テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
???族の住む洞穴
ハンターに連れられてやって来たブロウン族とカルト族の生き残りがいるという隠れ家は先程の林から直ぐ側にあった。ここからならカオス達と直ぐに遭遇出来たのも頷ける。
カオス「ここに他のブロウン族とカルト族の人達が………? 」
ハンター「……あぁ。」
一拍遅れてハンターが返事をする。やや表情が険しい。
ハンター「………待ってな、
直ぐに灯りを付けてやるよ。」
アローネ「………真っ暗ですね。
他のブロウン族の方々はこのような暗さで目が見えないのでは………?」
当然の疑問をアローネが口にする。それに対してハンターは、
ハンター「………今に分かる。
ファイヤーボール。」
ハンターが小規模な火を懐から取り出した松明に着火する。これで辺りの様子が分かるようになった。そこには、
???「………ハンター?」
ハンター「すまねぇな。
起こしちまったか?
客人が来たようなんだよ。
まだ寝てていいぜ。」
???「客人………?」
明かりが広がった先には一人の女性が乱雑に並べられた草の横たわっていた。その女性の肌は白く一目でハンターとは違う部族の女性だと分かる。その女性は恐らく………、
ミシガン「カルト族の人………?」
ハンター「あぁ、
カルト族の女で名前はステファニーのステフって言うんだ。」
ステファニー「………どうも。」
ハンターが彼女の名前を言うとステファニーが体を起こして挨拶をしてくる。かなり容態が悪そうだ。
アローネ「無理なさらないで結構ですよ。
………それで他の方はどちらに?」
ハンター「これで全員だ。」
カオス「……………全員?」
ハンター「あぁ、
“ここにいる俺達二人”でブロウン族カルト族は全員揃ってる。」
ハンターはこれで全ての人員が揃っていると再度告げる。
ミシガン「…………えッ………、
でもさっきは族長達がいるようなこと言ってなかった………?」
ハンター「………」
ミシガンの問いにハンターは無言で持っていた松明をこの空間の奥の方まで照らして見せる。その奥に見えた光景は…………、
土の壁しかなかった。
ハンター「………族長達は死んだよ。
ここにいる俺とステファニーでブロウン族とカルト族はそれぞれが最後の生き残りなんだ。
………だから族長という立場の者はもういない。
………いるとしたらそれは俺がブロウン族の族長ってことになるんだろうな………。
勿論ステファニーもカルト族の族長になるだろうが………。」
カオス達が案内された洞穴は照らしてみれば人が住むには狭すぎる空間だった。そこに住んでいるのはハンターとステファニーのみ。他の部族の者達は恐らく先のカイメラによって滅びの道を歩んでしまったのだろう………。よく見ればこの洞穴は造りが悪く壁も魔術で無理矢理穴を空けたようなデコボコとした箇所が至るところにある。この空間は複数人で作られたものではなく一人の手によるものだと性格的に滲み出ている。不器用ながらも必死に雨風とヴェノムを退ける空間を作ったのだと…………。
カオス・アローネ・ミシガン・ウインドラ「………」
予想していなかった訳ではない。予測としては可能性の一つにはあった。だが先程の敗北から沈んだ精神で彼等の現状を聞かされてから彼等にかけてやる慰めの言葉は誰にも口にできなかった………。
ハンター「……じゃあ話してもらおうか?
約束通り案内はしてやったんだ。
あの嘘つき女は待っていればその内お前らが来るみたいなことは言っていた。
だがその話の中には四ヶ月なんて期限は聞かされてなかったぜ?
さっきの話の続き、
聞かせてもらおうじゃねぇか。
ここにはお前達が探していたブロウン族長の族長とカルト族の族長が二人も揃ってるんだからよ?」
アローネ「それは………!」
ウインドラ「………」
果たしてここで言ってもいいものか………?
カオス達はブロウン族とカルト族の協力を仰ぎに来たというのにその二つの部族が合わせても残り二人しかいないのだ。
彼等はここで部族が滅ぶという絶望に苛まれた。そんな二人の元へとやって来た絶望を払い除ける光。それがカオス達だったが流石に二人しかいない者達に協力を仰ぐの酷な話である上にそのカオス達ですらも先程カイメラに攻略の糸口も掴めず逃げ帰ってきたところだ。ここで真実を話しても何か得られるものなど無いとしか言いようが無く彼等にもより深い絶望を与えるだけなのでは………、
オサムロウ「四ヶ月後、
世界に“審判”が下るのだ。」
カオス・アローネ・ミシガン・ウインドラ「!!」
真実を言い渋っていたカオス達の後ろからオサムロウが現れ二人に真実を突き付ける。
ステファニー「世界に………審判が………?」
ハンター「……よくここが分かったな。
つけてきてたのか?」
オサムロウ「まぁ、そんなところだ。
それよりもブロウン族とカルト族がこれで全員か………。
………ダーウィンとマルクが逝ったか………。」
ダーウィンとマルク……… 、
それがブロウン族とカルト族の族の名なのだろう。オサムロウは少し儚げな表情を浮かべるが直ぐに気を取り直して、
オサムロウ「四ヶ月後までにこのダレイオス全土からヴェノムを振り撒く九の悪魔を倒す。
そうしなければソナタ達が出会った嘘つき女やここにいるカオス達の力の源の殺生石の精霊が世界に大破壊をもたらすのだ。
それもゲダイアン消失の時よりも遥か強大な力ででこのデリス=カーラーンごと消し去る程の規模で。」
ハンター「………へぇ、
そんなことが起こるのか………。
随分とスケールのデカイ話だ………。」
ステファニー「世界が無くなるの………?」
オサムロウ「その通りだ。
故に我等は動かなければならない。
その世界の消失を阻止するためにも我等ダレイオスの民は総員でなんとしても破壊を食い止めるのだ。
これはマテオとの戦争どころの話ではない。
ダレイオスの民として切実に取り組まなければならない緊急要項だ。」
オサムロウが強く語る。カイメラから敗北を味わったばかりだというのにその闘士は今なお熱く燃えたぎるのであった………。
ハンター「………こんな世界………、
滅ぼされた方がいいんじゃないか?」