テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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過去に立ち向かう時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………クリティアの村ヴィスィンを出てから今日までのカオス達はそれまでの運を使い果たしたかのように悪い出来事の連続だ。順調に進められていたかのように見えた旅路もカルト族の住まう地方で目的としていた主も見つからず無駄に時間だけを消費しその場を後にし次に向かったブロウン族のこの地でもブロウン族が見つからず捜索にまた時間を消費。何も見つからないだけの旅路は心労に祟る。なのでこの地方の主だけでも討伐できればよいと誘き寄せてみたははいいが出てきたのはほぼカオス達の攻撃手段を封じる敵カイメラ。カイメラは話に聞けばヴェノムの主………もしくはそれ以上の主が合成された生物だと伺える。そのカイメラに勝利することは不可能と悟り撤退の一手を図りその後カオス達はブロウン族とカルト族の生き残りのハンターとステファニーと出会う。どうやら他の者達はカイメラの手によって全滅したらしい。カオス達が六人がかりでかかっても勝てなかった相手カイメラ。レイディーが倒せなかった理由も察することが出来た。あの魔物は魔物なんて響きでは生ぬるい。それこそダレイオスの者達が物の例えに称している九の悪魔の悪魔そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………あれは…………カオス達にとって正真正銘の悪魔だった………。

 

 

 いくら手を加えてもその次の瞬間には全く違う姿に代わって再生してしまうのだから………。あれではカオス達には何一つ有力な手は残されてはいない。ヴェノムに通じる筈のカオス達の攻撃は全てカイメラに無力化されてしまったのだからカオス達はこのままあのカイメラが倒せずに滅びの審判を待つことだけしか出来ないのか…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………いや、

 

 

 まだ全ての手を出し尽くした訳ではない。カオス達にはまだ最後に残された力がある。それが通じないとしたならば滅びに逆らうことなく世界は滅亡へと誘われてしまうがカオス達はまだその手がカイメラに通じるか通じないかは分からない。その手はむしろカイメラにだったら通用するのではないか?まだカイメラは変身しても一つの属性だけ弱点を残して変身するだけなのだ。その隙を“星すらも破壊しかねない強大な力”によって吹き飛ばしてしまえばあるいは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………だがその案は誰も口にしなかった。今の現状ではもうそれ以外にカイメラにダメージを与える隙が無いのだとしてもそれだけは出来なかった。それが出来る者の心情を察して口に出来なかったのだ。

 

 

 何故ならカオスは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近場の林

 

 

 

オサムロウ「あのカイメラをどうにかしない限りブロウン族とカルト族の協力は得ることは叶わんか………。」

 

 

ウインドラ「ブロウン族とカルト族と言ってももうあの二人だけしか残ってないようだしダレイオス再統合の話は他の六部族だけでやるしかないのか………。」

 

 

タレス「ウインドラさん、

 “七部族”ですよ。」

 

 

ウインドラ「……すまない、

 そうだったな………。」

 

 

 タレスがウインドラの間違いを細かく訂正する。境遇的に言えばハンターとステファニーの二人はタレスと同じだ。三人ともそれぞれの部族の最後の生き残り。三人が三人ともヴェノムによって仲間達を殺された。謂わば部族は違えども同じ境遇を背負った類人とも言える。根本的に違うとしたらその最期を見届けたか見届けていないか。タレスは幸いとは言えないがその最期を見届けることはなかった。カオスという存在にも巡り会えたことでタレスはヴェノムとバルツィエに対する強い闘争心だけは生き長らえる。しかしあの二人はと言うと………、

 

 

ミシガン「あの様子じゃあカイメラを倒しても私達と一緒に戦ってはくれなさそうだね………。」

 

 

アローネ「彼等は目の前で同報達を無惨にも殺戮されてしまったのです。

 そのことが精神に深い傷とどうしようもない無力感に囚われてしまったのでしょう………。

 

 

 カイメラを私達が倒したとしてもそれで次の敵へと思考を切り替えられるような状態では無さそうでしたね。」

 

 

カオス「………」

 

 

 その通りだと思った。彼等は目の前で仲間達があのカイメラに殺されていくところを目撃していたのだ。それによる虚無感は他の五人では計り知れないことだろう。似たような状況に陥ったことのあるカオスにとってはそのことについて二人に親近感が湧いたがこんなことで親近感を湧かせる自分は少々空気が読めない思考をしているだろうと自覚する。しかしあの二人のことについて話が逸れているならこの話に乗っかってカイメラのことは、

 

 

オサムロウ「早速カイメラ討伐に向けて話を戻そうか。

 あの二人がその後どうするかは先ずカイメラをどうにかしてからだ。」

 

 

 オサムロウがカイメラの話に強引に持っていく。

 

 

ウインドラ「……どうするにしてもあの変身能力と再生力を見ただろう?

 あんな化け物をどうやって討伐するというのだ?」

 

 

 ウインドラがカイメラの能力を前にまともに刃向かっても勝つことは難しいのだと指摘する。それもそうだ。この場にいる誰もあのカイメラにダメージを残すことは出来なかったのだから。

 

 

タレス「何か有効策でも思い付いたんですか?」

 

 

オサムロウ「ソナタ等を撤退させた後足止めのため我が残っていたが我ではアレに致命傷を負わせることは出来なかった。

 無論我の攻撃では即時変身もせずに元々のヴェノムの再生力だけで回復してしまうほどであったからな。

 

 

 やはりソナタ等の力が必要なのだ。」

 

 

アローネ「………そう申されても私達でもあのカイメラには全く刃が立たずにこうして負け帰ってきたばかりなのですよ………?」

 

 

 オサムロウはカオス達の力が必要だとは言うがそのカオス達の力で勝てなかったのだ。これ以上はただの特攻でしかない。不死身のヴェノム相手に特攻などやるだけ無意味だと思うが、

 

 

オサムロウ「…あの変身をする際ほんの数秒だが体がスライム状に軟体化する。

 その変身する瞬間はほとんど無防備だ。

 そこを少しずつソナタ等の力で削り取っていけばあのカイメラであっても叶う筈だ。」

 

 

ミシガン「!

 確かに変身する前は体がグニャグニャになってジャイアントヴェノムになってたね。

 でもそのすぐ後に別のギガントモンスターに変身してたけど。」

 

 

オサムロウ「奴の新陳代謝は凄まじい域にあるのだとは思うがあんな化け物でも隙があった。

 あの変身をする際にどうにか少しずつ体を剥ぎ取っていけばいいのではないだろうか?」

 

 

アローネ「クラーケンの時と同じですね………。

 ですが途中スペクタクルズで調べてみたところあのカイメラジャバウォックには火以外の五属性に完全耐性がついていました。

 ………恐らくですが先程の戦闘中に私達にはまだ見せていない変身が“二種類”程残されていると思います。

 それに………、」

 

 

タレス「雷のブルータルに関してはミシガン、地のマンティコアに関してはアローネ=リム、水のビッグフロスターに関しては俺が………、

 残りは風の姿はタレス君だとしてジャバウォックとまだ見せていない火の姿は俺達ではどうしようもないぞ?」

 

 

 基本的にその生物が得意としている属性と相反する属性はその生物に対して有効な手とされている。火に関しては水でも良さそうだが生物という定義状火を吐く生物がいたからと言って水が有効な手とは言えない。逆に水に強い生物もいるし次に相手にするとされるフェニックスのような火で体が構成された生物なのならそれも有効とはなりそうだが………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………と、

 

 

 ここでオサムロウがカオスに視線を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オサムロウ「………」

 

 

アローネ「…!

 待ってください!

 カオスは……!?」

 

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やはりそう来るか………。

 

 

 カイメラから逃げる前にも言われていたし自身でももうそれしかないと思っていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オサムロウ「カオス………、

 

 

 今度のカイメラ討伐はソナタの魔術が必要だ。

 ソナタの魔術無くしてあのカイメラ討伐は達成出来ぬであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソナタの魔術をもってあの突然変異したヴェノムの主を倒すのだ。」

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