テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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様子のおかしなバルツィエ

ウィンドブリズ山 翌日

 

 

 

 ダインにずっと正座させられ続けた日の翌日。何故かダインはカオスを特に拘束するようなこともなくずっと側に居続けた。この女の目的が分からない。こいつと一緒にいたランドールはまだレサリナスに帰還しているようだし他の仲間が来て俺を拘束して連れ帰るかあるいは殺害するのかと思ったのだがそんな節は見受けられない。ただ側にいるだけだ。なので俺は少しこのダインに話を振ってみた。

 

 

カオス「……俺はこれからどうなるんだ………?」

 

 

ダイン「……?

 どうって………?」

 

 

カオス「俺を発見したなら俺のことをレサリナスに連れて帰るとか………ここで俺を殺したりとかしないのか………?」

 

 

ダイン「………」

 

 

 カオスが質問をするとまたダインは口を閉ざしてしまう。そんな質問には答えられない、答える義理はないと最初の内は思ったがどうもこのダインからはまるで敵意を感じない。何か他に思惑があっての同行のような気がしてきた。何か………、

 

 

 別の目的があるような………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………質問を変えるぞ。

 いつから俺のことを見つけたんだ……?」

 

 

 これだけはどうしても聞いておきたかった。俺が精神修行を始めてから一ヶ月。俺が魔術を連続使用していたせいで見つかってそれからこの女は俺が何度もモンスターと遭遇しては魔術を山に撃つ毎日だったと告げた。大分前から俺のことは見付けていたんだろう。そして物陰から俺を観察して俺の魔術が欠陥品だと知られた。モンスターならばカオスを見付け次第襲ってくるので襲ってこない者に対しての警戒を怠っていた。それで俺はこいつが見ていることに気づけなかった。いったいどこまでこいつは俺の情報を掴んでいるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

ダイン「……三週間前くらい………。」

 

 

カオス「三週間前………?

 ………なるほど………、

 三週間前も前から俺のことを見張っていたのか……。

 俺をどうやって拘束しようかと………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……三週間前………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 随分と長く俺のことを様子見していたんだな。そんなに時間があれば他の先見隊の仲間を呼んで俺を拘束するための下準備でも出来ただろうに………。三週間前から俺のことを見ていたのなら今他の仲間はここにはいないということか。何故それをしなかったんだ?俺がこうして捕まっているように俺が今無力な存在だと言うことは分かっている筈………。

 

 

カオス「……もっと早くに俺を捕まえに来れたんじゃないか………?

 俺は今何も出来ないと分かってただろ………?

 なのに何で三週間も前から張ってて何もしてこなかったんだ?」

 

 

ダイン「……それは………。」

 

 

カオス「それは?」

 

 

 

 

ダイン「………………………………………………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………何て話しかければいいか分からなかったから………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………は?

 

 

 こいつは何を言ってるんだ?話かけ方が分からなかっただって?

 

 

カオス「……そんな玉じゃないだろ………。

 バルツィエだったらレサリナスでいきなり斬りつけてきたみたいに襲ってくればよかったじゃないか………。」

 

 

 俺の中での親戚達連中は皆凶暴な性格のイメージだ。ニコライトに始まってラーゲッツ、ユーラス、ランドール、フェデール、アレックス………、

 ………グライドに関しては俺の方から襲いかかったからよく知らないのだが………。

 

 

 とにかくバルツィエは話の通じる相手ではない。例え女性であってもバルツィエの一味なら話が出来るような奴ではなさ………、

 

 

ダイン「カオスと………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お話してみたくて………。」

 

 

カオス「………俺と話を………?」

 

 

ダイン「………うん。」

 

 

カオス「……何の話を………?」

 

 

ダイン「………………………………………………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………何でもいいけど…………。」

 

 

 このダインは話をするのに一々間が空くな………。と言うか話がしたいとは一体………?

 

 

カオス「……何でもいいって………何か目的があって話し掛けてきたんじゃないのか………?

 なのに何でもいいってどういうことなんだ………。」

 

 

 

 

ダイン「…カオスと仲良くなりたくて………。」

 

 

カオス「!」

 

 

 このダインはどうやら今は敵対する意思は無いようだが何か話の流れがおかしい。何で急にまた俺と仲良くなりたいなんて言い出すんだ………?俺をレサリナスへと連れ帰るためにか?……ユーラスだったら俺を痛めつけながら連行してたのに………。

 

 

カオス「…仲良くなりたいんだったら何でセレンシーアインでは俺やスラートの人達に攻撃してきたんだ………?

 っていうか何で仲良くなりたいんだよ………?」

 

 

 レサリナスでえらく派手な回転斬りで突撃してきた時の印象と全然違うこのダインの雰囲気に混乱する。あの時は攻撃してきたからカウンターを決めて返り討ちにしたのだがそれからはこのダインとの接点は無かった筈。あってこの間のセレンシーアインでレアバードで飛行してきた時に顔を会わせたくらいなものだ。そのことから考えてみても俺に対する印象は“仲良くなりたい”になるとは思えない。むしろレサリナスの件で大勢の前で俺に負かされて俺を殺したいと思うのがバルツィエなのではないのか………?

 

 

ダイン「セレンシーアイン………ってどこ………?」

 

 

カオス「……この間ランドールをアンタが連れて帰った街だよ………。」

 

 

ダイン「……あぁあそこ………。

 あの時のカオスのバニッシュボルト凄かったな……。

 当たってたら絶対に死んでた………。」

 

 

カオス「………当たってたらそうなってただろうね………。

 それで仲良くなりたい理由は………?」

 

 

 あまり人と話なれていないのか会話と会話のペースが噛み合わない。ダインは一つ一つの話に感想を挟んでくる。昨日のあの長い正座もまさかそのせいなのではないか……?

 

 

ダイン「………カオスは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………カオスはブラムとお友達みたいだったから………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラムとお友達………?冗談よしてくれよ俺アイツ嫌いなんだけど………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「何で友達だって思ったんだ………?」

 

 

ダイン「…レサリナスでの会話聞いてたから………。」

 

 

カオス「レサリナスでの会話を聞いてた……?」

 

 

ダイン「…西門でブラムと話してたこと……。」

 

 

カオス「……あの時のあれか………、

 あの時は確かアンタをぶっ飛ばした後の筈だったよな?

 アンタあの場にいなかったと思うんだけど………。」

 

 

ダイン「それはうちがブラムに盗聴機を付けてたから……。」

 

 

カオス「盗聴………き!?」

 

 

 何だその盗聴きってのは!?離れている人の会話が盗聴出来るのか!?いやでも……!

 

 

ダイン「それでカオス達とブラムが親しげだったから………、

 うち勘違いしてたの……。

 

 

 

 ……カオスがブラムを苛めてたって思ってたから………。

 それが違ってブラムとカオスがお友達だから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うちもカオスとお友達になりたくなったの… 。」

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