テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウィンドブリズ山
カオス「………いっ…………、」
ダイン「………?」
カオス「今のどうやったの……!!!??」
カオスは興奮してダインに詰め寄った。急に魔術を使い始めたのには驚いたが自分に魔術が効かないことを思いだし驚くだけ意味の無いことだと術が発動するまでは考えていた。
なのにやはり驚かされた。ダインの魔術がカオスに“命中することなく通りすぎて”いったのだ。この時カオスはダインが瞬間的に魔術をカオスを避けるように操作したのかと思った。一瞬魔術がカオスを透過して通過したようには見えたがいくらなんでも物質的に氷が物質である自分の肉体を通過出来るわけが………、
………と、カオスがダインに今の技を詳しく質問しようとしたらダインからは返答はまた魔術で返ってくるようだった。
ダイン「『氷雪よ………我が手となりて敵を凍てつくせ………、
追撃の二十連撃………』」
今度はアイシクルではなさそうだ。これは追撃か………?
………いやこれはレサリナスでのラーゲッツやセレンシーアインでランドールが見せた術の氷バージョン………!!
ダイン「『インブレイスエンド』
ダインが先程見せたアイシクルの氷の塊を越える大きさの氷の………これはもう巨大な小山が出来るほどの質量の氷を空中へと造りそして………、
それがカオスへと墜ちてくる。これは流石にどう上手く操ったとしてもカオスに確実に墜落して当たる。魔術が効かないカオスは魔術によって発動した術はカオスに接触した瞬間その部分が消滅するのだが………、
その小山ほどある氷はカオスに一切触れることなくカオスへと落下した。
カオス「………!?
何だこれは………!?」
ありのままの景色を伝えると氷はカオスに確かに降ってきてそのまま氷の地面へと着地した。
しかしその氷は何故かカオスにだけ触れることがなかった。カオスはその氷の中にはいるのだが氷に触れられない。氷は確かにそこに存在する。だというのに氷がカオスを避ける………のではなく透き通っている。
まるで氷が物質ではなく光によって映し出された像のようにカオスを中心に捕らえながらも接触しないのだ。
ダイン「……こんな感じ………。」
カオス「……これはどうなってるんだ……?」
信じられない光景を目にしてカオスは今起こっている事象の探求欲に苅られた。これほど巨大な氷の塊が何故自分に降ってきながらその回りの地面には影響を及ぼして自分にはその影響が起きなかったのか。
ダイン「うちがカオスに当てないようにしたから………。」
カオス「当てないようにしたって………何でこんなことが出来るんだ………。」
ダイン「カオスに昨日触った時からカオスのマナはなんとなく掴んだ……。
後はその“固有マナ”にうちのマナを干渉させないようにコントロールしただけ………。」
カオス「固有マナ………?」
ダイン「人は皆それぞれ固有のマナがあるの……。
指紋のようにその人その人には必ずあるマナ……。
それをうちが昨日の内にカオスから読み取ったから今撃ったアイシクルとインブレイスエンドをカオスにだけぶつけないように撃ったの……。
俗に言う共鳴(リンク)って言う技法……。
うちらのようにマナが多くない人達にとってはマジックアイテムを装備してても習得するのは難しい技法だけど……。」
共鳴………?固有マナ………?知らない単語ばかりだ。要するに魔術を当てたくない物に当てないようにする術なのか………?
ダイン「…魔術の起源はマナと干渉させて“自然エネルギーを具現化”すること………。
マナは感じることは出来るけど触れることは出来ない非物質的な物………。
マナを体のどこかに集めたり誰かに送ったりは出来るけどそれはどうやっても絶対に触ることは出来ない感覚的なもの………。
マナ密度を調節すれば自然エネルギーと干渉させて発生させた基本六元素は物質と非物質の境界………目には見えても触ることは出来ない“像”として顕現させることが出来る……。」
カオス「物質と非物質の境界………。
でもこれは………俺だけに非物質になってるけど……?」
ダイン「これが共鳴だよ……。
マナを消費して六元素を具現化させる時、水や風は元々自分は怪我しない物質だけど火や雷だって自分で出した物なら火傷したりしないでしょ……?」
カオス「…確かにウインドラの雷や他の人達が出すファイヤーボールって放つ前はその人の手とかに収まってることがあるけど火傷とかはしたりしないな……。」
ダイン「自分のマナで具現化した元素は自分のマナが流れてるからある意味じゃその元素も体の一部としてカウントされる……。
自分の体なのに自分で怪我するなんて不完全な生命はいないでしょ……?
……そして共鳴はその自分のマナを誰かと強く結びつけることでその誰かにだけ術を使うことが出来たり逆にその人にだけは魔術の影響を受けないようにしたり出来る……。
この技法を用いればカオスはモンスターにだけ魔術を使うことも出来るから仲間の子達が被爆することを気にしないで魔術を使えると思うよ……?」
カオス「………」
………凄いな………そんな技術があったなんて………。その技法が身に付けば確かに俺は魔術を使うことが出来るだろうが………、
カオス「…けど俺の魔術は普通の人達みたいな小規模なものじゃなくて街一つ吹き飛ばせるくらい強力だから……、
仲間だけじゃなくダレイオスの人達だって被爆しちゃうんだけど……。」
ダイン「だったら話は簡単………。
この共鳴を魔術を使いたいモンスターにだけ使うの……。」
カオス「モンスターと共鳴を……?」
ダイン「そう……、
モンスターも固有のマナを持っている筈だからそのマナを一度直接触って感触を確かめないといけないけど一度感じ取れたら後はそのモンスターのマナにのみマナをぶつけることに集中出来たら……、
カオスの魔術はそのモンスターだけにしか当たらない。」
カオス「!」
ダイン「この共鳴はマナとマナを結び付ける技術……。
魔術の真髄は具現化出来るか出来ないか……。
倒したいモンスターにのみ魔術を具現化させればカオスは何も悩むことなく魔術を行使出来る……。
……後三日………、
うちも暇だしカオスが望むのなら……、
うちがカオスにこの共鳴を伝授してもいいよ……?
うちはブラムみたいに頑張ってる人を応援するのは好きだから………。」
………こうしてカオスは思わぬところで戦術指南を受けることになった。彼女の言う共鳴は今のカオスにとっては確実に必要な技術。それを敵であるダインから教わることになった。これが体得出来ればカオスはこれまでにない力を得ることになる。
何故敵であるダインが彼女にとっては得にもならないことを申し出てくるのかは恐らく気分によるところなのだろうがこれはまたとないチャンスであった。カオスはこのチャンスに飛び付くことにする。
レサリナスでもそうであったがカオスが何か技術を身に付ける際には必ずバルツィエが関係している。
この出逢いはカオスにとっては必然であったのだろうか………。