テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カルトの村グリツサー 朝
昨晩カオス等はカルト族の村へと到着し案の定カルト族は村には不在でヴェノムの主の情報も曖昧なものしかなく夜を明かした。これからカオス等はカルト族の捜索を開始するのだった。
ミシガン「それにしても今度のヴェノムの主ってさ?
今までの三体のヴェノムの主に比べてなんか手強そうじゃない?
よく全属性に耐性を持ってそうな主やフェニックスなんかがいてオサムロウさんもオーレッドさんも自分のところの主が最強だとか言えたね?」
ミシガンがセレンシーアインでのオサムロウとオーレッドの会話を思い出しそうオサムロウに指摘する。他の四人もその時の会話を聞いていたのでミシガンの意見に同意を示すが、
オサムロウ「仕方が無かろう?
我はこれでもダレイオス一の剣闘士としての腕に誇りを持っていた。
我の生涯においては世界最強の集団バルツィエでさえも単騎戦でなら勝ちを譲ることは無かった。
我が勝利を逃したとすればコーネリアス枢機卿との引き分けくらいなものだった。
我が何者かを相手にして敗北するということは無かったのだ。
その我を真正面から撃ち破ったのがブルータルだ。
我は生涯初めて全く手も足も出せぬ敵と遭遇したのだ。
それからはブルータルをどのように打ち倒そうかと思考に更けっていたのだ。」
ウインドラ「あの大猪に手こずっていたんだな………。
まぁ奴は俺達で倒したが………。」
アローネ「私達が倒すまではブルータルもヴェノムによってゾンビ化していたのでオサムロウさんが倒せなかったのも分かりますよ。」
タレス「確かにあんなのがセレンシーアイン周辺に現れてそれを倒そうとして倒せなかったのなら他の主に目を向けている程暇じゃなかったんですよね。
他の主を知らなくて当然です。
先にブルータルを倒さなければならないんですから。」
アローネがフォローを入れるがタレスがそれを台無しにしてしまう。オサムロウは居たたまれない気持ちになるが、
オサムロウ「この地方のヴェノムの主が最強候補に上がりでなかった理由はカルト族から聞かされていた目撃情報がどれもゾンビ化前のモンスターがブルータルよりも弱いモンスターばかりだったからだ。
素で強いブルータルならばヴェノム化の条件が同じなら後は種族的な上下関係で強者か弱者が決まるであろう?
ならばブルータルに刈られていたようなモンスターのヴェノムなどブルータルと並び立つには烏滸がましいと言うものだ。」
カオス「オサムロウさんって自分を負かした相手を偉く称賛しますね………。」
カオスがオサムロウがここまでブルータルを高く評価しているのが気になった。普通は自分を負かした相手をこのように言うだろうか?悔しくなって反則だとか相手に文句でも言いそうなものだが…。
オサムロウ「敗北という経験を積ませてもらえたのだ。
武の道は何事も経験が自身の力を底上げしてくれる。
武とは本来強き者へと挑むためにあるのだ。
我にブルータルという目標が出来たからこそ我はブルータル討伐のために修練に明け暮れることが出来た。
我よりも強き者が現れなかったらいつまでも我は我への挑戦者を待つだけで腕を磨く機会を不意にしていただろう。
ブルータルこそが我を昔のような強者への挑戦者へと戻してくれたのだ。
非公式だったが我にとってはブルータルが倒されるまではブルータルがこのダレイオスのチャンピオンだと思っていた。」
五人はその発言に驚いた。自分達が五人がかりで成り行きで倒したブルータルがまさかの非公式ながらダレイオスのチャンピオンだったという事実に……。
ウインドラ「………すまん、
もしや俺達は貴方の目標としていたブルータルを倒すべきでは無かったか?」
アローネ「倒すべき目標だった相手を何も知らずに迎撃してしまったのなら私達が余計な真似を………。」
オサムロウの口振りではブルータルをライバルのように思っていたようだ。それを多対一で殲滅してしまいどうしようもない気持ちになってくる。だがオサムロウの反応は違った。
オサムロウ「気に病む必要はない。
始めからブルータルはいづれ誰かが討伐せねばならなかったのだ。
闘技場のように対人戦でなら不殺でのしあがった我だったがブルータルに関しては殺さねばなるまいと思っていた。
そしてそれが我には出来なかっただけのこと……。
我には元よりヴェノムを倒す手段が無いのだからな。
言ってしまえばヴェノムの主全てがこのダレイオスのランキングトップを牛耳っていたのだ。
我の目標にしていたブルータル等その底辺でしか無かったのだろう?
だったらこれからは他の主達と対峙するまでだ。
ソナタ等が言うにはクラーケンですらブルータルは足元に及ばぬ程の強敵だったときく。
ならば他の主達にも更なる我の目標となる主が存在していることだろう。
我はその主達を次の標的に見定めるだけだ。」
カオス達五人が思っていたほどブルータルのことに関しては気にしていない様子のオサムロウ。彼は更なる強敵を求めて腕を磨くようだ。
タレス「でしたらボク達のように単属性に強化された力を得られればオサムロウさんお一人でも主と戦って行けそうですよね。」
ミシガン「またあの殺生石の精霊に頼んでみること出来ないの?」
ウインドラ「またあれを呼び出すのは勇気がいるぞ?
現在あれとは敵対関係にはなっていないが五ヶ月後にどうなるか分からん。
今のまま順調に残り“五つの部族の村”を回り“六のヴェノムの主”を討伐しなければならないのだからな。」
ミシガン「ふ~ん?
残り六かぁ………?
ん?
六?」
カオス「!
なんか数が合わないね?
一つの部族の地方に一体ずつ主がいるんだよね?」
アローネ「そう聞いていますが………?」
タレス「……アイネフーレの場所の主を倒してませんよね?」
ウインドラ「確かにそうだな。
だがアイネフーレの領地では遭遇しなかったな………。」
ここに来てヴェノムの主が計算に合わないことに気付く。ヴェノムの主は全部で九体確認されていてそのうちのスラート、ミーア、クリティアのヴェノムの主は討伐済みで各部族に一体づつ配置されているのならアイネフーレの主とはまだ遭遇はしていない………。
カオス「……これは戻って探しにいかなきゃいけないのかな?」
オサムロウ「その必要は無い。
あの周辺にはもういないだろう。
アイネフーレの場所に関してはスラートの領地と同じでブルータルが縄張りとしていた。」
タレス「ブルータルが?
じゃあ他の主がそれぞれダレイオスの部族の領地を縄張りとしているとして最後の一体はどこに?」
オサムロウ「最後の一体に関しては奴は特定の所在地は把握できていない。
奴は他の主と違い移動範囲が広いのでな。
ある意味ダレイオス全土が奴の縄張りと言っても過言では無いだろう。」
アローネ「その主とは一体何のギガントモンスターなのですか?
それほどまでに移動範囲が広いと仰るのならそのギガントモンスターは“空を飛ぶモンスター”なのでは?」
オサムロウ「その通りだ。
奴はゾンビ化前は普通の鳥形のモンスターだった。
だがゾンビ化してから他の生物を吸収していって奇形化し全く別の生物へと変わっていった。
姿が変わった奴の名は“グリフォン”。
風を操るモンスターでゾンビ化してもそれは変わらない。
グリフォンは鳥の頭部と背中に翼を持ち獅子の体をしている凶獣だ。
強さは主の中堅クラスらしいがその速度は主の中でも最速と聞いている。
………もしかすれば最後と言わずその内姿を見せるかもしれぬな………。」