テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
三人は街で情報を集めるため酒場を訪れそこでギルドの存在を知る。
情報を集めることをすっかり忘れて遂行不可能の依頼書を見つけお節介を焼こうと騎士団の在留地に向かう。
緑園の都市リトビア 騎士団停留所
「どうやらここに在留しているようですね。」
「なんだか思っていたより小さい建物だね。民家二つぶんくらい?」
【ここらにくるきしはおうとでもかいきゅうがひくいきしがおおいようです。なのでたてものもこのおおきさになるのでしょう。】
「階級が低い?」
「ウルゴスでもあったことなのですが主都から離れると情報や物資の流通が遅くなります。それは戦時ですと大きなリスクを負うのです。ですから階級の高い方は主都から離れず階級の低い方は遠方にまわされることがあるのです。」
【とおいむらやまちにぶっしをおくってもモンスターやとうぞくにおそわれてとどかないことがあるのでそうなるのでしょう。】
「そうなんだね。僕は遠いところまで行く人の方がカッコいいと思うけど。」
「騎士という職業上何処にいても危険はありますからね。王都のように堅牢な城壁で固められているところよりモンスターのいるフィールドを往復する騎士の方々が戦馴れしてそうです。」
「よし、じゃああの門のところにいる人に伝えようか!」
「おや、こんにちは。いかがなさいました?」
「こんにちは、酒場のダークディスタンスの依頼書を見てやって来ました。」
「あぁ、あれの!貴方達は情報提供者ということですか?」
「はい。」
「分かりました。では中の方でお名前、ご住所、ご職業、それから依頼書の情報をお教え願えますか?」
「その件なんですけど!」
「はい?」
「……既に盗賊団はボスを残して壊滅している、ということですね。」
「はい、この街から南西にあるヴェノムに汚染された森の奥に屋敷があったんですけどサハーンが燃やして団員達は皆…。」
「そうですか…。」
「なので森に行って確認をしてほしいのと、この依頼書の回収をしてください。」
「回収?」
「僕達はたまたま現場に居合わせただけなのでお金は入りません。本当なら捕まえてた方がよかったんですよね?」
「……捕まえられるのならそれにこしたことはないですが…。」
「サハーンはまだ生きています。サハーンに逃げられたままその報酬を受けとるなんて出来ませんよ。」
「……」
「それでは僕はこれで。」
「………ちょっ、ちょっとお名前を!?」
「どうでしたか?」
「やっぱり森のアジトの調査に向かって確認してかららしいよ。」
「これであの依頼書はクリアですね。」
「報酬は……この前の盗賊から先に貰ってたからいいよね。」
「えぇ。ではこの後はどうしましょうか。」
「何してたんだっけ?」
【さかばでじょうほうをさがすのでは?】
「そうだったね。あ!アローネ。今思い付いたんだけど情報探すなら僕達もあのギルドでウルゴスと殺生石のことを依頼に出してみない?」
「私もそうしようとしたのですがあの依頼書を見ていったら依頼者の方々は名前と報告と居住地とも載せていました。私達はこれから各地を回ることになるので一定の資金と報告先が必要になります。そうしますと先の件で…」
「依頼じゃなくて騎士団がくるかもしれないなぁ。聞き込みして回るしかないのか。」
【なにかふつごうでも?】
「僕達少し不味いことしたんだよね。」
「あくまでも私達は冒険者でいきましょう。」
「そうだね。聞き込みだけにしとこうか。殺生石といえばこの街ってヴェノムとかの対応はどうしてるのかな。」
「言われてみればあの森もヴェノムの痕跡がありましたからこの街の周辺にもいそうなものですが、」
【しらないのですか?このまちのがいへきにはふうませきがせっちしてあるんですよ?】
「封魔石?確かそんな名前の石がミストにも届いたってミシガンが言ってたなぁ。」
「ヴェノムを近寄らせない結界のようなものですか。そんなものが存在していたなんて知りませんでした。」
【ふうませきはむかしおうとでかいはつされたものですよ。ふうませきはしゅういのマナのけはいをけしてヴェノムにきづかれないようにするものらしいです。】
「マナの気配を消す?………本当だ、この街の中人がたくさんいるのにマナを感じないな。」
「たしかにマナ………は感じませんね。こんなことが…。」
【まちのちゅうおうにもおおきなせきぞうがみえますよね。あれもふうませきなのでみにいってみますか?】
「行ってみようかどんなものか気になるし。」
「急ぎの用事もないですし見物してみましょうか。」
【ではまいりましょう。】
「これが封魔石ですか?何か特別なものは感じませんけど。」
【あまりちかづきすぎないほうがいいですよ。これにさわるとしばらくまじゅつをつかえなくなりますし。ひとによってはそのまましょうがいがのこったりします。】
「障害ですか?そんな危険なものが剥き出しでおいてあっていいのですか?」
【まちのひとはにちじょうでまじゅつをつかうきかいがほとんどないのでさしてきけんとはおもってないんですよ。ぼうけんしゃもふうませきがそういうものだとしっていますしわりとゆうめいなんですよ?】
「ウルゴスではこんなものを見たことありませんでした。」
【そのウルゴスというまちではまだふきゅうされてないんですね。】
「ウルゴスは街ではなく国ですよ。」
【マテオとダレイオスいがいにまだのこっているくにがあるのですか?】
「………やはり誰もウルゴスのことを知らないのですか。」
「……」
「カオス?」
【どうしました。】
「……」
「「?」」
「……」
これは………殺生石だ。
何故だか分かる。
これが殺生石だと感覚的にわかる。
殺生石がこんなに早く見つかった。
この街には、いやこの国には殺生石が多くあるのか?
こんな簡単に見つかるのならミストはもっと早くにこの石をみつけておけば…。
最初は半信半疑だったけどこれならヴェノムを遠ざけられる。
………だけどこの殺生石はミストのものと何か違う。
何だ?
何が違う?
何故それが分かる?
この石は一体……
「カオス!?」
!
僕はいつの間にか封魔石に触れていた。
『……は逝ってしまったのか……』
まただ。
また夢の声が聞こえる。
ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!!!!
「カオス!」
「!」
何だ?
今何が起こっている?
力が…
体の中から力が溢れてくる。
「カオス!マナを!マナを抑えてください!!このまま解放すれば街がっ!」
「…!?体がぁっ!体が熱いぃィィッ!!うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッ!!!」
「…!?」
「カオスゥゥゥ!」
「…!!」
「タレス!離してください!カオスが!カオスがぁっ!!」
「ぐぅぅぅぅぅッッ!!これはぁぁぁっ!!?」
この感覚は……十年前の!
いや、それよりもマナが多い!!
既に余波だけで破壊されている!
このマナが爆発すればヴェノム関係なく街を吹き飛ばす!
どうにかしないと!
「落ち着いて下さい!カオス!どうしたのですか!?」
そんなの僕にも分からない!
この封魔石に触れた途端体の中のマナが封魔石を全力で攻撃しようと暴れている!
抑えるだけで精一杯だ!
とにかくこの封魔石から離れないと!
「んんんッ………!!」
駄目だ!
体のコントロールが利かない!
動こうとしても体が吸い寄せられるように封魔石に向かっていく!
ナンノサワギダッ!?
アイツナニヤッテルンダ!?
フウマセキコワソウトシテナイカ?
ソンナコトシタラマチガ!
ダレカヤメサセロ!
ダメダアツクテチカヨレネェ!!
騒ぎを聞き付けて街の人が集まってくる。
「止せッ!来るなぁぁ!逃げろォォォォォォォォ!!」
僕にはもう叫ぶことしか出来ない。
力が……マナが………決壊する。
また僕は誰かを殺してしまうのか。
「カオス!」
「アロー…!!ネェ!!」
いつの間にかアローネが僕のそばまで来ていた。
さっきの余波で所々怪我をしている。
「アローネ!……今すぐッ!!………離れてもう持ちそうにない!」
「カオス……
どうか落ち着いて下さい。」
「アローネ……ッ?」
「落ち着いて………貴方なら出来ます。マナを押さえ込むのではなく循環させてください。大気のマナと一体になってその力を少しずつ解放してください。」
「無理だ!前にこの力で僕はッ…!」
「大丈夫です。カオスはそのことを悔やんできた。貴方はそれが間違いだと知っているんです。間違いを知っているのなら………貴方は次は間違えない。」
「!」
「カオスはカオスを信じてあげてください。」
そう言ってアローネは僕の手を握った。
『生きていたか……よ。』
!
これは…。
荒ぶっていたマナが急速に静まる。
力が抜けていく。
感情が流れてくる。
暖かな心が流れ込んでくる。