テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウィンドブリズ山 麓
オサムロウ「ここの山の中間付近にカルト族の住む村がある。」
カオス達六人はクリティアの村から出発して二日歩き続けて漸く次の部族の村のある地方にまで足を運んでいた。
ミシガン「……流石に暖かい格好をしていても長時間雪が降ってるような場所に居続けると寒いわね………。」
タレス「立ち止まっているともっと冷えてきますよ。
目的地が目の前ならこのまま一気にカルト族の村に急ぎましょう。」
アローネ「とは言ってもこの間のように急ぎすぎてミシガンのように転んでしまうともっと寒くなるので落ち着いて登って行きましょう。
ここでは直ぐに服を乾かすことなんて出来ないのですから。」
ウインドラ「そうなった時はオサムロウ殿に焚き火を用意してもらってから乾かせばいいさ。
ミシガン、
転ばないようにな。」
オサムロウ「可能だからと言ってもあまり我の魔術を当てにしないようにな。
ここはもう既にこの地方のヴェノムの主の生息域だ。
焚き火中に襲われてしまっては何が起こるか分からぬ。
山道はこれまでよりも大分滑りやすい場所が多い。
足元を注意して進むのだミシガン。」
ミシガン「……前科があるから否定できないけどちょっと私にだけ注意が多くない?」
カオス「心配してもらってるんだから素直に受け取ろうよ………。」
ミシガン「でもさぁ!?
滑るって言うなら私だけじゃなく皆だって同じでしょ!?
皆私のことばっかり言うけどもしここまで人に滑るな滑るって言っておきながら次は私以外の誰かが滑ったりしたらどうするのよ!?」
タレス「…次もミシガンさんが絶対に滑りますよ。」
ミシガン「聞こえてるんですけどタレス~!!!」
タレス「ちょっ!?
だから走ると危ないんですって!!」
山道に関わらずタレスとミシガンの追いかけっこが始まってしまった。これから山を登らなければならないというのに学習しないミシガンであった………。
ミシガン「ぎゃん!?」タレス「ぐえっ!」
カオス「あっ、
転んだ………。」
結局ミシガンがタレスを巻き添えにして転んでしまった………。
ミシガン「ねえ。」
オサムロウ「焚き火は炊かんぞ?
先程の転倒は自業自得だ。
そんなことで我のマナを消費させるんじゃない。」
ウインドラ「ここら辺はまだモンスターやヴェノムがちらほらと見える。
もう少し安全な場所で小休止しようか。」
アローネ「寒いのでしたらもう少し私の上着をお貸ししましょうか?
私はローブだけでも十分ですので。」
カオス「アローネはいいよ。
俺も全然寒くないから俺のを貸すよ。」
タレス「…先にボクに貸してもらえませんか?
ボクも一緒に転ばされたのでちょっとだけ寒くなってきました………。」
カオス「……そうだね。
悪いけどアローネミシガンにそのまま上着貸してあげてくれない?」
アローネ「最初からそのつもりですよ。
ではミシガンどうぞ。」
ミシガン「そうじゃなくてさ!
私が言いたいのは寒いとかじゃなくてさ!!
この先のカルト族の村って方角から考えてレイディーが次に行くとしたらそこになるんじゃない?
もしかしたら今回も私達の出番無くクリティアのジャバウォックみたく倒されてたりしないかな?」
カオス・アローネ・タレス・ウインドラ・オサムロウ「!!」
ミシガンの指摘は案外と的外れなものではない。トリアナス砦からカオスと別れてレイディーは北部を経由して移動しているようだった。トリアナス砦の次にクリティア族の村ヴィスィン、その次にレイディーが向かうとしたらカオス達がこれから向かおうとしているカルト族の村になるのだ。彼女はヴィスィン経由時にヴェノムの主ジャバウォックを退治している。…とすれば彼女がカルト族の村に向かっていたのなら彼女の旅のついでにまたもう一体のヴェノムの主を倒しているかもしれない……。
カオス「…けどレイディーさんは俺達の計画を予測してはいたけどあの人も俺達とは別に目的があってダレイオスを回ってるんだよ?
そう何度も都合よく主を倒してくれはしないんじゃないかな?」
アローネ「私もカオスの意見と同意件です。
あの人はあの人で御自分のやりたい様になさる人なのであくまでもダレイオスでの旅はレイディーの目的あっての旅路です。
私達はヴェノムの主を倒す目的のためにカルト族の村へ向かってはいますが彼女の目的は他にあるようなので他のことに時間を割いてまで主を倒しているとは思えません。」
タレス「ジャバウォックもボク達がブルータルと偶然鉢合わせしたような口振りでしたしね。」
ウインドラ「……カルト族の村に向かっている可能性は高いが主に関してはスルーして他の場所へと向かったこともあり得るな………。」
オサムロウ「何でも都合よくことは運ばぬさ。
倒してくれているのならカルト族との交渉も早く済むが倒さずに通過したのでもそれで我等の計画が滞ったりはしない。
遅れている訳ではないのだ。
それどころか一ヶ月で三体を討伐したペースを考慮すれば残り六体を後五ヶ月で倒しきるとなると三ヶ月も余裕が持てる。
間に合わないという可能性は限り無く低いのだ。
懸念事項はフリンク族の不死鳥フェニックスが倒せるのかどうかだがこのヴェノムの主に関しては最悪無視しても構わんだろう。」
アローネ「不死鳥フェニックス………?」
タレス「フリンク族のところの主で次のカルト族の主の次のそのまた次の相手に当たる敵です。」
ウインドラ「不死鳥フェニックス………。
伝承記や辞典等でも噂に聞いたことがあるな。
幻の存在だと思ってたんだが実在したのか?」
ミシガン「どんなモンスターなの?」
オサムロウ「不死鳥フェニックスは別名火炎鳥でその名の通り火の体を持つ鳥で全身が常に燃えている………と言うよりも火そのものらしいな。
生物としてはあり得ない形状をしているところから魔法生物に分類され非摂食生物というデータがフリンク族から報告された。」
カオス「火の鳥か………。
近寄ったら火傷しそうなモンスターなんですね。」
アローネ「私達の体質ではレイディーがもっとも敬遠したい相手になるでしょうね………。」
ウインドラ「だが逆に俺達はその火に強い属性を持つ者がいる。
討伐は容易そうだが………。」
ミシガン「フッフッフ………、
またまた私の出番が近付いているようだな!
フリンク族の場所に行ったら任せといてよ!
そんな焼き鳥なんて私が一瞬で消してあげるわ!!」
オサムロウ「……それが出来ればいいのだがな………。」
アローネ「何か不都合でも?」
オサムロウ「単純な火の鳥だったらフリンク族も水で対処しただろう。
……だが報告では完全に火が消えてもまた甦ったと聞くぞ。
元が不死鳥なのだ。
火が消えてもまた何も無い空間から甦るのであるならば討伐が可能なのかを考えねばならん。」
カオス「オサムロウさんは………そのフェニックスが倒せるかどうかが心配なんですね。」
オサムロウ「フェニックスとヴェノムウイルス………不死の重ね掛けだ。
ヴェノムウイルスを除去出来たとしてもフェニックス自体の性能だけでまた甦るやもしれん。
そうしたらまたそのフェニックスがウイルスに感染してしまえばフリンク族のヴェノムの主討伐は難しい話になる。」
カオス・アローネ・ミシガン・ウインドラ「………」
タレス「……これからカルト族の主を退治しにいくのにもう次の次の心配しても仕方ないと思うんですけど………。」