テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブロウン族の集落トロークン
カオス「アローネが………結婚?」
タレス「何の話ですかそれは?」
ミシガン「アローネさん結婚相手がいたの!?」
アローネからカタスティアの兄弟の話を聞いている最中にウインドラがそんな突拍子もない話を振ってきた。ウインドラとアローネだけがその話は知っているのだが他の三人は突然の話に驚愕する。アローネには………結婚する相手がいたと言うのか………?
アローネ「ウインドラさん………、
その話は皆の前ではしていただきたくなかったのですが………。」
アローネがウインドラを責める。がウインドラは意にも介さずに言い返す。
ウインドラ「どうせ流れた話だろう?
今更過去の解消された婚約など隠しても隠すだけ無駄じゃないか?
バルツィエとの決着をつけた後のお前の進路を考えればもうウルゴスの王子達との婚姻は不可能だ。
……今のうちに話せるだけのことは話しておいた方がいいんじゃないか?
ここにはオサムロウ殿もいるんだ。
将来ダレイオスを引っ張っていこうという者が問題になりそうな過去の婚約者の話を引き摺っていては舵取りに支障が出るぞ?」
アローネ「………」
オサムロウ「…?」
ウインドラの語りかけにアローネは苦い表情を浮かべる。どうやら婚約者云々の話は事実のようだ。しかしアローネの話を聞いてきた限りではアローネは………。
アローネ「………」
オサムロウ「……話しにくいことなのであれば別に無理して話すこともないのだぞ?
我もソナタ等に話せぬこともあるのだ。
そんなことくらいで将来的にダレイオスの舵取りに支障が出るとは言えんだ「話します!」」
アローネ「……私には姉のアルキメデスがいたということは話しましたね。
本来でしたらその姉のアルキメデスが時期ウルゴス国王の妃と迎え入れられる筈でしたが姉様は国では奴隷扱いを受けてきたサタンというハーフエルフの男性と恋に落ち彼と御結婚されました。
本当ならウルゴス最高貴族として認められない婚姻ではありましたがサタンの超越したその能力の高さから両親すらもその婚姻には次第に前向きになり遂にはサタンの奴隷証書を引き取るまでに………。
それほどまでにサタンは常軌を逸した才能を持っておいででした。
その力は私の知るところではエルフでも最強の戦士として天才と称され王に君臨したウルゴス王とその力を引き継ぎ各分野でそれを凌ぐカタスを含めた九人の王子王女達をも遥かに引き離して………。
これは彼に近しかった私と私の家族だからこそ分かることでしたがサタンは一人で文明を築ける程の医学と科学と魔科学の知識がありました。
そのハーフエルフという負のレッテルさえ無ければ彼を王に据えてダンダルクと戦い勝利を導けるほどに。
オサムロウさんには話していませんでしたが当時のウルゴスはダンダルクに劣勢でした。
彼等ダンダルクの扱う破壊兵器はどれも私達が使用している魔術などよりも効率的に他者を殲滅でき都市をまるごと焼き払う………。
この時代でいうとヒューマはバルツィエそのもの。
バルツィエこそ一つの家系でしょうがヒューマは兵士全てがバルツィエ級かそれ以上の破壊能力を持つ武器を所有していました。
彼等との戦いの行く末は敗北が濃厚とされていました。
いかに九人の王子王女達が天才であろうと所詮はエルフの力の限界止まりで彼等でもダンダルクとの戦果を上げれば王に拝命されることは約束されてはいましたがそれすら不可能なほどまでにダンダルクとの力の差がありました………。
それを覆す魔科学兵器を開発したのがハーフエルフ達でそれの筆頭がサタンだったのです。
サタンは一気に戦況を膠着にまで巻き返す程の魔科学兵器を開発し彼が開発した“トールハンマー”はダンダルクの破壊兵器に匹敵するほどの力を発揮しサタンを預かるクラウディア家は他家を引き離して大きく戦果を上げることが出来ました。
……ですがそれほどまでに戦果を上げてもハーフエルフの功績は身元を預かるクラウディア家の功績にしかならずハーフエルフはどのような素晴らしい功績を上げても“出来て当然、出来なければ廃棄”と言うようなものでクラウディア家は大きすぎる功績は姉の婚約破棄と中和されて代わりの婚姻を結べる相手を探さなければなりませんでした………。
その白羽の矢にたったのが私です。
私が後の王の婚約者となることで婚約破棄という不義理を帳消しにしてクラウディア家の汚点を無かったことにすることが出来たのです。」
そこまで話してアローネは区切りを打った。何かと旅の道中でも家と王族のことを気にしてはいたがアローネ自身が家の責任を負わされていたからだったようだ。
オサムロウ「歴史ある国ではよくある話だがソナタがそのような立場にあったとはな………。」
アローネ「私の家はウルゴス王族に忠誠を誓いました。
姉は責任を果たせなくはなりましたが代わりに私がその責任を果たさなければなりません。
私はダレイオスとマテオの戦争が終結したらウルゴスの王族と同胞達を探しだします。
婚約についてはどうなるかは分かりませんがそれでも探さなければなりません。
それが私に課せられたクラウディア家の務めですから………。」
ウインドラ「だがそんなことを言っても最後にこの国を引っ張ろうとする立場になりたいのならそうは言ってられんだろ?
ウルゴスの同胞達や王族を探す価値があるのだとしてもそれまでにお前にもそれなりの相手を探さなければならないことを要求される。
いい加減に他の相手を見繕ったらどうだ?」
アローネ「……ですからこの話はしたくはなかったのです!
やはり貴方はそういう否定的になるではないですか!?
私のことはもう放っておいていただけませんか!
今はブロウン族の方をお探しになるのが先の筈です!」
アローネはウインドラの忠告に腹を立てたらしくそのままどこかへと行ってしまう。
ミシガン「……あの言い方はちょっと酷いんじゃない?
アローネさんはアローネなりに色々と事情があるんだしさぁ……?」
ウインドラ「俺は…!
………俺はアローネ=リムに俺のような失敗をしてほしくはないだけだ………。
後々自分だけでは抱えきれないことだって出てくる筈だ。
……そうなったとき何も事情を知らなければ共に支えてやることなんて出来ないだろう………。」
カオス「………」
少し悪くなった空気を払拭するためにカオス達はアローネに続いてブロウン族の捜索に当たることにした。
オサムロウ「…………………
(………ウインドラの物言いはまるでアローネが他の婚姻相手を探さなければならぬような口振りであったな………。
何故そんな必要があるのだ………?
そういうことは大魔導士軍団のリーダーでありダレイオスの時期王候補であるカオスだけで十分なのだが………。
何か思い違いでもしていないだろうか……?
アローネ達にも相応の地位は与えられるだろうが別にカオス以外は自由に結婚でもなんでもしてくれて構わんのだぞ?)」