テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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計り知れない敵

ブロウン族の集落トロークン 外れ

 

 

 

アローネ「……あの主は………いつ頃ヴェノムの主となったのでしょうか………?」

 

 

 最悪な展開に皆が意気消沈しているとアローネがふと疑問を口にした。

 

 

タレス「…バルツィエがダレイオスに来たのはあのトリアナスでの一件以降………、

 この三ヶ月以内のことではないですか?」

 

 

アローネ「………でしたらレイディーはあのジャバウォックと遭遇しなかったのでしょうか?

 ここにあのジャバウォックがいるということはシュネー雪林道かウィンドブリズ山から降りてきたということ………。

 レイディーの経路からして確実にあの二体目のジャバウォックとも遭遇するとは思いますが……。」

 

 

ミシガン「………そうだよね?

 レイディーなら一度一人で倒してるんだしそんなに苦戦する相手じゃなかったと思うから出会ってたら倒していくよね………。」

 

 

ウインドラ「偶々遭遇しなかっただけか………。

 それかレイディー殿がここを通ったタイミングではまだ主化してなかったか………。

 それならマナを求めて他の生物を襲いにこの人里まで降りて来たのは最近になるな。

 レイディー殿にとっては氷の属性のヴェノムの主など一人ででも余裕だっただろうしな。」

 

 

 四人がそれぞれあのジャバウォックに対して思った疑問を口にし最終的に眼前のジャバウォックがレイディーが倒したジャバウォックと別個体でレイディーが一匹目のジャバウォックを倒しここを通過した後にバルツィエが作り出したという案で可決された。

 

 

 

 

 

オサムロウ「バルツィエが目撃されたのはスラート、アイネフーレ、ミーア、クリティアの東ダレイオス側ではソナタ等と共に遭遇したランドールが最初だ。

 奴等の言う本物の大魔導士軍団を殲滅するためにバルツィエは今も他にヴェノムの主を作り出し続けているのだろう………。

 先にヴェノムの主を複製しているバルツィエを倒さねばな………。

 

 

 ………一先ずあのジャバウォックを討伐したら我は一度セレンシーアインに戻ってこのことをファルバン達に報告に戻ろうかと思う。」

 

 

 今現在目の前で十体目と思われるヴェノムの主ジャバウォックについて議論しているといきなりオサムロウがセレンシーアインへと帰還すると言ってきた。

 

 

カオス「え!?

 オサムロウさん戻っちゃうんですか!?」

 

 

アローネ「何をするおつもりなのですか…?」

 

 

オサムロウ「バルツィエがまたウイルスをばら蒔きヴェノムの主を増員しているのだ。

 ソナタ等の計画に大きな支障が発生したため一度ファルバン達に現状を伝えにいきたい。

 そして主の討伐が完了し終わった東ダレイオスで再度ヴェノムの主が発現してないか調べにいきたいのだ。

 それによって今後は我等の最重要討伐対象がヴェノムの主からバルツィエ先見隊に変更することもあり得る。

 

 

 ……ソナタ等には悪いが我は一旦抜けさせてもらうぞ。」

 

 

 オサムロウがたった今発生してしまった問題でジャバウォック討伐以後パーティーを抜けることが決まってしまう。

 

 

タレス「オサムロウさんほどの剣格が抜けてしまうと………。」

 

 

ミシガン「あのイビルリッパーとか見切ったりしてたの凄かったのに……。」

 

 

ウインドラ「ダレイオスの最強の剣士が抜けてしまうのは大きな喪失感が伴うな。」

 

 

アローネ「そうした事情なら仕方ありませんね。」

 

 

カオス「このことは他の人達とも共有しておかないといけませんからね………。」

 

 

 オサムロウがそうすべきだと五人は無理矢理納得することにするがこんな短期間でオサムロウと別行動になってしまうとは思わなかった。オサムロウがいれば今後の主の討伐も余裕があったというのに今目の前にしているあの新たな十体目の主を目撃してしまうとそうも言ってられない。オサムロウが抜けることは一先ず置いておくとしてカオス達はジャバウォックをとにかく討伐することにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャバウォック?「コホォォォォ…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミシガン「凶悪そうな顔してるね………。

 とてもペットとしては飼えそうにないや。」

 

 

タレス「どうしてペットにしようという発想になるんですか……… 。」

 

 

ミシガン「私実はミストで怪我してたボアチャイルド拾ったことがあってそれからずっと家でお世話してたんだよ?

 今じゃ大人になってボアになっちゃったけど今でも村の皆もそのことを知ってて村で皆で可愛がってるんだよ。」

 

 

タレス「モンスターを村で………?

 よくそんなことが出来ましたね………。

 ボアチャイルドと言えども気性が荒いと聞きますが………。」

 

 

ミシガン「気性が荒くても小さな頃からなら仲良く育つもんだよ?

 現に“ブーブーさん”も村の中では大人しくて寝てばかりだもん。」

 

 

タレス「ブーブーさん………。」

 

 

 ミシガンの飼っているボアはブーブーさんと言うらしい。モンスターと言っても敵になる前から共に過ごしていれば敵にはならずにペットとして飼うことが出来るようだ。

 

 

カオス「………」

 

 

 十年間まともに村で過ごすことの出来なかったカオスは村にそんなモンスターが住み着いているとは知らなかった………。自分が知らない内にミストではモンスターを飼い始めていたのか。話の限りじゃとくに危険は無さそうだったが………。

 

 

ウインドラ「……あれをペットとして飼うことも手懐けるのも難しいだろうな………。

 なんと言ってもヴェノムに感染したゾンビだ。

 知性は無く目の前に現れたエサに全力で襲い掛かる。

 ゾンビになってしまえば知性も理性もなく獲物を食うことだけしか本能が無いんだ。

 ペットにする件は諦めてくれ。」

 

 

 タレスとペット談義に華を咲かせていたミシガンはウインドラからそんな忠告を受ける。

 

 

 ミシガン「べっ、別に本気でペットにしようとか考えてないから!!」

 

 

 敵を前にしても緊張感の無いミシガン。敵は氷属性のヴェノムの主でこちらのメンバーに有効な攻撃手段を持つ者はいない。オサムロウは火属性の術は使えるがヴェノムに対しては無効化される。

 

 

 それでもこの緊張感の無さは一重にカオスや自分がいるからという余裕の現れなのだろうか。ヴェノムの主が増えてしまった現状をまだ完璧に把握できていないのか。………どちらにしても目前の“あの主”にだけは負けないという自信があるのだろう。レイディーはあのジャバウォックを一人で倒せたのだ。レイディーですら氷属性の魔術だけで討伐出来た。ならば自分達は数だけはいるのだと、そんな条件で負けることは無いのだと、

 

 

 カオスにはそういう様に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時カオス達は間違った思考に捕らわれていた。先程の男ハンターはあのジャバウォックについては何も言及していなかった。この地方に他に主が出現したとは言ってなかったのだ。なまじ事情をよく知っているからこその主が増えただのというそういった予測を立てた。

 

 

 しかし実際は違ったのだ。この地方に主は、ダレイオスに主は……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “五体”しか残っていないということに変わりはなかったのだ。

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