テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブロウン族の集落トロークン 外れ
ジャバウォック?「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!!」
ウインドラ「………思ったよりダメージは負っていないな………。
距離がありすぎるか………?」
ミシガン「でもあんなのに近寄って魔術撃つのちょっと危ないんじゃない?」
タレス「ギガントモンスターは通常のモンスターよりも耐久力が桁違いに高いんですよ。
まだ距離があるならこのまま遠距離から攻撃を続けましょう。
蓄積していけばいつかは倒れるはずです。」
アローネ「なんとか早めにジャイアントヴェノムに変えてしまいましょう。
あまり長引かせるとカメイラが接近してくる恐れがあるので。」
オサムロウ「カオスが特攻してくれている今のうちに我等は遠距離から応戦するのだ。
決して中距離から中には入るな。
ジャバウォックは剛腕の持ち主だと聞く。
殴り飛ばされれば即お陀仏だ。」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「はい!!」
カオス「魔神剣ッ!!」
カオスはジャバウォックに向けて魔神剣を放つ。見るからに接近し過ぎれば痛い一撃が飛んできそうな敵だ。あまり近付きすぎるのはよくない。こうやってジャバウォックの間合いから距離を取りながら戦えばなんとか無傷で戦える筈だ。
ジャバウォック?「ゴォォォッ!!?」
カオスの魔神剣の猛攻がジャバウォックをたじろかせる。攻撃が当たればその分ジャバウォックが後退する。そしてカオスは更に攻撃を加えていく。戦いながらジャバウォックの動きを追って見てみればこのジャバウォックは見た目は巨大なモンスターだが移動速度や攻撃に入る動作などは完全に遅い。
いや、遅すぎると言っても過言ではないほどカオスとジャバウォックの動きに差がある。ジャバウォックが一つの動作をするときカオスは左右前後と飛葉翻歩で走り回り、ジャバウォックが一度攻撃を仕掛けてきてそれをカオスがかわしながら二度、三度と攻撃を加えていく。後ろではアローネ達も援護射撃を行っている。ジャバウォックは実質的にほぼ無抵抗に攻撃を浴びせられている。
この勝負は………先が見えている。ならば時間をかけている余裕は無い。さっさと倒してしまわねばこの地には他にカメイラなる別のヴェノムの主がいるのだ。そいつがやって来て参戦してきたら厄介だ。ハンターの話ではそのカイメラはビッグフロスターという別のヴェノムの主と戦いそれを呑み込んだのだという。ヴェノムは常に新鮮なマナを求めて襲ってくるためカオス達とジャバウォックとの戦闘中にジャバウォックを呑み込もうとはしないだろうがギガントモンスターが二体になって襲ってくるとなると何が起こるか分からない。
ここは一気に畳み掛けてカメイラが到着するまでにジャバウォックを倒すべきだろう。
カオスはセレンシーアインの闘技場でオサムロウに仕掛けたような魔神剣の連打をジャバウォックへと浴びせる。
カオス「魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣…………!!!!」
ジャバウォックとの戦闘が開始してから一時間は経過したのではないだろうかとカオス達が思い始めた頃。
実際の時間ではまだ半分の三十分程しか経っていないのだが戦闘を行っているカオス達からしてみればそれほどまでにこの戦闘が長く感じた。早くこのジャバウォックを倒してしまわねばならないと気が急いて刹那の一秒がとても長い一秒に感じてしまうのだ。
戦況はと言うとカオス達がジャバウォックに優勢で戦闘が始まってからまだカオス達は一度もこのジャバウォックから一撃も攻撃を浮けてはいない。これまでのブルータルやクラーケンと比較してみてこのジャバウォックは耐久こそ二体には勝るがスピードや攻撃の届く間合いが極端に狭くジャバウォックが攻撃を振りかぶる時には既にカオスは遠くまで回避行動をとっている。
………とにかく愚鈍だ。剛腕から繰り出されるパンチからは風を扇ぐような音が聞こえそのまま地面を砕き飛び散った岩石の破片は食らってしまえば重傷は免れないが破片が飛び散る方には既にカオス達はいない。動作から次にどの方角へと攻撃を繰り出しその余波が飛ぶのかはこの三十分のあいだに全員頭の中に入った。このジャバウォックは接近さえ許さなければ楽に倒せる相手だ。
なるほどレイディーが一人で倒せる訳だ。尋常じゃない体力には驚かされるがこれはここにいるカオスやアローネ、タレス、ミシガン、ウインドラが一人ででも時間をかければ倒せる相手だった。こんな弱いギガントモンスターをダレイオスの最強候補に推していたクリティア族は何故そう思ったのかが疑問に思うレベルだ。……単純に考えてカオス達のような力を持っていなければヴェノムは例外無く脅威でその脅威の中でも主のような時間による死のないヴェノムはどの種族も恐怖を抱く対象なのだろう。人は恐怖を感じればその恐怖はどこまでも膨れ上がる。例えその恐怖の脅威が他にも上があるのだとしても実体験でしか人はそれを判断できない。知らない恐怖より知ってしまった恐怖の方が大きく感じるのだろう。
ハンターがこのジャバウォックを言及しなかったのもカメイラという他の大きな恐怖があったからということもあるだろうがこの鈍さはヴェノムの主にしてなんとも言えない残念感がある。死なないにしてもこんな動きが遅く足音も大きいモンスターでは逃亡するのに事欠かないだろう。果たしてこの主はこんなとろさで獲物を捕まえることが出来るのだろうか?
そうカオス達がジャバウォックに対して油断し始めた時、攻撃を重ね続けてふらついていたジャバウォックの動きが止まる。体中のカオス達が傷口から蒸気が吹き上がる。これは………、
ウインドラ「漸くか、
やっとジャイアントヴェノム化し始めたな。」
アローネ「後は通常のヴェノムのように浄化すればいいだけですね。」
タレス「結局カイメラとかいう主は来ませんでしたね。」
ミシガン「なんか思ってたより楽だったね。
レイディーもこんな簡単な主だったんなら一人で倒したっていうのも分かるね。」
オサムロウ「…本当に主を倒してしまったな………。
いや………まだ完全に倒してはいないが………。」
口々に疲労を吐露し六人が緊張を解く。この段階まで持っていければ後は楽に倒せる。通常種と同じようにカオス達が攻撃を加えればこの後のジャイアントヴェノムは消滅する。先ずはジャイアントヴェノムに変化したところを………。
…………変化したところを迎撃する筈だった………。
カオス「……………………?
何か………。」
アローネ「?
どうしたのでしょうか………?
ジャバウォックの体が溶け出してはいますが………。」
タレス「何かいつもと様子が違いますね………。
こんなにスライム形態でグネグネしていましたか………?」
いつもであったらある程度ダメージを与えればヴェノムに感染したギガントモンスターは体を崩壊させて中からジャイアントヴェノムが出現する。それをカオス達が倒せばいいだけだったのだが何やらジャバウォックの体が溶けた後に出現したジャイアントヴェノムの様子がおかしい。ヴェノム自体がスライムと同じような行動をとるのだが今目の前でジャイアントヴェノム化したジャバウォックのスライム形態は不自然に体の内部を暴れさせている。これはまるでこのスライム形態の中に何か別の生物がいてそこから抜け出そうとしてるような………、
???「ブルルルァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・オサムロウ「!!?」
ジャバウォックの肉体が溶けてスライム状になった後その中から別の生物が現れた。ヴェノムの中から現れたということはヴェノムに感染した生物なのは確かだがその現れたモンスターは………、
オサムロウ「………ブッ、ブルータルだと………!?」
ジャバウォックの中から現れたのはカオス達が最初に討伐したヴェノムの主ブルータルであった。