テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 騎士を目指す少年カオスは友人ウインドラとともに祖父の剣術指南を受けるがやられてしまう。

 その夜カオスは戦闘における基本的な心構えと世界中に生息するモンスターについて話したところで就寝。

そして朝日課の畑仕事にて、


その娘、ミシガン

「ねッ、ねェ!…カオスくん。」ボソッ

 

 日課の畑仕事の手伝いの時間、今は皆で昼食休憩をとっているのだがそのタイミングで1人の少女が話しかけてきた。

 

「今ァ…ちょっといいかな?」

 

 そう言って話しかけてきたのは村長のとこの女の子ミシガンだった。

 

 

 

 彼女の顔を見た瞬間一気に顔どころか身体中が熱くなって緊張して震えてしまう。

 

「あッ、!うっうん…な、にィかな!?」

 

 ヤバイ、まともに喋れない!何なんだこれはッ!!?

 

「えっと………。」ジリッ

 

 おっと、不審すぎて警戒させてしまったか。泣きそうな顔をしている。一端、落ち着かなければ!

 

「ンンッ!オッホン!!………どーしたんだい?おっ、おにーさんに何かよーかい?」ハァハァ

 

 フッ、言えたぜ!若干棒読みだった気がするが会話は成りたつ筈だ!顔を見て喋れなくなるなら顔をみなけりゃいいんだ!働くのに忙しいイケメンは女の子なんかにゃ興味ないアピールだぜ!今の爽やかにクールだったろ!?ねぇ!!

 

「あっ、あぁあぁの!……私ィ、ソッチじゃないィィ…。」ボソボソッ

 

 分かってるよ!分かってて顔見ないようにしてんだよ!!作戦が通じないよ!!!どうすればいいんだ!

 

「ごッ、ゴメンね!ち、よっとサギョウにボットウしてたよ!」

 

 とりあえず謝罪と仕事人アピール作戦決行だ!これでなんとか持つだろう。

 

「え…?今ぁ、お昼ご飯…じゃない…のぉ?」

 

 オフッ!流石ミシガンだ!どんな作戦も1発で見破られてしまう!あの村長のとこの娘さんなだけはあるぜ!村長様々だなぁ!

 

「よく、わっ、わきゃっ…ね!」

 

 渾身の作戦を見抜かれてもう満身創痍である。

 

「おっ、おにぎりィ、…持ってた、からァ!」

 

「おにィ!?うぇっ!?…あッ…うん、ソンだね!」

 

 何がソンだよ!作戦が筒抜けじゃねぇか!もうこれ詰みだよ詰み!昼飯時だから作業してるわけねぇじゃねぇか!

 

「………」

 

「………」

 

 重く冷たい沈黙。たまに大人とかが怖い顔してこんな空気出してるときあるけど子供でも出せるもんなんだね。で?

 

「ええっとぉ?」

 

「!う、うん!」

 

「……………………………………何か、ご用でございますか?」

 

 重い空気になってようやくまともに喋れた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程のやり取りでいろいろと手こずったが何とかミシガンに質問できた。頑張った御褒美に今日はおじいちゃんに何か美味しいものを作ってもらおう。

 

「んンッ!…えっ、えぇとぉ!」アセアセ

 

 ミシガンが吃りながらもアマァい声で何か言おうとする。可愛い!

 

「うッ、うんとねぇ…!」モジモジ

 

「う、うん!」

 

 何だ?ミシガンはあの村長とは正反対の人見知りで臆病な性格をしてると日課のミシガンウォッチングで調査済みだがこんなミシガンは初めて見る。可愛い!

 

 

 

「………ごめん、なさいィ~…(T_T)」メソメソ

 

「あっ!いや、コッチコソゴメンね!!」

 

 謝るなよ!ミシガンは何も悪くないじゃないか!悪いのは全部僕だ!僕が悪いからいけないんだ!可愛い!

 

「実はァ、」オドオド

 

 ん?もしかしてもしかするとこの挙動具合からして俺の時代がスタートする前兆じゃないか!?

 

「あっ!大丈夫だよ!?焦らなくてゆっくりでいーからね!」

 

 時間はまだたっぷりある。なんならこのまま夜になっても構わない。ここまで接近してしかも自然(?)な会話をするなんて初記録だ。僕は今日という日を忘れない。僕の物語はここから始まるんだ!可愛すぎる!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウインドラ……知らない?」

 

 

 

 

 

 僕の人生は今終わったかもしれない。憎いぜ可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやぁー、なんだったんだろうなぁーさっきまでの胸の高揚感はー。気のせいだったのかなぁー。てっきり体の中で炎でも噴いてるんじゃないかと思ったのになぁー。今じゃ冷たすぎて氷でも入ってんのかなぁー。はぁー帰っていいですか?

 

 そうだよ失念していたよ。ミシガンはウインドラの許嫁じゃないか何舞い上がってんだよ現実見ろって。

 

「あっウインドラね、うんウインドラかぁー。」

 

「今日はァ、ウインドラいないのぅ?」

 

 ……さっきは絶望しすぎて気付かなかったけどさりげなく呼び捨て…だと!?あの野郎、結婚しないとかほざいておきながらチャッカリ仲は進めてるんですね!

 

「そっ、そっかぁ、ミシガンちゃんはウインドラと仲がいいもんねぇ…。」

 

「!………(//////)」

 

 なっ何だこの破壊力は!!今までこんな凄まじい力は見たことがない!これが………愛か!!!

 

「ぼぐもぉッ、キョッ、キョーはみてないよぉー。」

 

 いかん、さきほどの攻撃でまた調子が狂いだした!

 

「……?そぅなの?」ボソッ

 

 凄ぇなぁこの一挙手一投足爆弾、僕の急所を的確に破壊してくる。

 

「ん!」

 

「じゃあ、……カオスくんまた、ね。」

 

 そう言って僕のメガミッ、………じゃないミシガンは去っていく。

 

「はぁ~、だよねぇ。ウインドラだよねぇ時代は。」

 

 初恋は叶わないって言うしなぁ。これで僕も大人の階段を1つ昇ったと思えばいい経験だぜ!

 

 

 

 

 

「おぉ~い!アルバさんとこのボウズゥ!そろそろ飯の時間終わるからさっさっと食っとけぇー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 畑の作業も終わり、今日も夜までおじいちゃんと剣の鍛練でもしようかと家に帰りつくとウインドラが先に待っていた。

 

「あれ?どうしたんだウインドラこんなところで。そういえば今日畑にいなかったけどサボり?」

 

 おかげでミシガンに話し掛けられたじゃないか有り難う!

 

「やぁカオス昨日ぶり。ゴメンね畑仕事出れなくて、今日は父さんに連れられて村の警備隊の見学に行ってたんだ。」

 

「あぁ~それでかぁ。」

 

 僕は将来騎士を目指していることを村でも公表している。大半は白い目で見られるが。

 

 そしてウインドラは同じく騎士を目指しているが村のみんなにはぼかしている。ウインドラのお父さん、ラコースさんが村の警備隊の副隊長をになっているからウインドラもそれを継ぐもんだとみんなは思っているらしい。

 

 ちなみに警備隊の隊長はおじいちゃんだったりする。それで僕たちは隊長副隊長の家の子供どうしで仲がいいのかもね。恋敵だが。

 

「いつか来るものだとは思ってたよ。それが今日だったんだ。」

 

 そのわりには何だか暗いなぁ、どうしたんだ?

 

「何かあったのか?」

 

「え?」

 

「顔に申し訳ないって書いてるぞ?」

 

 そう言われてウインドラは驚いていたがやがて隠しきれないと悟ったのか口を開く。

 

「父さんもみんなも何だか俺が大人になったら警備隊として働くことを期待してるみたいなんだ。だから今日みたいに見学に来いってついていったけど、俺騎士になりたいんだ!………だから期待に応えられないのに良いとこ取りしてるみたいな気分で申し訳なくて…。」

 

 あぁ~、なるほどコイツはいかんせんこの村では子供とはいえ他より出来すぎるからなぁ。注目の的なんだろう。警備隊も人材を欲してるからウインドラを狙ってる筈だ。そのうえミシガンとも将来結婚する可能性が1番高いから村長候補でもある。おまけに農作業も器用にこなすし。選り取り緑という訳だ。

 

 多才な人材だからこそ皆の視線を独り占めしてるがその視線がウインドラを期待という見えない縄で縛っているのだろう。そんな視線受けたことないから分からないけど受けている本人を見ると苦しそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「そんなちいせぇこと気にすんなよ!」

 

「え?」

 

「ウインドラがなりたいものやりたいことなんて誰かが決められるものじゃないだろ?誰かの期待なんてなんの効力もねぇよ!」

 

「カオス…。」

 

「そんなに回りの期待に応えられなかったときのことが恐いなら僕がこう期待してやるよ!僕はウインドラはウインドラが将来なりたいものに自信をもってなれると期待している!これでいいだろう!」

 

「…………」

 

「……(ドヤァ)」

 

「ウッフフ!何それ!言葉遊びみたいw!」

 

「おいおい、僕今結構良いこと言ってなかった!?ねぇ!」

 

「フフッさぁてねぇw」

 

 

 

 

 

「騒がしいと思ったら随分と恥ずかしいことを大声で叫んどるガキがいるな。ちゃあんと周りに人がおらんこと確認しないとダメだろう。」

 

 家の中からおじいちゃんが出てきた。

 

「アルバさん、先程はどうもありがとうございました。いい経験になりました。」

 

「おう、またいつでも見学しに来い!」

 

「遅いぞ!おじいちゃん、遅刻だぞ!」

 

「おうおう、粋のある孫だなぁ、こっちはさっきまでモンスターの警戒任務で疲れてんのにぃ。」

 

「態々仰々しく言うなよ。どうせ草原や森を見て回って帰ってきただけでしょ?」

 

「このバカタンがぁ…、そんな遊びに行って帰ってきたみたいに言うなよ。これがどれ程大事な仕事か………分かってねぇんだろうなぁ」チッ

 

「そんなことより早く稽古しようぜ!日が暮れるよぉ!」

 

「分かった分かった、後でな。」

 

「早くしてよぉ!?」

 

「おう、 あっそうそうそういえばさっき帰ってくるとき聞いたんだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おめぇ今日、なんか畑で村長のとこの嬢ちゃんに変なことしてなかったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 せっかく忘れていた黒歴史を思い出させんなよ。

 

 

 

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