テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブロウン族の集落トロークン 外れ
???「グゴォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
また目の前の敵の姿が変化する。この他に類を見ない能力………やはりこのモンスターこそがカイメラで正解のようだ。こんな特殊な力を持つ生物が近隣に現れてブロウン族が視界に入れない訳がない。それどころかこのモンスターは遭遇するどのモンスターの中でも最も脅威を感じる。ヴェノム自体が危険な生物だがスライム形態に変化する前のゾンビに関しては力こそ強いがスピードはゾンビ化する前の生物よりも鈍い。ヴェノムの主に関してはその例に当てはまらずある程度までのゾンビ化する前の運動能力は保持したままゾンビ化する。だがそれでも所詮はモンスター。知性の無いモンスターは無策に目の前の獲物を捕らえようと襲い掛かってくるだけ。その行動パターンさえ頭に入っていれば如何様にも対処の仕様はある。
しかしこのカイメラは戦闘中にも関わらずこれで三種類へのモンスターへと姿を変えた。寸前まで戦っていたジャバウォックとブルータルでは攻撃パターンや移動速度が完全に違う。このようなモンスターは世界中どこを探しても存在しない。成長とは違う全くの変身をしたのだ。
オサムロウ「………噂は真実であったか………。
そんなことはあり得ないとは思っていたのだが………、
………“シェイプシフター”………。
如何なる形状にも姿形を変えて環境に溶け込むモンスター………。
今度は“マンティコア”か………。」
今度のカイメラは巨大な図体と大きな爪と牙を持つ獅子型のモンスターへと変化する。いかにも攻撃力と俊敏性に特化した姿だった。
タレス「!!
漸くスペクタクルズが機能しました!
今度のマンティコアは………“地属性”のモンスターのようです!!」
ウインドラ「姿が変わったと思ったら属性まで変化する………。
これは非常に難しい相手だな。」
変化したのは見た目と動作だけではなくその属性すら変わってしまう。なんとも優れた能力だ。これで敵でなかったら頼もしい能力だが残念ながらこのカイメラは敵であってそれも確実に倒さねばならない相手。ならばカオス達の対応は当然、
アローネ「地属性であるならば相反するは“風”!!
私が迎え撃ちます!!
ウインドランス!!」
アロマの風属性の槍がカイメラマンティコアを穿つ。それを受けたカイメラマンティコアの体に細かな傷痕が刻まれる。
カイメラマンティコア「ゴァァッ!!?」
スペクタクルズの情報通りカイメラマンティコアは風属性を弱点としているようで苦痛の声を上げて風から逃れ、
攻撃を放ったアローネに突進していく。
アローネ「!?」
タレス「殺らせません!!
グレイブッ!!」
カイメラマンティコアがアローネにその牙を食い込ませようと大口を開いたところでタレスの援護が入る。カイメラマンティコアはタレスが放ったグレイブが喉の奥深くまで刺さり後頭部まで貫通する。
アローネ「有り難うございますタレス。」
タレス「仲間を助けるのは当たり前ですよ。
それにミシガンさんとウインドラさんのように相反する属性を得意とするボク達は常に側でお互いをフォローしあった方がいいでしょう。
地属性の攻撃ならボクが引き受けます。
アローネさんは………。」
アローネ「私は風の攻撃が来たらタレスをお守りします!」
戦闘中であったがアローネとタレスに一体感が生まれる。この二人が近くにいれば安全だろう。
カイメラマンティコア「バギンッ!!」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・オサムロウ「!!」
後頭部まで貫通したにも関わらずカイメラマンティコアはその貫通しているタレスの放ったグレイブの岩の棘を噛み砕いた。そして、
カイメラマンティコア「ジュゥゥゥゥ…………!!!!」
また先程と同じ様に解け出して変身し始める。
ウインドラ「今度は何だ!!
また変身すると言うのか!?」
ミシガン「一体いつまで続くのこれ!!
一体いつになったら倒せるの!?」
オサムロウ「……順当に行けば六属性全ての形態変化した姿を倒せば終わるのだろうな………。
今度はどんな姿に………?」
……そして次にカイメラが変身した姿は蛙のような姿だった。
カオス「蛙………!?
ビッグフロスターか!?」
ここでようやくこのカイメラが本物のカイメラだと言う確証が得られた。このモンスターは恐らく今までに捕食したモンスターに自由に変身することが出来るのだろう。このビッグフロスターはハンターがカイメラに捕食されたと言っていた。とすれば先までの変身で変えていた姿もこのカイメラに捕食されたことのあるモンスター。当然その中にはビッグフロスターも含まれる。………これはヴェノムの主二体分どころの強さではない。ここまでで“四体分”の主がこのヴェノムの中に宿っていそうだ。これは長丁場になることを覚悟しなければならない。
ミシガン「蛙!!
ってことは“水系統のモンスター”!!
また私が出番なんだね!!」
ミシガンが颯爽と前へと出た。
ウインドラ「待て!!
水のモンスターならここは雷の俺が先に攻撃を「ウインドラは攻撃が相討ちになったらヤバイでしょ!」」
ミシガン「やっぱりこいつを相手にする際はそれぞれの得意とした系統の属性のモンスターに変身したらその人が真っ向から戦うべきだよ!
じょあクラーケンの時のように私が一撃でこいつを………、
…………!!?」
ミシガンが話している間にカイメラビッグフロスターが空中へと跳躍する。蛙のモンスターの見た目なだけあってかなりの高度まで飛び上がる。そしてそのビッグフロスターが着地する地点には、
ミシガン「え!?
私に落ちてくるの!?」
ミシガンがいた。カイメラビッグフロスターはミシガンに狙いをつけたようだ。落下してくるカイメラビッグフロスターは落下寸前にその大きな口を開けて、
ビッグフロスター「バクンッ!」
ミシガンを地面ごとまる飲みにしてしまうのだった。今回のブルータルと同じく敵は違うが過去の再現が二度目になった。ミシガンがまたヴェノムの主に捕食されたのである。……ならばその脱出方法も同じで、
ミシガン「スプレッド!!!」
カイメラビッグフロスター「バハァッ!!」
口の中に飲み込まれたミシガンが口内で水柱を立てる魔術スプレッドでカイメラビッグフロスターを空高く打ち上げる。蛙のモンスターなだけあって先程のマンティコアのような牙が無かったのが幸いした。もしこの形態のカイメラに牙があったのならミシガンは一瞬で噛み砕かれていただろう。
カオス「大丈夫ミシガン!?」
ウインドラ「怪我は無さそうだな。
無事でよかった。」
ミシガン「無事なんかじゃないよッ!!?
また私食べられちゃったんだよ!?
それも今度はクラーケンみたいな変な食べられ方じゃなくて直接口でッ!!
気持ち悪いよだれまみれでお風呂に入りたくなったんですけど!!?」
肉体的よりも精神的にダメージを負ってしまったようだ。とはいえカイメラビッグフロスターの体内から攻撃を加えられたのは影響が大きい。打ち上げられてから地面に落ちたカイメラビッグフロスターがまた変身をし始める。
タレス「今度の変身は何ですか………?
この変身で五回目………。
氷のジャバウォック、雷のブルータル、地のマンティコア、水のビッグフロスターとくれば次にくるのは風か火か………。」
アローネ「風であればお任せを!
火であるならミシガンにお願いします!!」
ミシガン「うぇぇ……、
早く終わらせたいなぁ………。」
先程の飲み込み攻撃で限界に近いミシガン。これは早々にカイメラとの決着をつけた方が良さそうだ。最初のジャバウォックの時点で全員かなりマナを消耗してしまった。これ以上は余計なアクシデントが発生しかねない。
と、カイメラがまた変身しきろうとしていた。今度の変身は……………、
オサムロウ「………何ッッ!!?」
アローネ「!
どういうことでしょうか……!?
この変身は……?」
ウインドラ「馬鹿な………!」
タレス「何でまた………!?」
ミシガン「ちょっと待ってよ!!?
何でまた“コイツ“なのッ!!?」
カオス「………!!」
カイメラジャバウォック「ゴォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」
カイメラはビッグフロスターから次に変身したのは最初に倒した筈のジャバウォックだった。何故またこのジャバウォックと戦わなければならないのか………。これではまるで………、
カオス「……こいつの体力は無尽蔵なのか………?
これじゃ延々とループを繰り返すだけじゃないか……………。」
ハンターが何故この主を“ヴェノムの王”だと称したのかこの時カオス達は真の意味で理解した。
ヴェノムはただでさえ異形の怪物。常人なら倒すことは不可能。それが出来るのはカオス達やレイディーの異能を持つ者やマテオのワクチンを保有するバルツィエ達だけ………。
このカイメラはヴェノムという異形の中でもそのまた更に異形の怪物………。
ヴェノムを屠る力があったレイディーですら倒せなかった屈強な敵。
新たな種のヴェノムがこの世界に顕現し今、
カオス達の前に大きな壁となって立ちはだかる………。