テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウィンドブリズ山 ダインとの修練二日目
カオス「…遂に来たか………。」
共鳴が習得出来たとダインは言うがまだカオスはモンスターに対して魔術を使用していない。人に対してフラッシュバックが起きることなく魔術は発動出来るようにはなったがそれは魔術で対象を攻撃していないからである。カオスの記憶に潜む影は目の前で大切な者達を自らの手で消滅させた記憶。例え人でなくても自らの魔術がモンスターの肉を焼いたり吹き飛ばしたりする瞬間を目にすればカオスの時間は止まってしまう。
乗り越えなければならない壁はまだ最後の一つが残っているのだ。
カオス「でもここにはもうモンスターはいないけどどうするんだ?」
ダイン「勿論探しに行く……。」
カオス「探しに行くって………、ダインが俺に付き合えるのは明日までなんじゃ………。
今から探しに行くとしたらこの山から移動しないけといけないだろ?
どうするって言うんだ?」
ダインは最初に三日後にランドールと合流するまでカオスの特訓に付き合うと言っていた。昨日と今日とでダインは十分に特訓には付き合ってはもらっているのだがどうやら最後まで面倒は見るようだ。そうなると移動の手間だけで明日まで時間がかかってしまいダインといられる時間が尽きてしまいそうだが………、
パンパンッ………
ダイン「………」
カオス「?」
パンパンッ………
ダイン「………」
カオス「………………あっ………、
レアバードで移動するのか………。」
ダイン「正解………。」
急にダインが持っていたウイングバッグを叩き出したので何かと思いきやレアバードで移動するということを伝えたかったようだ。短い付き合いなので分かりづらいのも仕方ないが少し面倒な性格をしているとカオスは思った。
カオス「でもいいのか………?
俺をそれに乗せても。」
ダイン「別に問題はないと思う………。
ここにはうちとカオスしかいないし……。」
カオス「そりゃそうなんだけど……。」
二日間でダインがカオスを騙すような人物ではないことは分かっているがそれでも敵の乗り物に乗るのは気が引けてくる。このまま空中に拉致されたらそのままレサリナスに連行されるのではないのかと疑いがあるが……、
ここまで付き合ってくれたダインを信用してカオスはレアバードにダインと共に同乗するのであった。
ブロウン族の集落トロークン
ウインドラ「………カオスが魔術の個人訓練に出向いてから今日で四十四日か………。
カオスがウィンドブリズ山に行ってから毎日欠かさずカイメラに挑んではいたが四十四戦四十四敗………、
……この調子では五十連敗に届いてしまうな………。」
タレス「何度挑んでも変身と再生のマエニ手も足も出ませんね……。
……やっぱりカオスさんのあの超破壊的な魔術に頼るしか勝つ見込みはありませんが………。」
ミシガン「…いつになったら戻ってくるの………カオス………。」
オサムロウ「こう………敗戦が続くとあのカイメラに打ち勝つビジョンが見えなくなるな………。
我がここまで敗戦に喫するとは………。」
アローネ「カオスがやると仰って特訓に挑んでいるのです。
私達は彼が壁を乗り越えて戻ってこられるのを待つ他ありません。
それまでは何度でも敗北を重ねましょう………。
私達には他に手は無いのですから………。」
カオスが不在の仲間達はカオスが戻ってくるまでカイメラに四十に及ぶ挑戦を試みた。そのどれもが同じ結果で同じ結論に至る。
カイメラにはカオス無しには勝つことは不可能だと。ここまでよく敗戦を続けながらも彼等は精神を保つことが出来たものである。それだけカオスに賭けてみる価値を分かっているからなのだが、
オサムロウ「……しかしそろそろ別の道を探してみる時間であるのも確かだ。
“今日”が終わればいよいよ………。」
アローネ「えぇ………、
分かっております………。
今日が終わり明日が来れば殺生石が下した残りの期限がとうとう………、
“残り百日”を切ると言うことは………。」
ウインドラ「……カオスはウィンドブリズで一人で修行に入っているが期日がもう百日を切ることは理解しているだろうか………?
残り百日以内にあのカイメラを含めたヴェノムの主を後五体倒さねばならぬのだぞ………?」
タレス「単純に計算すると一匹のヴェノムの主に掛けていい期間は二十五日………。
あのカイメラに使った時間はおよそ四十長………。
……何だか間に合う気がしませんね………。」
ミシガン「けど私達はカオスを待ってないと………。」
アローネ「大丈夫です。
カオスが無事に戻って来さえしてもらえればあのカイメラは一日で討伐できるでしょう………。
あのカイメラがヴェノムの主の中でもっとも手強い相手なのです。
カイメラを倒すことが出来ればカオスにとって他の主は物の数ではありません………。」
オサムロウ「倒せるか倒せないかの問題ではない………。
我等が気にしなくてはならないのは期間の問題だ。
……ここらでソナタ等には三組に分散して残りのヴェノムの主に挑みに行ってもらった方が得策だな………。」
タレス・ミシガン・ウインドラ「!?」
アローネ「……それはカオスが間に合わないと仰るのですね………。」
オサムロウ「現状に目を向けるのだ。
カイメラは主の中でも異例な存在ではあるがそれでも主であることに変わりはない………。
その主を倒すことが出来ずにこの地方で一ヶ月以上も滞在してしまったのだ。
我等は世界の命運を握っているのだぞ?
ここで動き出さねば世界は終わる。」
オサムロウが言うことも理解は出来る。アローネ達もそのことは理解はしているつもりだ。だがそれでもカオスを置いて仲間達がバラバラになるのは避けたかった。どうしてもここまでやって来た仲間達と共に旅をしたかった。だがそれにはカオス達が抱えている問題を鑑みてみれば余裕が無さすぎた。カオス達はヴェノムウイルスを振り撒く五体のヴェノムの主を明日から百日以内に倒しきらねばならない。レイディーが言っていたように集団で行動するとどうしても人数が多い分移動の時間に遅れが生じてしまう。目的地に到着してしまえば人数の多さで主を数で攻めることは出来るだろうがそれをするにしてももう時間はあまり残されていない。投げられた賽の期限はもうすくそこまで差し迫っている。この辺りで保険に動くべきことも理解は出来るのだが………、
タレス「………………」
ミシガン「……タレス……?
どうしたの?」
アローネとオサムロウがカオスと別行動するか否かを話し合っている時にタレスが他所を向いて凝視していることに気付いたミシガンがタレスに話しかける。
タレス「………あれは………何でしょう………?
何か…………大きな鳥のような生物が………。」
ミシガン「鳥………?」
タレスが向いている方向の遠い上空に何やら大きな鳥のような生物が飛んでいるのが分かる。それはこちらからも分かる程に徐々に近付いて来ているようだった。
その鳥のような生物は方学的にウィンドブリズ山の方へと向かっているようだった。
オサムロウ「………!!?
あれは…………………!!
グリフォン!!!?」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「!!?」
そこに飛翔していた生物はオサムロウが見てグリフォンだと判別した。
グリフォン………カオス達が倒すべきヴェノムの主の五体の内の一体である。それが今………、
アローネ達の目の前で羽ばたきながらカオスのいるウィンドブリズへと進んでいた………。