テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブロウン族の集落トロークン 外れ
カオスが一人で魔術を対象に命中させる特訓をしている間アローネ達は少しでもカイメラを倒せる可能性を上げるためカイメラの様子を観察していた。カオスが特訓を終えて帰ってきた暁にはあのカイメラとの再戦が待っている。待機している間何もしない訳にもいかずアローネ達はアローネ達でカイメラへの対策を立てていた。
カイメラジャバウォック「………」
タレス「………目標に動きなし。
獲物が通りかかるまでは特に何かしているわけでもなし。
これまでの主と行動パターンはまるっきし同じですね。」
ウインドラ「違うのは奴が一定のダメージを受けると体を一度溶かしてそこから新たな姿へと変わることくらいか。」
アローネ「一度ゾンビの体が溶けきってヴェノムへと姿を変えた後に再度別の………いえ、“肉体を再構築”するだなどと………、
そんなヴェノムは聞いたことがありません………。」
ミシガン「あの能力って主が主を食べちゃったことと何か関係あるのかな………?
ヴェノムって全部同じウイルスであぁなっちゃうのかと思ってたけどあれ見るとなんか今までのとは全く別だよね?」
オサムロウ「ウイルスはその感染する寸前までは同じなのだ。
ウイルスが生物へと侵入した後その生物の遺伝子情報に作用して複雑化する。
そこらにいる通常のヴェノムは一見全て同じに見えるが実はそれぞれ全く異なる変化を遂げている。
よく目を凝らして見れば色や粘度、臭い、酸の強さ、属性に対する反応等様々な種がいるのだ。」
カイメラを観察しながら五人はヴェノムに関する情報を改めて見直した。現在五人の目の前にいるカイメラはハンターが王と称するのも理解できるほどヴェノムにして異質な強さを持つ存在だ。マテオとダレイオスでヴェノムについて判明している特長は主にあらゆる生物へと感染し、感染した生物は自我を失って他の生物を捕食しようとする。その際その自我を失った生物の常態をゾンビと呼んでいる。そのゾンビは個体差によって違うが時間が立つと体内の消化控訴が極端に強まり始めに胃を溶かしそこから体全体へと移っていき最終的には全身にまで広がる。ミーア族はそれをオートファジーという生物が飢えた際に自らの肉体を栄養源にして生き永らえるどの生物にも起こり得る作用だと言った。それならネイサム坑道などでガーディアントなどの魔法生物がスライム形態に変化しなかったのも理解できる。オートファジーは食物連鎖の中にいる生物のみに起こる現象だからだ。クリティア族の話では何故そのようなオートファジーが起こってしまうのかと聞くと彼等はヴェノムウイルス自体が生物を進化させるウイルスだと見測した。どうもその進化のために回りから養分を接種はするがそれでも足りず進化のためのエネルギーに全て使いきってしまうためヴェノムはそのショックで最期は完全に別の溶けきってしまうもよう………。
その進化を果たしたのがダレイオスのヴェノムの主で主達は通常種のヴェノムのように時間で体が崩壊したりはしない。どれだけ時間が立ってもゾンビの形態からスライムに変化せずただひたすらにゾンビ同様底無しの食欲に突き動かされて行動している。主は全てギガントモンスターだと言うがクラーケンのように元が付近に生息していた通常モンスターオクトスライミーが過剰摂取で巨大化しギガントモンスター認定されたものもいる。主になるとウイルスの強さが増すらしく主のウイルスに感染するとバルツィエのワクチンではウイルスを抑えきれずに感染者がゾンビになってしまうケースもある。それと主は非感染生物だけでなく感染生物までも捕食し体の一部にしてしまうようだ。それによってクラーケンは切り落とされた触手が何度でも生え替わった。主なだけあってウイルスが強く働いている影響だろうか………。主についてはまだ判明していないことが多くある。
当然あのカイメラについては存在からして謎だ。
何故あのような怪物が誕生してしまったのだろうか………。
あのカイメラはどんな生物があのような変貌を遂げてしまったのか………。
………あれがバルツィエが話していたというアスラだというのか………。
アローネ「………カオスは無事に戻ってくるでしょうか………。」
アローネが今はいないカオスの心配をする。カオスは今武器も持たずに一人でウィンドブリズ山へと向かいモンスターを相手に魔術を的中させる修業を行っている。一人で向かったのはアローネ達が側にいればカオスが魔術を使う機会が失われてしまうからだ。
タレス「カオスさんなら心配要らないと思いますよ。
モンスターを相手に危なくなったら逃亡できるほどの足の早さがありますし。」
カオスは曲がりなりにもバルツィエの血を受け継ぐ者だ。バルツィエは機敏性と魔力の高さには定評がある。例え武器を所持していなくとも万が一ということはないだろう。……それにカオスには精霊が宿っている。そんじょそこらのモンスターにカオスと精霊が殺られてしまう訳がない。
ウインドラ「カオスが一人で頑張っているんだ。
俺達は俺達に出来ることをするしかない。」
そう言ってウインドラは立ち上がりカイメラの方へと歩み出す。
ミシガン「え……!?
何するつもり!?」
ウインドラ「座しているだけではもったいない。
倒せるとは思わんが奴の情報を入手するのなら………、
これが一番手っ取り早いと思わないか?」
そう言い放ちウインドラはカイメラへと突撃していく。
オサムロウ「単純思考だな………。
危険を省みず特攻とは………カオスがいないというのに奴に敗れたことを反省していないとは………、
だがそういう何度でも立ち向かっていく根性、
嫌いではない。」
続いてオサムロウもウインドラのようにカイメラに突撃していく。
タレス「……行ってしまいましたね。」
ミシガン「……そうだね。
何であんな無謀な「ではボクも行きます」ってちょっとォッ!?」
アローネ「タレスまで………。」
ミシガン「~~!!!
もう!!
だったら私もいかなきゃじゃん!!?
行こっ!
アローネさん!」
タレスとミシガンの二人も駆け出した。
アローネ「………………、
……カオス、
待ってますから………、
必ず私達の元へ帰ってきてください………。」
最後にアローネがカイメラへと向かっていく。敵わぬと分かりながらもカオスが戻るまでにカイメラについて少しでも情報を集めておこう。あわよくばカオスがトラウマを克服するまでにカイメラを倒す。それが叶えばカオスが一人で背負う必要も無くなる………。
こうしてカオスが一人で魔術を克服している間にアローネ達のカイメラ攻略への激闘の日々が始まった。期限は四ヶ月半、それまでに残り五体の主の討伐。
カオスは魔術恐怖症を克服してアローネ達の元へと戻れるのであろうか………。
それよりも先に世界の終わりとなるか……………。