テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
旅の途中辿り着いたトーディア山脈でヴェノムに感染したダイナソーと戦いカオスとアローネはなんとかこれを撃破する。
一方でタレスは…
トーディア山脈 峠
「タレス!」
「……!」
タレスがサイノッサスと戦っている!
!
コイツは!?
「タレス離れて!魔神剣!!」
魔神剣がサイノッサスを吹き飛ばす!
「タレス!」
「…」
無表情だが足が震えている。
立っているのがやっとのようだ。
やっぱり………感染している!
ブルルッ!
さっきのサイノッサスが立ち上がって向かってくる!
「『疾風よ!我が手となりて敵を切り裂け!ウインドカッター!』」ザシュッ!
ブル!
「アローネ!有り難う!」
「そんなことよりもタレスがっ!」
ドサッ
「「タレス!?」」
「タレス!タレス!!」
「しっかりしてください!タレス!」
タレスの体が凄く熱い!
感染したサイノッサスの攻撃を受けたんだろう。
あの雄叫びで寄ってきた時点でヴェノムだと気づくべきだった。
タレスにはヴェノムを判別できないことを忘れていた。
作戦通り対応させてしまった。
僕が!
僕がもう少し冷静に対応していれば!
こんなことには!
「…。」
「カオス!タレスの意識が…!?」
「!?」
下らないことを悔いているうちにタレスが…!
このままではタレスもおじいちゃんのように!
どうすればいい!
どうすればタレスを救える!
「傷口はどこ!?」
「どうやらこの脇腹のようです!」
脇腹をやられているのか。
脇腹では手足のように切り落とすことができない。
素人が下手なところを傷つければそれだけでヴェノムとは無関係にショック死させてしまう。
この間にもタレスの体の中ではヴェノムが繁殖していく!
またなのか。
また僕は救えないのか。
結局僕は誰も救うことが出来ないのか。
大人になって現実を見て世界中の人を救うことも騎士になることも諦めてせめて目の前の人だけは救おうと妥協したのに。
妥協した目標ですら僕には不可能なのか。
僕にはヴェノムに抗う力があるのに。
僕がダメだから救えないのか。
僕以外の人が使えてたらもっと上手く使えたのだろうか。
僕が持っているからいけないというなら…。
「……ウゴァァァ!」
「!」
「タレス!声が!」
「ヴェノムは高い再生能力を持っています。
このタイミングでタレスの喉を再生させたのでしょう。」
「……でもこのままじゃタレスがゾンビに…。」
死の間際に声が戻るなんて酷い皮肉だ。
命あってのものだねだろう。
神なんてものがいるのならこれが救いだとでもいうのか。
こんな小さな命にはこれがやっとの救いなのか。
タレスをが何をしたっていうんだ…。
「カオス……さん、………」
「タレス!」
「さ……いごに……こえ…がもどっ…てよかっ…た。」
「最期だなんて言うなよ!何か!何か手はある筈だから!」
「もう……いいん……です。
……マテオに……つれてこられてから……さんざん……悪いことを……したから……そのむくい……なんでしょう。」
「そんなのタレスが望んでやったことじゃないじゃないか!タレスは本当だったらダレイオスで!」
「いいんです………これが…戦争だった……んです。
……自分の声で……お礼を……いえるだけで…僕の…人生は。」
「タレス!」
「喋るな!今街に連れていくから!」
「間に合…せんよ……僕が……ヴェノムに……なったら……お願いし……ます」
「嫌だ!僕にタレスを殺せっていうのか!そんなこと出来るわけないだろ!」
「僕は………僕を……人扱いしてく……二人を…………傷つけた……ない……。
この国に……来て………初めて優しくしてくれた……二人だから。」
「そんなの当たり前だろう!タレスは人なんだ!これからだってずっと!」
「短い間……でしたけど……敵国の……奴隷………の僕を人にして……くれて…………………………………ありがとう…………………………………。」
「「タレス!!」」
「」
「…………クソッ!!またっ!僕のせいで!僕が連れ出したから!」ガッ!
「カオス…。」
「なんなんだよ!?こんな力があっても役にたたないじゃないか!?ふざけるな!誰が誰を助けられるって!?くっだらない夢をみるんじゃねぇよ!?消えてしまえ!!」ザシュッ!
「!?カオス何をッ!?」
「こんな無能の俺なんか殺してやる!!生きてたって人を不幸にしかしない俺なんて!」
「止めてください!自分を斬りつけてもなんの解決にもなりませんよ!」
「こんな痛みタレスや死んでいった人に比べればぁっ!」
「貴方には旅をする目的があったのではないですか!?」
「どうせそんなもの!出来るわけないんだよ!俺が死なないと!!」
「カオス!!!」
「!!」
「カオス!また貴方は自分を見失ってますよ!貴方はいなくなった人のために生きなければなりません!」
「…」
「カオスは誰も不幸になどしてません!タレスも!」
「でも!タレスが…!」
「自棄を起こしたところで問題は解決しません!それにまだ終わってません!」
「!」
「貴方の村の人達は抗体があると仰っていましたね。
あのミストの森も。」
「う、うん…。」
「通常では考えられません。ヴェノムは無差別に生物に感染して増殖していき村や森……最終的には国が滅ぶほどのウイルスです。」
「それは……殺生石の。」
「それです。
その殺生石の力を受けてあの村は助かったのです。」
「そんなの分かってるよ!それが今なんの関係があるのさ!」
「十年前からヴェノムに感染した話は聞きましたか?」
「……他所から移動してきたモンスターだけだと思う。
それ以外ではもとからいたモンスターもいるからそのモンスターも。」
「貴方のその殺生石の力を一度受けるとどういう原理かは判明しませんが抗体とやらがが出来るのです。
その後もずっと。」
「………アローネはタレスに力を使えって言ってるの?」
「………はい。それがタレスを救う方法かと。」
「この力は十年前に使ってからまともに使ってない。
コントロールも出来ない。
第一あの時はヴェノムに感染した人ごと殺したんだ。使えばタレスだって…。
もしかしたらアローネも。」
「気付いてませんか?貴方はごく最近その力をコントロールしたのです。」
「!あの時は………!それにたまたまかもしれないし!アローネがいたかもしれないし!」
「たまたまでもなんでも貴方がコントロールしたことに変わりありません。
それにあの時も今も私がついています。」
「失敗したらアローネも吹き飛ぶかもしれないんだよ!?」
「ここでカオスがカオスを殺そうとするのならそれでもいいのかもしれません。
私はカオスにブラムさん達から助けていただきました。 あのまま連れていかれて異国の犯罪者がどういう扱いを受けるのかは想像できます。
私の命はカオスとともにあります。」
「どうしてそんな簡単に命を捨てられるんだ!せっかく助かった命をそんなに軽く…!」
「貴方に救われた命です。
貴方の為に使ってこそ恩が返せるというものでしょう?」
「僕は……恩とかそんなもののためにアローネを助けたんじゃ!」
「早くしてください!ここで時間を潰していたら助けられるかもしれないタレスを助けられなくなるかもしれませんよ!今ならまだゾンビ化していないので体はタレスのままです!」
「!」
「貴方がその力を使うのが怖いということも伺っています。
ですがここにいるのはそんなことを気にする必要のない人しかいません。」
「アローネ…!僕は……。」
「カオスはカオスを信じてあげてください。貴方が救いたいと願えば救われるものもいるのです。」
僕は……
「……………………………………………………………………………………………………やるよ。もうそれしかないのならやるしかない。」
「はい。」
「失敗したら一緒に死んでくれ!」
「はい!」