガン「はっ、早く!!
早くどこか建物の中へ!!」
オサムロウ「そうだな。
本格的に風邪を引いてしまってはこの地方では長引いてしまう。
すぐそこの民家へ入ることを勧めるぞ。」
ミシガン「わっ、分かった!」
アローネ「ちょっと待ってください!
突然見知らぬ人がいきなり自宅へと上がり込んで来たら強盗と間違われて……!!」
アローネが民家へと入っていこうとするミシガンを止めようするが時既に遅くミシガンは中へと入っていき中の住人から………、
クリティア族の村人「ん~?
おやぁ~お客さんかなぁ~?
今日はお客さんが来る予定があったかな~?
あったような無かったような~………。
とりあえずお茶でも出そうかな~。」
暖かく迎え入れられた………………。
……………………………………………………………………
クリティア族の村人「ほ~ん?
ワザワザマテオの南の方からやって来たのかい~?
それはそれは遠いところをよくおいでなすったね~。
外は寒かったでしょう~?
ここでゆっくり暖まって行きなされ~。」
カオス「あっ、有り難うございます?」
ミシガンが急に家の中へと侵入してきたにも関わらずクリティア族のこの男は驚くでもなくカオス達を室内へと上げた。室内は暖炉が備えられており外の雪の世界とは隔絶された温暖な空間となっている。寒さで凍えていたミシガンはすっかり元気を取り戻して今は暖炉の前で服を乾かしながら暖まっている。……いくら寒いとは言っても今日初めて会った人の家の暖炉で寛ぎ過ぎではないか?見ればタレスもミシガンの横にいる。タレスはミシガンのように寒いとは一言も訴えてはいなかったがやはりこの外の寒さでは彼も体が冷えたのだろう。こののほほんとしたクリティア族の男が特に気にしている様子は無かったのでそっとしておくことにする。
クリティア族の男「それで旅人さん達は何でこの村に来たんだい~?」
オサムロウ「先日レイディーと言う女性が来てこの村付近に生息していたヴェノムの主が討伐されたであろう?
彼等はそのレイディーの仲間だ。
オーレッドがセレンシーアインに来てその話をしてきたのでその事実の確認とこの者等がヴェノムウイルスを抑制する秘術を編み出したので今回の来訪でソナタ等クリティアにもこの秘術を受けてもらいより一層ヴェノムに対する被害を減らしに参った。
そして出来ればその秘術をソナタ等に解析してもらってより簡略化し誰もが使えるような術に改良して欲しい。」
オサムロウがここへ来た目的を全て分かりやすく解説してくれた。カオスも同じことを言おうとしたが人に何かを説明することに慣れていない自分よりかはオサムロウの方が話上手だったのでここは黙っておくことにする。
クリティア族の村人「あ~あ…、
お嬢さんのことだね~。」
……どうやらレイディーはクリティア族の皆からお嬢さんと呼ばれているようだ。………と言うことは………。
クリティア族の村人「君等がお嬢さんの言っていた助手さん達かぁ~。
へぇ~~、
なんだか君はサムライに似てる気がするけど~。」
オサムロウ「………似ているのではない。
本人だ。」
クリティア族の村人「あ~あ、
道理で似ていると思った~。
サムライ本人だったんだね~。
サムライもお嬢さんの助手になったんだね~。」
オサムロウ「……どうもクリティアの者達と話をすると調子が狂うな………。
まともに話が成立するのがオーレッドしかいないとは………。」
アローネ「何だか想像していた人物像と違いますね………。
スタデ………………クリティア族の方は皆このような話し方をなさるのですか?」
今度はアローネがカオスが考えていたことを質問する。がクリティア族とは別に何か違うことを言いかけた。スタデ………とは何か?と聞こうとする前にオサムロウが質問に答えてしまいカオスは質問し損ねる。
オサムロウ「最初に出会ったのがあの口の悪いジジィだったから潜入感が働いてしまったか?
あんなのはあのジジィだけだ。
クリティアはこの者のような口調とお気楽思考が大半だ。
話していると妙に疲れるのだ。
これで九の部族の中でも頭がキレる連中だというのだから世の中は間違いだらけなのだと常々そう感じる…。」
オサムロウはクリティア族のことがあまり好きではないらしい。と言うよりかは苦手意識のようなものを持っていると言った方が当てはまる。先程の会話からでもオサムロウとこの男の話が何かお互いに一人言を話していたようにも思えた。そのくらい口調に差があるとそんな様子であった。確かに知的に感じはしないが………。
クリティア族の村人「その秘術ってのを僕にも見せてもらえるかな~?
どんな術なのか見てみたいし~。」
アローネ「構いませんよ?
では………。」
アローネがレイズデッドを発動させようとして詠唱を始めようとする。だが………、
アローネ「彼の者を死の淵より…………!?」
ウインドラ「どうした?
何故詠唱を途中で止める?」
アローネが詠唱の半分辺りで急に何かに驚いて詠唱を止めた。彼女の様子から大変な事態が起こったと分かるが、
カオス「どうしたのアローネ?」
アローネ「……………術が………レイズデッドが………、
発動出来ません!」
カオス「発動出来ない?
マナが足りないってこと?
だったら俺の「そうではないのです!」」
アローネ「今までこの術は詠唱の時点で私の中のマナを術が吸い上げていくような変動する感覚が発生していたのですが………、
今私が詠唱を唱えていた時にその感覚がありませんでした………。
恐らく詠唱を完成させても術は発動しないでしょう………。」
ウインドラ「術が………使えなくなったと言うのか!?」
アローネ「………はい。」
………本当に大変な事態が起こっていた。レイズデッドの術があればダレイオスの人々をヴェノムによる死の恐怖から救ってあげられると思ってここまで来たというのにその術が使えなくなってしまうとは………。
………これはもしやミシガンにも同じ現象が起こっているのではないか………?そう思ってカオスはミシガンに声をかけようすると………。
クリティア族の村人「あ~あ、
ごめんね~。
この村は“アンチマジック”っていう術式で囲まれているからこの村の中では魔術の類いは使えなくなっているんだよ~。」
………単なる早とちりのようだった。
よくよく思い出してみれオーレッドがそんな話をしていた気がする………。